プレミアムトーク 柴咲コウ|映画・音楽・環境活動までの“今”
2025年12月5日のあさイチは、俳優としても歌手としても枠を越えて進化し続ける 柴咲コウ がゲスト。映画祭で高く評価された主演作、満島ひかりとの特別な関係、家族の思い出、人生相談、ライブ活動の裏側、そして田植え体験や環境発信まで、多彩な面が立体的に明かされました。
その内容をすべて細かく整理し、1つの読み物としてまとめます。
映画祭で注目された主演作『兄を持ち運べるサイズに』
この秋、柴咲コウは主演作が続けて公開され、国内外の映画祭でも名称が並びました。中でも話題となったのが、作家 村井理子 の実体験をもとにした映画『兄を持ち運べるサイズに』です。
柴咲コウは“等身大の主婦”を演じるために、日常の細かな所作や感情の揺らぎを丁寧にすくい取り、作品のリアリティを支えました。
映画祭ではその表現が高く評価され、釜山国際映画祭や東京国際映画祭でも紹介されました。
番組内では、撮影時の思いや役に向き合った過程も語られました。
さらに幼少期の写真が公開され、家族との関係性や、母を亡くした19歳当時の気持ちにも触れ、作品と自身の人生の距離の近さをにじませました。
満島ひかりが語った“誰も知らない柴咲コウ”
VTRには 満島ひかり が登場し、共演者だからこそ知る柴咲の素顔を紹介しました。
満島のコメント
・「おっちょこちょいでかわいらしい部分がいっぱいある」
・「弱さをそのまま見せるところが素敵」
・「ひとつひとつ発見していくのが楽しい」
満島にとって柴咲は、ただの共演者ではなく刺激的な存在。
さらに、移動が大変だった撮影時には満島が自らドライバーを務めたエピソードも語られ、2人の信頼関係の深さが垣間見えました。
極めつけは満島の“将来の野望”。
「自分の実力がついたら、柴咲コウが監督した映画のプロデューサーをしたい」とまで語り、番組スタジオが驚きに包まれました。
柴咲自身も、満島の開放的な性格が警戒心の強い自分をやわらげてくれると話し、相互に支え合う関係がとても自然に伝わりました。
家族への思いと、喪失から生まれた価値観
柴咲コウが母を亡くしたのは19歳。
当時は気持ちが整理できず、時間が経つほど「愛おしさが増す」という、内側から滲み出る実感を語りました。
幼い頃の家庭環境も紹介され、父はほとんど家にいないほど多忙だったものの、一人娘の柴咲をとても可愛がり、母は明るく天真爛漫で、いつも軽やかな空気をまとっていたと振り返りました。
映画『兄を持ち運べるサイズに』に出演したことで、改めて家族とのつながりや、自分の人生の節目を静かに見つめ直す時間になったと語っていました。
人生相談で見せた“地に足のついた助言”
番組は「柴咲コウに相談したい」という視聴者の声を受け、人生相談コーナーも実施。
特に反響が大きかった相談
【大掃除で物を手放すコツは?】
柴咲の答えはシンプルで実践的でした。
・判断は「事実ベース」と「感覚ベース」の両方
・使っているか/使っていないか
・好きか/嫌いか
・どちらでもない物は「許容できる量だけ残す」
物への情だけでなく“本当に生活している自分”に目を向ける視点が印象的でした。
【結婚を急かされる】
「受け流しながらいなす」
自分自身は「はっきり言うタイプ」としつつも、人間関係を円く保つコツをアドバイス。
【転職して家族の時間を増やしたい】
「自分がわくわくするかどうか」
何か引っかかるなら根本から見直す必要がある、と答えました。
柴咲の生き方そのものが助言に反映されていました。
“再解釈ライブ”が示した、歌手としての現在地
柴咲コウは音楽活動でも大きな転機を迎えています。
ツアーでは、主演作の主題歌・挿入歌を“今の自分”として歌い直す試みに挑戦。
『月のしずく』を当時のキャラクターではなく、現在の柴咲コウとして表現する姿は、歌手としての新しい扉が開いた瞬間でした。
静岡・浜松の公演では、大河ドラマ『おんな城主 直虎』ゆかりの地での公演として特別感があり、舞台裏ではマスコットキャラクターの直虎ちゃんとの撮影シーンも紹介。
視聴者からは、
「MCなしで歌い続けられる喉がすごい」
という声も寄せられ、ライブの完成度が高く評価されました。
動画企画・田植え体験・環境発信の裏側
柴咲コウが力を注ぐもうひとつの活動が「動画企画」と「環境発信」です。
生活を支えてくれる人や自然に感謝したいという思いから、浜松での田植え体験に参加。
泥の感触や土地の歴史を身体で感じながら作業する姿が映し出されました。
また、国立公園の魅力を伝える活動にも精力的で、環境特別広報大使として自然保全への関心を高める発信を続けています。
