まさかの想定外が…がんとお金のリアル
2025年4月30日(水)朝8時15分からNHK総合で放送される『あさイチ』では、がん治療にかかる「想定外のお金」に焦点を当てます。がんは早期発見すれば安心と思われがちですが、治療や検査に思わぬ費用がかかることが少なくありません。今回の放送では、がんを経験した人たちが直面したリアルなお金の問題、保険の落とし穴、今どきの治療費事情、公的支援制度の活用方法まで幅広く取り上げます。放送後にはさらに詳しい情報を追加する予定です。
早期がんでも安心できない!高額な検査費用の落とし穴
早期がんが見つかると、多くの人が「これで大丈夫」と安心してしまいがちですが、実際には検査費用だけでも思わぬ負担がかかる現実があります。がんの検査には、PET検査やMRI、CTなど、最新技術を使った精密な検査が必要になります。これらの検査は設備も特別で、高度な技術が必要なため、どうしても費用が高額になります。
たとえば、
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PET検査は1回あたり約10万円前後かかることがある
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MRI検査は3万円~5万円、CT検査でも数万円必要になる場合が多いです
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検査を重ねるたびに、費用はどんどん積み重なっていきます
早期がんと診断された場合でも、治療方針を決めるためには追加でさらに詳しい検査が必要になることがあります。そのため、「最初の検査が終わったから安心」というわけではありません。追加検査が続けば、1回の検査費用だけでなく、数回分の費用が短期間で発生する可能性も十分にあります。
しかも、検査が終わった後もすぐに安心できるわけではありません。治療後も経過観察が必要になり、
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3か月ごとにCTやMRIでがんの再発チェック
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半年ごとにPET検査で全身を調べることを勧められる場合もあります
このように、検査後の経過観察も長期にわたることが一般的です。1年、2年と通院が続くと、検査費用だけで年間数十万円以上かかることも珍しくありません。しかもこれらの検査費用は、基本的に毎回自己負担です。
また、検査によっては高額療養費制度の対象にならない場合もあり、負担がそのまま家計を圧迫するケースもあります。特に、「早期がん=お金があまりかからない」という思い込みは大きな落とし穴になるため、事前に治療スケジュールと予想される費用を医療機関に確認しておくことが大切です。
まとめると、
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精密検査のたびに数万円から10万円以上かかるリスクあり
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追加検査が必要になる可能性が高い
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経過観察も長期化し、費用がかさむ
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早期発見でも油断せず、検査・経過観察費用の準備が必要
このように、早期発見できたとしても、検査段階からお金の問題が大きくのしかかることをきちんと理解しておかなければなりません。事前に情報を集め、必要な費用をシミュレーションしておくことで、後悔のない備えができるでしょう。
保険に入っていたのに支払いゼロ!?驚きの事実
がん保険にしっかり入っていたのに、いざがんと診断されたとき「1円も保険金が出なかった」という事例が紹介されます。保険は、もしもの時に頼れる存在と思われていますが、実際は契約時の細かい条件によって支払いが受けられないことがあるのです。期待していた保険金が出ない現実に、驚きや落胆を味わう人が少なくありません。
支払いがゼロになってしまった理由として、いくつかの具体的なパターンが明らかになります。
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免責期間中に発症してしまった場合
多くのがん保険には、加入してから一定期間(通常90日間)は保障されない「免責期間」が設定されています。この期間中にがんが見つかると、たとえがんであっても保険金は支払われません。このルールを知らずに加入直後に病気が発覚し、結果的に何も受け取れなかったケースが存在します。 -
告知義務違反があった場合
保険加入時には、健康状態や過去の病歴について正しく申告する義務があります。もし重大な持病や過去のがん歴を正しく伝えていなかった場合、告知義務違反とみなされ、契約自体が無効になることがあります。この場合、たとえ治療が必要な状況でも、保険金は一切支払われないという厳しい現実が待っています。 -
診断給付金が1回のみの契約だった場合
がんと診断されると支払われる「診断給付金」ですが、契約内容によっては1回限りしか支払われないプランもあります。そのため、再発や別の部位への転移があった場合でも、2回目以降は支払われないということが起こり得ます。がんは再発するリスクが高い病気ですから、1回だけの保障では不十分な場合が多いのです。 -
自由診療や未承認薬を使った場合
がん治療では、国内未承認の薬や、標準治療にない自由診療を選ぶこともあります。しかしこれらは、日本の公的保険制度の対象外となることが多く、連動してがん保険からの支払い対象にもならないことがあります。保険会社が支払う条件に「保険診療が前提」とある場合、自由診療を選択すると保障を受けられないリスクがあるのです。
このように、保険に加入しているからといって安心するのは早く、実際には細かい契約内容や条件により支払いゼロという現実が待っている場合があります。特にがん保険は、一般的な医療保険とは違うルールがあるため、事前に契約書を細かく確認すること、免責期間や給付金の回数制限、自由診療対応の有無などをよく理解しておくことがとても大切です。
