動物を思う少年ロレンツォの物語
イタリアの山あいで暮らすロレンツォは、生きものを大切にする強い気持ちを持つ10歳の男の子です。
野生のフクロウを世話し、地域の野良猫の問題にも自分から向き合おうとします。その行動の中心にあるのは、ただ“好き”という思いをこえた動物保護へのまっすぐなまなざしです。
このページでは『カラフル!〜世界の子どもたち〜 イタリア 僕が動物たちのためにできること(2026年2月7日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
ロレンツォとイタリアの山の町、動物だらけの毎日
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番組の主人公は、イタリアの山あいの町に暮らす10歳の男の子、ロレンツォです。家のまわりには森や草原が広がり、鳥や小さな動物たちがたくさん暮らしています。ロレンツォは子どものころから動物が大好きで、なかでも空高くを飛ぶ猛きん類に強くひかれてきました。
イタリアには、アルプスやアペニン山脈など、猛きん類が暮らす山地が多くあります。そこでケガをした野生動物を保護する仕組みも整えられていて、ロレンツォの住む地域にも、野生動物を保護して治療する施設がつくられています
ロレンツォの夢は、将来この地域で動物保護の仕事をして、ワシやフクロウなどの猛きん類を守ることです。その夢につながる一歩として、彼は学校から帰ると野生動物救護センターに通い、スタッフと一緒に動物たちの世話を手伝っています。
フクロウを守る野生動物救護センターでの学び
ロレンツォが特に心を寄せているのが、センターに運びこまれた一羽のフクロウです。車との接触や電線への衝突など、ヨーロッパでは人間の生活圏が広がるなかで、フクロウをはじめとした猛きん類がケガをするケースが少なくありません
センターでは獣医師やスタッフが治療を行い、飛ぶ力を取り戻したフクロウが、ふたたび森で生きていけるようにリハビリを続けています。
ロレンツォの仕事は、フクロウのえさの準備や、ケージの掃除、様子の観察などです。フクロウに余計なストレスを与えないよう、静かな声で話しかけ、距離をとりながら見守ります。野生のフクロウは、人に慣れすぎると自然に戻ったあとに危険な目にあうこともあるため、人との接し方にも注意が必要です。
こうした毎日の中で、ロレンツォは動物保護に必要なのは「かわいがる気持ち」だけではなく、科学的な知識や根気強さだということも学んでいきます。
野良猫の問題に気づいた児童会副会長ロレンツォ
ロレンツォは学校では児童会の副会長もつとめています。学校のなかだけでなく、町全体のことも一緒に考える役割です。ある日、地域で暮らす野良猫たちの様子が気になりはじめます。寒い日に身を寄せ合っている子猫、ゴミ置き場のまわりで食べものを探す成猫…。
イタリアをふくむヨーロッパ各地では、野良猫の増えすぎが問題になることが多く、地域ごとに保護や不妊手術を組み合わせた対策が進められています
ロレンツォは、「この町の動物保護のことも児童会で話し合うべきだ」と考え、クラスメイトや先生に提案します。みんなで野良猫の数や暮らしている場所を調べ、どんな危険があるのか、近所の人たちに迷惑がかかっていないかなどをノートにまとめていきます。
ここで番組は、子どもたちが“かわいそうだから助けたい”という気持ちだけでなく、「地域の人と動物が一緒に暮らすにはどうすればいいか」を真剣に考える姿を追いかけます。
役所に思いを届ける:不妊手術と環境改善を求めて
調べた結果をもとに、ロレンツォたちは町の役所へ出向き、野良猫のための動物保護対策をお願いしたいと伝えます。職員に見てもらうための資料には、猫の数や写真だけでなく、ゴミをあさる被害や、交通事故の危険などもていねいに書かれています。
多くのヨーロッパの自治体では、野良猫の不妊手術(TNRと呼ばれる取り組み)と、エサ場やねぐらの管理を組み合わせることで、猫と人が共存できる環境づくりを進めています
ロレンツォたちも、同じように不妊手術の支援や、猫たちが安全に過ごせる場所づくりを求めました。職員は子どもたちのまじめな調査や思いに耳を傾け、「すぐに全部はできないかもしれないけれど、できるところから検討していきます」と答えます。
番組では、子どもたちの行動がすぐに大きな変化を生むわけではないことも、包みかくさずに見せています。それでも、「声をあげること」「大人に相談すること」そのものが、地域の動物保護を前に進める大事な一歩なのだと伝えていました。
フクロウとのお別れの日、「悲しい」と「うれしい」が同時にくる瞬間
やがてセンターでは、フクロウを森に帰す日が決まります。ロレンツォは、うれしさとさびしさが同時におしよせる、複雑な気持ちになります。
フクロウを運ぶ箱を車に積み、森の奥へ向かう道中、彼はこれまでのことを思い出します。ケガをしていたころの不安そうな目、えさをしっかり食べられるようになった日の安心感、羽を大きく広げて飛ぶ練習を始めた日のよろこび。
放たれたフクロウは、しばらく枝にとまってロレンツォたちを見つめ、そのあと大きく羽ばたいて森の奥へ飛んでいきます。
ロレンツォは、「もう会えないかもしれない」と思うと涙が出そうになりますが、「またどこかの森で元気に生きていてほしい」と願いながら空を見上げます。ここで番組は、ひとつの命を送り出す動物保護の現場には、“さよなら”と同じくらい強い“がんばって”の気持ちがあることを、静かに伝えています。
子どもだからこそできる、動物と社会の未来づくり
最後に番組が教えてくれるのは、「大人になってから」ではなく、10歳の今からでも動物保護にかかわることはできる、というメッセージです。
ロレンツォは専門家ではありませんが、フクロウの世話をし、野良猫のことを調べ、役所に意見を伝えることで、自分なりの一歩を踏み出しています。イタリアだけでなく、日本でも地域猫活動や野生動物の保護は、市民や子どもたちの参加によって支えられている例が増えています
「動物が好きだからこそ、感情だけでなく、知識や行動を持って向き合う」というロレンツォの姿は、多くの子どもたちにとっても、そして大人にとっても、心に残る手本になります。
この回のカラフル!〜世界の子どもたち〜は、イタリアの山の町を舞台に、ひとりの少年が動物保護を通じて“世界を少しだけやさしく変えよう”とする物語を、映し出していました。
まとめ
この記事は番組内容をもとにまとめていますが、実際の放送と細かな部分が異なる場合があります。読みやすさのために整理しており、登場した出来事や背景は事実に沿って記述しています。
ロレンツォの行動の中心には、番組を通して繰り返し描かれる動物保護の思いがあり、その姿勢が物語の軸になっています。
NHK【クローズアップ現代】動物愛護と伝統文化が衝突?東北輓馬大会に刑事告発の波|2025年5月27日放送
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