俳優や歌手としての表現とは違う“生活者としての柴咲コウ”が見える内容でした。
特選エンタ:社会を映すドキュメンタリー2作
番組後半では、いま世界で起きている“個人の物語”に迫るドキュメンタリー映画を紹介。
映画『クイーンダム/誕生』
・ロシアで活動するクィア・アーティスト、ジェナを追う
・ただの芸術記録ではなく「家族という小さな世界」が軸
・圧倒的な映像表現と個の強さが注目ポイント
映画『手に魂を込め、歩いてみれば』
・ガザ地区の女性ファトマと、1年続いたビデオ通話の記録
・過酷な状況下でも笑顔を見せるファトマの姿が胸に残る
・“日常を生きる人”の視点からガザを描いた作品
どちらも社会問題に向き合いながら、個人の強さと生の温度感を伝える内容でした。
みんな!グリーンだよ:クリスマスを彩るドライフラワー講座
最後のコーナーでは、ドライフラワーアーティスト takako さんが登場し、クリスマスの装飾を紹介しました。
紹介されたアレンジ
・ケイトウのリース
・スポンジを土台にしたフレームアレンジ
・円錐スポンジで作るクリスマスツリー
ツリーづくりのポイント
・上1/3は細かな花、下2/3は大ぶりの花
・バラは事前に水を吸わせると仕上がりが大きく変わる
・ヒムロスギ、コニファー、サンキライ、ルリタマアザミ、トウガラシなど多彩な花材を組み合わせる
家庭でも再現しやすく、年末ムードを盛り上げる内容でした。
まとめ
俳優・歌手・生活者として、柴咲コウがどのように今を生きているかが詰まった回でした。
作品への向き合い方、満島ひかりとの信頼関係、家族への思い、環境への姿勢など、さまざまな視点からその人物像が立ち上がってきます。
番組全体を通して、挑戦し続ける人の姿に触れられる内容でした。
柴咲コウさんの“家族/人間ドラマ”向き作品を紹介します

ここでは、柴咲コウさんがこれまで出演してきた作品の中から、家族のかたちや人とのつながりを深く描いた作品をまとめて紹介します。どの作品にも、それぞれの生活や心の揺れが映し出されていて、今の最新作につながる表現の積み重ねが感じられます。
『兄を持ち運べるサイズに』
2025年公開のこの作品は、家族というテーマがまっすぐに描かれています。疎遠だった兄の死をきっかけに、主人公が家族の記憶やつながりを改めて見つめ直していく物語です。再会や葛藤、心の整理が丁寧に重ねられ、家族とはどう向き合うのかを静かに問いかける内容です。兄の元妻やその子どもたちとの関係も描かれていて、一人一人の感情が重なりながら、失ったものと向き合う姿が流れていきます。柴咲さん自身も、撮影を通して家族について考えた時間があった作品であり、演じる側の実感も役に重なっています。
『月の満ち欠け』
2022年公開のこの映画は、人間関係の繊細な変化が中心に描かれています。家族の揺らぎや、過去と現在の気持ちが交差する場面が多く、人物の心の奥にある思いが静かに広がっていくタイプの作品です。明確に家族ドラマではなくても、大切な人との距離感や、思い続ける力が軸になっていて、見る側が自分の生活と重ねられる部分も多いです。
『Dr.コトー診療所』
同じく2022年公開で、医療を通して人と人のつながりを描いた作品です。診療所の患者や地域の人々との関係には家族のような温度があり、血のつながりではなくても支え合う姿が印象的です。人間の弱さや優しさが物語に深く入り込んでいて、柴咲さんの演じる人物にも、寄り添うような静かな強さがあります。
『天間荘の三姉妹』
三姉妹の関係が中心の作品で、血縁が持つつながりや、姉妹ならではの気持ちの動きが映し出されています。家族の絆だけでなく、互いを理解しようとする思いや、ぶつかりながら歩いていく姿も描かれ、心の距離の変化を感じられる物語になっています。姉妹だからこそ抱く複雑な気持ちが流れていき、見終えた後に余韻が残るタイプの作品です。
『GO』
キャリア初期の作品ですが、青春・友情・家族・故郷といったテーマが重なった物語です。若い年代ならではの迷い、社会との距離、家族との関係性などが描かれていて、単なる恋愛や学園ものでは終わらない深さがあります。人が成長していく過程や、周囲との衝突の中で見えたものが丁寧に描かれていて、柴咲さんの表現にも当時から芯のある存在感がありました。
これらの作品には、血のつながりがある家族のドラマもあれば、生活をともにする中で生まれる人間関係の物語もあります。どの作品にも、人と人が寄り添う瞬間や、心が揺れる場面が描かれていて、柴咲さんが表現してきた“人間らしさ”の積み重ねが見えてきます。
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