まとめると、
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加入後すぐの発症には要注意
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健康状態は正直に申告する
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給付金回数を必ず確認する
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自由診療のリスクも理解しておく
これらをきちんと押さえておけば、「いざという時に支払われない」という悲しいトラブルを防ぐことができます。保険は、正しく知り、正しく備えることが何より大切です。
再発したのに高額薬代に保険が効かない現実
がんは完治したと思っても、再発するリスクが高い病気です。そのため治療が長期間にわたることも少なくありません。特に再発した場合に使われる薬は、非常に高額になることが大きな問題です。最近のがん治療では、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬など、最先端の薬が使われることが増えています。これらの薬は画期的な効果が期待できる反面、1か月あたりの薬代が数十万円にもなるケースが珍しくありません。
たとえば、
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免疫チェックポイント阻害薬では月30万円〜50万円かかることがある
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分子標的薬も1回の投与で数十万円かかる場合がある
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副作用を抑えるための補助薬も必要になり、さらに費用が加算される
これだけ高額な薬代が発生しても、すべての薬が保険適用になるわけではないという現実があります。特に新しい治療薬は、国内での承認が遅れていたり、標準治療として認められていない場合が多く、自由診療として扱われます。自由診療になった時点で、公的医療保険の支払い対象外となり、すべて自己負担となってしまいます。
「がん保険に入っているから安心」と思っていた人でも、
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自由診療の薬を使ったために保険会社が支払いを拒否
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治療内容が保険契約の条件に合わず、給付対象外とされた
というケースが実際に発生しています。
結果として、
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月に数十万円の薬代を自己負担することになり
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貯金を切り崩して生活費をやりくりしなければならない
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治療を続けたくても経済的理由で中断せざるを得ない状況になる
こうした現実は、再発したがん患者さんにとって非常に重くのしかかります。治療を続けたくてもお金の壁が立ちはだかるため、治療法の選択肢が限られてしまうという深刻な問題につながるのです。
あらかじめ、
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再発時に使われる可能性のある薬について情報を集める
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保険契約が自由診療にも対応しているか確認する
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必要に応じて先進医療特約などを追加する
といった備えをしておくことが大切です。
最新医療の恩恵を受けるためにも、お金と保険の知識を持つことは、命を守るための大切な準備だと言えます。
医療技術の進歩とともに高まる治療費負担
近年、がん治療はめざましい進歩を遂げています。新しい技術や薬が次々に開発され、以前なら難しかった治療も可能になり、患者にとっては希望が広がっています。しかし、その一方で治療費はますます高騰しています。特に注目されるのが先進医療です。
たとえば、
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陽子線治療はがん細胞だけを狙い撃ちできる治療法で、副作用が少ないメリットがありますが、平均で約265万円もの費用がかかります。
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重粒子線治療はさらに効果が高いとされ、平均で約316万円に達する高額な治療です。
これらの先進医療は、通常の保険診療と併用することができるものの、先進医療にかかる技術料部分は全額自己負担となります。つまり、いざ先進医療を受けようとすると、数百万円単位の自己資金が必要になるのが現実です。
さらに、医療全体の進歩に伴い、治療に使われる薬や機材も高価になっています。がん治療に限らず、
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新しい抗がん剤や免疫療法薬の薬価は非常に高額
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手術や入院時に使用される医療機器も高度化しており、コストが上昇
こうした背景から、日本全体の医療費も急速に増加しています。2022年度の統計によると、日本人1人あたりの年間医療費は36万8,000円と過去最高を記録しました。これには、高齢化社会の影響も大きく、高齢者1人あたりの医療費が特に高くなっていることも要因のひとつです。
