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Eテレ【ステータス(2)】ストラディバリウス メシアの音の特徴と価値の理由を“メシアの由来”とクレモナ無形文化遺産から読み解く|2026年2月7日

ステータス
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ストラディバリウスの伝説に触れる旅へ

300年以上の時を超えて輝き続けるストラディバリウス。その音色と物語には、人を強く惹きつける“本物の力”があります。今回の特集では、名器の中でも「究極」と称される一本に迫り、その魅力の源へと旅していきます。

このページでは『ステータス(2)ストラディバリウス(2026年2月7日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。

ステータスとは?名品を追いかけるNHKシリーズの魅力

ステータスは、「所有すればステータスシンボルになる名品・逸品」を毎回ひとつ選び、その魅力や伝説を追いかけるシリーズです。番組では、ただ「高価」「珍しい」というだけではなく、そこに込められた歴史や人間の思いまで含めて、本物の価値とは何かを探っていきます。

今回のテーマは、楽器の世界で「頂点」と言われるバイオリンの名器です。シリーズ第2回として制作されたこの「メシア~究極のストラディバリウス~」は、テレビ業界の賞であるATP賞テレビグランプリ情報・バラエティ部門で最優秀賞も受賞していて、「本物の価値を追う番組」として高く評価されています。

スタジオには、日本ヴァイオリン代表でありヴァイオリン鑑定家・ヴァイオリンキュレーターとして知られる中澤創太さんが登場します。中澤さんは、これまでに70挺以上のストラディバリウスを扱ってきたスペシャリストで、番組ではその経験をもとに、名器の選び方や、本当に良い楽器とは何かを語っていきます。

バイオリンの名器・ストラディバリウスとはどんな楽器か

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番組の前半では、そもそもストラディバリウスとは何か、基礎からていねいに説明されます。

ストラディバリウスとは、17~18世紀にイタリアのクレモナで活躍した楽器職人アントニオ・ストラディバリが作ったバイオリンなどの弦楽器の総称です。ストラディバリは生涯でおよそ1,100丁あまりの楽器を製作し、そのうち約600丁前後が現代まで残っていると考えられています。

番組では、ストラディバリがどのような時代に生きていたのか、イタリア北部クレモナの街がどれほど楽器作りの中心だったのかにも触れます。クレモナは、アマティ家やグァルネリ家といった名家も活動した、弦楽器づくりの聖地です。現在も伝統的なバイオリン製作はユネスコの無形文化遺産に登録されており、世界中から若い職人が技を学びに集まっています。

ストラディバリウスが特別視される理由として、番組では「音」と「作り」の両面が紹介されます。
響きの豊かさ、音色の幅、遠くまで伸びる芯のある音。プロのバイオリニストにとって、ストラディバリウスは一度は手にしてみたい憧れの存在であり、「同じ演奏でも楽器が変わると世界が変わる」といった感想が語られます。

一方で、現代の研究では「ストラディバリウスだけが特別な音を持つのか」という点については議論もあり、ブラインドテストでは他の高級楽器と区別がつかない場合もあると紹介されます。それでもなお、多くの演奏家やコレクターがストラディバリウスを求め続けるのは、300年以上受け継がれてきた歴史や物語が、音以上の価値を生み出しているからだと説明されます。

また、近年のオークションでは、一挺で数億円に達するストラディバリウスもあり、「楽器」であると同時に「美術品」や「投資対象」として取引されている実情も番組内で触れられます。2025年には、アメリカ・ニューヨークの競売で300年以上前のストラディバリウスが約1,100万ドル(日本円で十数億円)で落札された例もあり、その桁違いの価格が視聴者の驚きを誘います。

究極の一本「メシア」ストラディバリウスの正体と物語

番組の中心となるのが、「メシア」と呼ばれる一本のストラディバリウスです。

メシアは1716年に作られたバイオリンで、ストラディバリが「黄金期」と呼ばれる技術の最盛期に製作した作品です。驚くべき点は、その保存状態の良さです。ストラディバリ自身が生涯手元から手放さず、ほとんど演奏されなかったため、現在でも作られた当時に近い姿が残されていると紹介されます。

メシアという愛称は、「約束されているのに、なかなか姿を現さない存在」という意味からつけられました。19世紀にこの楽器を所有していたフランスの名工ジャン=バティスト・ヴィヨームのもとで、いつも話題にはなるものの人前にあまり出てこなかったことから、「ユダヤ教の救世主(メシア)のようだ」と言われたのが名前の由来だとされています。

現在、このメシアはイギリスのオックスフォードにあるアシュモリアン博物館に収蔵され、ガラスケースの中で展示されています。塗装のツヤや彫刻の精密さがほとんど損なわれておらず、「教科書のような完璧さ」で後世の職人たちの手本になっていることが、番組の中でも強調されます。

番組では、なぜこのメシアが「究極のストラディバリウス」と呼ばれるのか、その理由がいくつかの視点から紹介されます。
・形とプロポーションが理想的であること
・ニスの色合いと透明感が「黄金期」を象徴していること
・300年以上たっても傷や補修がほとんどないこと

さらに、ストラディバリの工房から始まり、コッツィオ伯爵、タリシオ、ヴィヨームを経て、イギリスの名門楽器商ヒル家の手に渡り、最終的に博物館へ寄贈されるまでの来歴も紹介されます。芸術作品として守るべきだと考えたヒル家が、「未来の職人たちのための基準」としてメシアを残したというエピソードは、番組の大きなハイライトのひとつです。

一方で、このメシアは「完成度を保つため、この100年間ほとんど演奏されていない」とも言われています。ストラディバリウス本来の「音色」を知りたい人にとってはもどかしい話ですが、「音を鳴らすこと」と「姿を未来に残すこと」という、楽器ならではのジレンマが視聴者に投げかけられます。

ストラディバリの故郷クレモナと現代の弦楽器職人たち

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番組では、ストラディバリウスを理解するためには、その生まれた街を知ることが大切だとして、イタリア北部のクレモナにも注目します。

クレモナは、ポー川沿いにある小さな街ですが、16世紀以降、世界の弦楽器づくりの中心地として発展してきました。アマティ家、グァルネリ家、そしてストラディバリ家などの名工がここで活動し、「クレモナのバイオリン」と言えば最高級品の代名詞になりました。

現在もクレモナには多くの工房が並び、若い職人たちが古い技法を学び続けています。一本のバイオリンを作るために何カ月もかけ、木の選び方、削り方、ニスの塗り方など、細部までこだわる姿は、現代でも変わらない職人の世界です。こうした伝統はユネスコの無形文化遺産にも登録され、「人から人へ受け継がれる技」として高く評価されています。

ゲストの中澤創太さんは、クレモナのヴァイオリン博物館で名器の研究にも携わってきた人物です。番組では、中澤さんが感じたクレモナの空気や、現地の職人たちがストラディバリウスをどう見ているかといった話も紹介されます。かつての天才職人の影を追いながら、今もなお新しい楽器が生み出され続けている街の姿は、「歴史は過去のものではなく、今も続いている」と教えてくれます。

視聴者は、メシアのような「特別な一本」だけでなく、その周りにある街・文化・人の営みまで含めて、ストラディバリウスという存在を立体的に感じ取ることができます。

なぜストラディバリウスは世界最高のステータスシンボルなのか

番組のラストに向けて語られるのは、「なぜストラディバリウスが現代でも圧倒的なステータスシンボルなのか」というテーマです。

第一に、その数の少なさがあります。現存するストラディバリウスはおよそ600丁前後とされ、その多くがすでにコレクターや財団、銀行などに所有されています。新しく作られることは絶対になく、数が増えないからこそ、時間がたつほど価値は高まっていきます。

第二に、名演奏家との物語です。歴史に名を残すバイオリニストたちが愛用したストラディバリウスには、一挺ごとに物語があります。どのようなコンサートで弾かれ、どんな録音を残してきたのか。そのストーリーが積み重なり、楽器そのものが「音楽史の一部」になっていきます。

第三に、経済的な価値です。先ほど触れたように、オークションでは一挺が十数億円に達することもあり、「家やビルが買える楽器」としてニュースになることもあります。こうした価格はもちろん話題性もありますが、同時に、楽器を資産として持つパトロンが存在し、その楽器を若い演奏家に貸し出しているというしくみも番組の中で紹介されます。

ストラディバリウスは、単なる「高い楽器」ではありません。
300年以上前の職人の技、名演奏家たちの歴史、そして現代の市場や文化活動まで、さまざまな要素が折り重なって形づくられた象徴的な存在です。

ステータスの今回の回では、その象徴の中でも「究極」とされるメシアを入り口に、「本物のステータスとは何か」を視聴者に問いかけます。手に入れた人だけのものなのか、それとも、音楽を愛する多くの人に開かれた文化の宝なのか。

番組を見終わったとき、きっと多くの視聴者が「もし自分がメシアの前に立ったら、何を感じるだろう」と想像し、楽器の向こう側に広がる人間の物語に思いを巡らせるはずです。そんな余韻を味わえるのが、この回のいちばんの魅力と言えます。

 

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