冬の宗谷岬に集う渡り鳥の壮大な旅路
このページでは『さわやか自然百景 北海道 宗谷岬 秋から冬(2026年1月25日)』の内容を分かりやすくまとめています。
初冬の宗谷岬は、大陸と日本をつなぐ“空の玄関口”となり、海峡を越えて多くの渡り鳥が集まります。
白い翼を広げるオオハクチョウ、空の王者オオワシの大群が風をつかんで舞い上がる瞬間は、まさに自然が描く壮大なドラマそのものです。
大陸と日本を結ぶ最北の交差点・宗谷岬
![]()
宗谷岬は、日本本土のいちばん北に位置する場所です。晴れた日には、海の向こうにサハリンの島影が見えるほど、大陸に近い場所にあります。この地理条件こそが、ここを渡り鳥たちの重要な通過点にしています。
秋から冬にかけて、北の大地や大陸で繁殖した鳥たちは、寒さを避けるため南へ向かいます。その途中で必ず立ちはだかるのが宗谷海峡です。広い海を一気に越えられる場所は限られており、宗谷岬周辺はその数少ない“入口”のひとつになっています。
岬の断崖や起伏のある地形には強い上昇気流が生まれます。鳥たちはこの風を利用して高度を上げ、体力を温存しながら次の目的地へ向かいます。宗谷岬は、ただの通過点ではなく、長い旅を成功させるための重要な助走区間なのです。
海峡を越えて集結する多様な渡り鳥
![]()
初冬の宗谷岬周辺では、50種を超える渡り鳥が確認されます。カモ類やカモメ類、小さなスズメの仲間まで、体の大きさも飛び方もまったく異なる鳥たちが、同じ空を共有します。
大陸から吹き込む冷たい風の中、鳥たちは海面すれすれを飛び、体力を削られながらも日本列島を目指します。岬に近づくにつれ、次々と上昇気流に乗って高度を上げ、まるで空中に見えない道があるかのように進路を変えていきます。
この一帯では、短期間に大量の鳥が集中して通過します。その光景は点ではなく流れとして現れ、宗谷岬の空が“動いている”ように感じられます。ここが北海道の最北端であり、日本の空の玄関口であることを、強く実感させられます。
白い翼が描くオオハクチョウの隊列
秋が深まると、オオハクチョウの群れが宗谷海峡を越えて姿を見せます。大陸で繁殖を終えた彼らは、日本各地の湖や湿地で越冬するため、長い距離を移動します。
灰色の空と暗い海を背景に、真っ白な体と大きな翼はひときわ目立ちます。群れはV字や一直線の隊列をつくり、先頭の個体が風を受け止め、その後ろを仲間が追います。途中で先頭が入れ替わるのは、全体の負担を分散させるためです。
宗谷岬上空に差しかかると、群れは旋回しながら進路を整え、次の休息地へと向かいます。鳴き声を交わしながら飛ぶ姿は、厳しい自然の中でも秩序を保つ、集団行動の完成形を見せてくれます。
空を支配する王者・オオワシの大群
この時期の宗谷岬で、もっとも圧倒的な存在感を放つのがオオワシです。翼を広げると2メートルを超える日本最大級の猛きん類で、黒い体に白い翼と尾、黄色いくちばしが強烈な印象を残します。
毎年、数千羽規模のオオワシが大陸から宗谷海峡を越えてやって来ます。岬周辺で発生する上昇気流に乗り、頭上で大きな円を描くように旋回しながら高度を上げていく姿は壮観です。
一羽一羽が風の流れを読み、無駄な羽ばたきをせずに滑るように飛びます。その動きは、力任せではなく、自然の力を完全に味方につけた飛行です。宗谷岬の空が、巨大なオオワシの舞台になる瞬間です。
増幌川に集まる命と捕食の現場
宗谷岬から内陸へおよそ10キロ進んだ場所にある増幌川は、オオワシたちにとって重要な立ち寄り地です。秋から冬にかけて、川を遡上するサケが集まり、豊富な餌場になります。
川岸や流木の上で待ち構えていたワシたちは、機を見て一斉に飛び立ちます。水面をかすめる鋭い爪、舞い上がる水しぶき、そして捕らえられるサケ。無駄のない動きからは、長い進化の中で磨かれてきた狩りの技が伝わってきます。
獲物を得たワシは、翼を大きく広げて体を守りながら食事をします。ここで得た栄養が、さらに先へ進むための力になります。増幌川は、空の旅を支える重要な補給地点なのです。
冬の宗谷岬が示す地球規模の生命の流れ
宗谷岬で見られる光景は、単なる自然観察では終わりません。渡り鳥の移動は、大陸、海、川、森がつながって初めて成り立つものです。どこか一つが欠けても、この壮大な流れは維持できません。
北海道最北のこの地では、秋から冬へのわずかな期間に、地球規模の命の移動が凝縮されて現れます。白いハクチョウ、黒と白のワシ、小さな鳥たち。そのすべてが、季節とともに確実に動く自然のリズムを体現しています。
宗谷岬の空に広がる鳥たちの姿は、自然が今も生きたシステムとして機能している証です。その事実を、静かで力強く伝えてくれる場所が、ここ宗谷岬なのです。
冬の宗谷岬に響く渡り鳥たちのドラマ
このページでは『さわやか自然百景 北海道 宗谷岬 秋から冬(2026年1月25日)』の内容を分かりやすくまとめています。
実際の放送内容と一部異なる場合があります。
初冬の宗谷岬には、大陸から多くの渡り鳥が集まり、白い群れを描くオオハクチョウ、空を支配するオオワシが壮観な光景を生み出します。自然の力と鳥たちの生命力が交差する瞬間が息づく季節です。
まとめとして、宗谷岬は鳥たちの旅路が凝縮された特別な場所であり、季節の移ろいと生命のつながりを強く感じられます。放送後に内容を追記します。
【さわやか自然百景】新春特集 川の国 日本 水が紡ぐ命|日本の川が育む川の生態系と生きものたち 斜里川サクラマスと干潟生態系まで|2026年1月2日
気になるNHKをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント