長野の冬と人の物語が広がる旅へ
このページでは『あさイチ 愛(め)でたいnippon 長野(2026年2月12日)』の内容を分かりやすくまとめています。
海から遠く、標高が高く、広大な大地を持つ長野県。
豪雪がつくるかまくらの里、県民をつなぐ信濃の国、そして木曽に息づく塩を使わない漬物すんき。
どれも暮らしの知恵と誇りが詰まった物語です。
自然の厳しさを楽しさへと変えてきた人々の工夫を、そっとのぞき込むような導入となるはずです。
長野県の「海なし・高標高・広い県」が生んだ多彩な顔
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今回の舞台は、内陸にどっしりと構える長野県。
長野県は日本の中でもめずらしい「海なし県」で、周りを3,000メートル級の山々に囲まれている。そのため県全体の平均標高は約1,132メートルと全国1位。「日本でいちばん高い県」と言われるゆえんだ。
標高が高いということは、冬の冷え込みが厳しく、雪が多い地域も多いということ。
一方で、昼夜の寒暖差が大きく、日射しもたっぷり入るため、レタスやセロリなど高原野菜の一大産地としても知られている。こうした「厳しさ」と「恵み」が同居しているのが長野県の大きな特徴だ。
さらに、長野は一つの県の中にまったく違う表情をいくつも持っている。
北の「北信」は雪深い山々と温泉、東の「東信」は軽井沢など高原リゾート、中部の「中信」は松本城や北アルプス、南の「南信」は諏訪湖や果樹園が広がる。そして今回注目される「木曽地方」は、古くから中山道の宿場町が連なり、独自の食文化が育まれてきたエリアだ。
あさイチの「愛でたいnippon」は、こうした多彩な顔を持つ長野県を、雪の暮らしや歌、漬物など、生活に根ざした視点から紹介していくコーナーだ。華やかな観光地だけでは見えない「暮らしの芯」にカメラが近づいていく。
豪雪の飯山市「かまくらの里」とかまくら応援隊の物語
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番組がまず訪れるのが、県内最北の飯山市。
ここは「雪のふるさとは飯山だ」と言われるほどの豪雪地帯で、冬になると一面が真っ白な世界になる。スキーやスノーボードのイメージが強いが、実は雪とともに暮らす人たちの知恵と遊び心がぎゅっと詰まった町でもある。
その象徴が、外様(とざま)地区に作られる「かまくらの里」だ。
秋には稲穂がたなびいていた田んぼが、冬になると雪原に変わり、そこへ20基以上もの大きなかまくらがずらりと並ぶ。中にはテーブルとイスが置かれ、家族や仲間で鍋を囲める「レストランかまくら村」も登場する。
これらのかまくらを支えているのが、地域の有志で結成された「かまくら応援隊」。
彼らは巨大なドーム型の風船を膨らませ、その上から雪を吹き付け、何人もで踏み固めていく。十分な厚みと強度が出たところで中の風船を抜くと、立派なかまくらが姿を現す。入り口の向きは山から吹き降ろす風を避けるように設計され、雪国の知恵が細部にまで込められている。
かまくらの中で味わえるのは、白菜やきのこなど地元の野菜をたっぷり詰め込んだ信州味噌仕立ての「のろし鍋」。
この名前は、背後にそびえる黒岩山にかつて設けられていた上杉謙信方の「のろし台」にちなんでいる。歴史の記憶と雪国の暮らしが、鍋一杯の温かさの中でつながっているのだ。
真っ白な雪原に並ぶかまくら、夜になると灯りがともり、オレンジ色の光が雪の壁をほのかに染める。
あさイチでは、かまくらの里を舞台に、子どもから大人までが雪で遊び、鍋を囲み、冬を楽しみ尽くす様子を映し出すだろう。豪雪はただ「大変なもの」ではなく、人を集め、笑顔を生む資源だということが伝わってくる。
県民の心を一つにする県歌「信濃の国」とは

(画像元:「信濃の国」県歌制定の日(5月20日 記念日) | 今日は何の日 | 雑学ネタ帳)
広い長野県を一つにまとめている存在として紹介されるのが、県歌「信濃の国」だ。
この歌は1899年に長野県師範学校教諭の浅井洌が作詞し、翌1900年に同じく教諭の北村季晴が作曲した。もともとは学校の運動会で披露された歌だったが、信州の山や河川、歴史や風土を力強く歌い上げる歌詞が県民の心をつかみ、口伝えに広がっていった。
1968年、「信濃の国」は正式に長野県の県歌として制定される。
背景には、かつて長野県が「北信」と「南信」に分かれ、県庁の場所をめぐって議論が絶えなかった歴史がある。歌の中で北から南までの地名が順番に歌われることで、「自分たちは同じ信州の仲間だ」という意識が高まり、県民の絆を深めたと言われている。
番組では、おそらく幅広い世代が自然と「信濃の国」を歌い出す姿が映されるはずだ。
