世界と日本をつなぐコンテナの中身を徹底調査!
2025年4月29日放送の『コンテナ全部開けちゃいました!〜大阪港編〜』では、俳優の千葉雄大さんと、3時のヒロインの福田麻貴さんが大阪港を訪れ、普段なかなか見ることのないコンテナの中身を大公開しました。案内役には声優の下野紘さんも登場し、物流の舞台裏をわかりやすく紹介。世界と日本をつなぐコンテナの中身から、意外な事実が次々に明らかになりました。
中国から届いた「たこ焼き用のカットタコ」
最初に開けたのは、中国・福州港からやって来たコンテナ。中にはなんと、たこ焼き用のカットタコがびっしり詰まっていました。大阪といえばたこ焼きが名物ですが、実は日本のタコの流通量のうち、約6割が外国産。特に近年はタコの世界的な需要増と漁獲量減少により、価格も10年前の約2倍に上がっています。中国福建省のカット工場では、タコをボイルして冷却し、手作業でカット。その後、たこ焼きにして品質をチェックしています。中国でもたこ焼き人気は高まっており、SNSでもタコ動画が大人気となっています。
オマーンへ運ばれるガラス製魔法瓶
続いては、大阪港からオマーン・ソハール港へ輸出されるコンテナ。中にはガラス製の魔法瓶が約2万本も入っていました。大阪府は国内のガラス製魔法瓶の生産シェアが100%。壊れやすいガラス製ですが、中東では香りが移りにくいため人気があります。大阪市西淀川区の工場では、大小のガラス瓶を二重構造にし、約1000℃の炎で職人が手作業で結合。作られた魔法瓶の約7割が海外へ輸出されています。大阪のガラス産業の伝統が、今も世界で生き続けているのです。
中国から届いた活はまぐり
次に登場したのは、中国・大連港から到着したコンテナ。中には生きたまま輸入されたはまぐりが入っていました。リーファーコンテナを使い、温度を0℃~1℃に管理して仮死状態で運ばれます。日本でもはまぐりは収穫されていますが、干潟の減少や温暖化で減少し、今では約4割が輸入品。大阪港に着いたはまぐりは三重県桑名市の楠漁港へ運ばれ、生けすで鮮度回復後、元気なものだけが市場に出荷されます。スタジオでは、はまぐりの焼き方のコツも紹介され、貝が開いたらすぐにひっくり返すのがポイントだと教えてくれました。
ベトナムから届いたチタン鉱石
続いて開けたのは、ベトナム・ハイフォン港から届いたコンテナ。中には砂状のチタン鉱石がぎっしり入っていました。チタンは鉄より軽く、強度は2倍、サビにも強いため、航空機のエンジン部品や医療用インプラントにも使われています。工場では、この鉱石を1000℃で約100時間熱して純度を高め、4日かけて冷やし、スポンジ状のチタンに仕上げます。高品質な日本製スポンジチタンは、アメリカやイギリスなどに輸出され、高い評価を受けています。
大阪港の物流を支えるスーパーブリッジ「夢舞大橋」
物流に欠かせないのが、大阪港の夢洲と舞洲を結ぶ夢舞大橋。毎日約1800台のコンテナトレーラーが通るこの橋は、世界初の旋回式浮体橋です。航路がふさがった時の緊急用として作られたもので、橋の下に設置された浮き輪「ポンツーン」の上で橋自体が浮き、簡単に旋回できる仕組み。神戸の造船所で作られ、船で運ばれ、たった1日で設置されたという驚きのエピソードも紹介されました。
ベトナムから届いた紅しょうが
最後に開けたのは、ベトナム・ハイフォン港からのコンテナ。中には日本でおなじみの紅しょうがが入っていました。日本で流通するしょうがの約6割は輸入品で、その中でも近年ベトナム産が急増しています。ベトナム北部の湿度が高く霧の多い山岳地帯で育てられたしょうがは、水分をたっぷり含んでハリがあり、加工にも向いています。巨大タンクで塩と酢に漬けたあと、手作業で皮をむき、千切りにして色づけされます。ベトナムでは、しょうがを砂糖漬けにしたスイーツ「ムットグン」も人気だそうです。
放送を終えて
今回の『コンテナ全部開けちゃいました!〜大阪港編〜』では、コンテナを通じて日本と世界のつながりがよくわかりました。普段何気なく口にしている食べ物や使っているものも、実は遠い国からやってきたものであり、多くの人の努力によって私たちのもとに届けられていることを改めて実感できる内容でした。大阪港が支える暮らしと世界との絆に、これからも注目していきたいですね。
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