医療の進歩は間違いなく多くの命を救っていますが、その恩恵を受けるためには大きな経済的負担も伴うという現実を忘れてはいけません。先進医療を希望するなら、
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事前に治療費の目安を医療機関に確認する
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先進医療特約が付いた保険に加入する
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高額療養費制度を活用して自己負担を抑える
といった備えが必要になります。特に、がんは誰にでも起こり得る病気です。普段から医療費の仕組みや支援制度について知識を持ち、必要な準備をしておくことが、将来の安心につながります。
技術の進歩は喜ばしいことですが、それに伴う費用負担も確実に大きくなっていることを、しっかりと認識しておくことが大切です。
公的支援をフル活用して負担を減らす方法
がん治療には長い期間と高額な費用がかかることが多く、経済的な負担を少しでも減らすためには、公的支援制度を賢く活用することがとても大切です。知っているだけで数十万円単位の支出が変わる場合もあるので、制度について正しく理解しておくことが欠かせません。
番組では、次のような重要な支援制度が紹介される予定です。
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高額療養費制度
1か月にかかった医療費が、所得に応じた自己負担限度額を超えた場合、その超過分が払い戻されます。たとえば、年収約370万~770万円の場合、自己負担限度額は「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」となり、それ以上支払った分は後で戻ってくる仕組みです。高額な治療費でも、この制度を使えば自己負担を大幅に抑えることができます。 -
高額療養費貸付制度
高額療養費の払い戻しは手続きに時間がかかるため、その間の医療費支払いに困る人向けに、無利子で貸付を受けられる制度です。これを活用すれば、治療費の一時的な立て替え負担を軽くすることが可能です。 -
高額医療・高額介護合算療養費制度
1年間に医療費と介護費を合算した自己負担額が、一定の限度額を超えた場合、その超過分が支給されます。医療だけでなく介護サービスを利用している場合には、まとめて負担軽減できるありがたい制度です。 -
多数回該当制度
高額療養費の支給を直近12か月以内に3回受けた場合、4回目以降は自己負担限度額がさらに低くなります。長期治療になりがちな再発がん患者さんなどには、大きな支援となる制度です。
これらの制度を上手に使うためには、いくつかの注意点も押さえておく必要があります。
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差額ベッド代や食事代、交通費などは対象外
高額療養費制度などは、あくまで「診療報酬点数表に基づく医療費」のみが対象です。病院で個室に入った際の差額ベッド代、病院食の自己負担、通院にかかる交通費などは含まれないため、別途自分で負担する必要があります。 -
高額療養費の申請には領収書や必要書類が必須
医療費を払い戻してもらうには、医療機関からもらった領収書や明細書、保険証のコピーなどが必要です。受診ごとにしっかり保管しておくことが大切です。 -
事前に限度額適用認定証を取得しておくと便利
高額な治療費が発生する予定がある場合、事前に「限度額適用認定証」を取得して医療機関に提示しておけば、窓口で支払う金額を自己負担限度額に抑えることができます。これにより、最初から支払いを軽くできるので、経済的な負担を感じにくくなります。
こうした制度をしっかり活用するためには、
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がん治療開始前から、がん相談支援センターや病院のソーシャルワーカーに相談しておく
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自分の所得区分と限度額を事前に確認しておく
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必要書類を取りそろえておき、手続きの流れを理解しておく
これらをきちんと準備しておけば、高額な治療費にも落ち着いて対応でき、治療に専念することができます。制度は知っている人だけが得をします。ぜひ積極的に情報を集めて、自分や家族を守る手段として活用しましょう。
いまオシLIVE!北海道・森町から春の便り
番組の途中では、北海道森町から『桜の品種いろいろ』を紹介する「いまオシLIVE」があります。さまざまな種類の桜が一斉に咲き誇る様子を中継で届け、春の訪れを感じさせてくれるコーナーです。
みんなゴハンだよ!旬の若竹ごはんとたけのこ入り豚つくね
「みんなゴハンだよ」では、旬のたけのこを使った若竹ごはんと、たけのこ入り豚つくねが紹介されます。春ならではの香りと食感を楽しめる、家庭でも作りやすいレシピが紹介される予定です。旬の味覚を手軽に楽しめるヒントがもらえそうです。
東京のたわし工場に注目!職人技の魅力
また、今注目を集めている東京のたわし工場にも密着取材が入ります。昔ながらの手作業で作られるたわしの魅力や、現代の暮らしに合った進化した商品も紹介される予定です。普段あまり意識しない「たわし」の世界を知るきっかけにもなりそうです。
出演者紹介
今回の放送には、青木さやかさんと関根麻里さんがゲストとして登場します。司会はおなじみの博多華丸・大吉さんと鈴木奈穂子アナウンサーが担当し、リアルな声をしっかり届けてくれるでしょう。
この記事は、番組放送前の情報をもとに作成しています。
放送後には、さらに詳しい内容を追記して最新情報をお届けする予定です。
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