長野では学校の行事や地域の集まりで繰り返し歌われるため、多くの県民が長い歌詞を丸ごと覚えている。「誰でも歌える県歌」という紹介は、決して大げさな表現ではない。
地元の人たちが語るエピソードの中には、「県外でカラオケに行くと、つい『信濃の国』を入れてしまう」「運動会では当然のように全員が歌える」といった話も出てくるだろう。歌を通じて自分のふるさとの山や川を思い浮かべる、そんな光景もこのコーナーの大切なポイントだ。
木曽地方の伝統漬物「すんき」と赤かぶの知恵

(画像元:すんき漬け 長野県 | うちの郷土料理:農林水産省)
番組の後半でスポットが当たるのが、木曽地方の伝統漬物「すんき」。
すんきは、木曽地域で栽培されてきた赤かぶ(木曽かぶ)の茎や葉を使い、「塩を一切使わず」に乳酸発酵させた非常に珍しい漬物だ。塩を使わない野菜の発酵食品は、日本国内でもほとんど例がない。
なぜ塩を使わないのか。
理由は、長野県の中でも山深い木曽谷が、昔は海から遠く、塩の入手がとても難しかったからだ。「米は貸しても塩は貸すな」と言われるほど、塩は貴重だった。そこで人々は、赤かぶが持つ自然の乳酸菌を生かし、塩の代わりに発酵の力で野菜を保存する知恵を生み出した。
原料となる木曽かぶには、「開田かぶ」「王滝かぶ」「三岳黒瀬かぶ」など、土地ごとの品種がいくつもある。それぞれのかぶが持つ乳酸菌や風土の違いによって、同じすんきでも味わいが微妙に変わると言われている。長野県の「味の文化財」にも指定されているのは、その歴史と独自性が高く評価されているからだ。
味は、一般的な漬物と比べるとかなり個性的だ。
最初のひと口は、酸味が前に出て「本当に漬物?」と驚く人も多い。しかし醤油を少し垂らしたり、かつお節を合わせたり、蕎麦やうどんにのせたりすると、不思議とクセになる深い味わいが出てくる。塩を使っていないため、塩分を控えたい人にとってもありがたい存在だ。
あさイチでは、木曽地方の家庭や加工場を訪ね、赤かぶを洗い、刻み、仕込んでいく様子が丁寧に紹介されるだろう。
冬の始まりに仕込み、雪深い季節を乗り切るための保存食として受け継がれてきたすんき。そこには、厳しい自然と向き合いながらも、工夫と発想で「楽しみ」に変えてきた信州人の気質がはっきりと表れている。
「すんき乳酸菌」が切りひらく長野発ヘルシーフードの未来
今回のあさイチでは、伝統のすんきが最新の食品科学と結びついている点にも光が当たる。
木曽のすんきには、多様な植物性乳酸菌が含まれており、「ヨーグルトに匹敵するほどの乳酸菌量がある」と言われている。2000年代以降、東京農業大学などの研究によって、すんきから分離した乳酸菌の性質が詳しく調べられ、ヨーグルトに適した菌株の選抜も進められてきた。
長野県工業技術総合センターなどのチームは、家庭や市販のすんきから乳酸菌を分離し、約1,700株もの植物性乳酸菌を保存バンクとして蓄積。そこからヨーグルト製造に向いた菌を選び、実際に商品化された例もある。
さらに、木曽のすんきから分離された乳酸菌は、豆乳との相性もよく、豆乳を発酵させた「豆乳グルト」の開発にもつながっている。植物由来の乳酸菌で動物性乳製品とは違う食感と風味を生み出す試みは、「ヘルシー志向」や「プラントベース食品」に関心を持つ人たちからも注目されている。
一方で、木曽地域では、すんきを通じてアレルギーや免疫バランスとの関わりを探る研究も行われてきた。木曽地域でアレルギー疾患が比較的少ないという報告もあり、すんき乳酸菌の働きが関係している可能性があるとして、さらなる検証が続けられている。
番組では、研究者や地元の生産者が、すんき乳酸菌から生まれたヨーグルトや発酵食品、サプリメントなどを紹介しながら、「伝統食が未来のヘルスケアを支える可能性」について語る姿が描かれるだろう。
塩の手に入りにくい山あいで生まれたすんき。
雪に閉ざされる冬を楽しみに変えたかまくらの里。
県民が一斉に声を合わせる「信濃の国」。
あさイチ 愛でたいnippon 長野は、こうしたエピソードを通じて、「過酷さ」と「創造力」が同時に息づく長野県の真の姿を浮かび上がらせる。
画面を見終わるころには、豪雪も、山々も、漬物の酸味も、すべてが「ここにしかない宝物」に思えてくるはずだ。
まとめ
本記事は事前に公開されている情報をもとに構成しており、実際の放送内容と異なる場合があります。
今回取り上げるのは、雪深い長野県で受け継がれてきたかまくらの里の営み、県民を結ぶ歌信濃の国、そして木曽に根づく伝統食すんきの物語です。自然の厳しさを知恵に変えてきた人々の姿が、長野という土地の奥深さを感じさせます。
放送後、内容を確認し次第、追記してより正確に整えます。
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