“褒め上手”になるコツとは?家族・職場・路上の達人から学ぶ工夫
2025年6月6日放送の「首都圏情報 ネタドリ!」では、「褒め上手」をテーマに、家族、職場、そして街中で活躍する達人たちの取り組みを紹介しました。身近な人を素直に褒めるのは意外と難しいもの。今回の放送では、そんな褒めることの難しさに向き合い、日常に取り入れている人たちの具体的な工夫が紹介されました。
家族を褒めるって難しい?セミナー参加者の実践例
番組ではまず、「家族を褒める」ことに取り組む人の姿を紹介しました。栃木県宇都宮市に住む磯さんは、これまでに10回以上、家族を褒めることを学ぶセミナーに参加しています。最初は直接言葉で褒めることに抵抗があったため、まずは妻にメッセージカードを渡すことから始めたそうです。カードには「ありがとう」や「頑張ってるね」といった一言を丁寧に書き、気持ちを伝えるようにしました。
磯さんの家庭では、さらに「褒め褒めTIME」という時間を設けています。これは、毎日のどこかで家族同士がお互いを褒め合う専用の時間をつくるという取り組みで、照れずに言えるよう工夫されています。実際にやってみると、家族の中での距離が縮まり、空気も明るくなる効果があると磯さんは話していました。
セミナーを主催した益子さんは、「家族を褒めるのが一番難しい」と話していました。近い関係ほど素直になれず、照れや遠慮が邪魔をしてしまうことが多いのだそうです。そこで提案されていたのが「褒めるさしすせそ」という覚えやすいフレーズの活用です。
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さ:さすが
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し:知らなかった
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す:すごい
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せ:センスがいい
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そ:そうなんだ
このように、日常の会話の中にさりげなく入れやすい言葉を選ぶことで、意識せずとも褒める習慣が身につくと紹介されていました。
路上で褒める“褒めますおじさん”の実践から学ぶこと
東京・新宿で活動する「褒めますおじさん」の存在も取り上げられました。この方は、週に4日ほど街頭に立ち、通りがかった人を褒めるという活動をしています。お礼として投げ銭を受け取り、月に約15万円の収入を得ているという驚きの実績もありました。
彼が特に大事にしているのは、言葉だけでなく態度や表情で相手に寄り添うこと。褒める際には、次のようなポイントを意識しているといいます。
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目をしっかり見る
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丁寧に頷く
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相手に合わせて口調を和らげる
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明るい笑顔で伝える
こうした非言語のコミュニケーションが、褒め言葉の持つ力を何倍にも高めてくれるそうです。通りすがりの人に声をかけるのは簡単ではありませんが、褒められた人の反応はほとんどが笑顔や驚きで、その場がパッと明るくなる瞬間が見られました。
褒めるという行為は、相手の存在を肯定すること。それだけでなく、自分自身の気持ちも前向きになるという相乗効果があることが伝わるエピソードでした。
職場での「褒めシステム」がもたらす変化とは?
次に紹介されたのは、神奈川県川崎市にある企業で導入されている「褒めシステム」です。この会社では、業務連絡とは別に、同僚を褒める専用の仕組みをつくっています。従業員同士が名前を出して「〇〇さん、○○をしてくれてありがとう」などと投稿し、それが社内に共有される形式です。
このシステムによって、普段は見えにくい努力や気配りに気づくことができ、職場の雰囲気も良くなったといいます。さらに、千葉県市川市の企業では、褒めを取り入れた評価制度によって、人材の定着率が改善し、離職率が低下したという成果も出ています。
職場では、ただ褒めるだけではなく、注意や指摘もしなければならないという難しさがあります。しかし、褒めをうまく取り入れることで、注意も受け入れられやすくなり、信頼関係のある職場づくりに役立つと紹介されていました。
放送を通じて伝えられた“褒める”ことの価値
今回の「首都圏情報ネタドリ!」では、さまざまな立場の人たちが“褒める”というテーマにどのように取り組んでいるかを紹介しました。家庭では、まずカードから始めるなどハードルを下げたアプローチが紹介され、路上では、日常にない体験としての褒めが人を笑顔にする力を見せ、職場では、制度として取り入れることで継続的な効果が生まれるという例がありました。
褒めることは、相手を評価するだけでなく、自分自身も前向きになれる力を持っています。照れずに、短い言葉でもいいので、今日から身近な人に一言、褒めを伝えてみることから始めてみてはいかがでしょうか。放送を通じて、「褒める」ことの大切さと可能性が、しっかりと伝わる内容でした。
今すぐ使える褒め言葉リストと日常の活用例

ここからは、私からの提案です。日常で自然に褒めるのは意外と難しいですが、少しだけ意識するだけで言葉は変わってきます。実際、番組でも紹介されたように「褒めるさしすせそ」を取り入れたり、家庭内で褒め合う時間をつくったりすることで、言葉のバリエーションは広がります。ここでは、すぐに使えて、相手の気持ちを前向きにできる褒め言葉のフレーズと、その活用例を紹介します。大げさな言い回しではなく、普段の会話の中にさりげなく入れられる表現を選びました。
たとえば以下のようなフレーズがあります。
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「そのやり方、いいね」
相手の工夫や工夫した点に気づいたことを伝える一言です。職場だけでなく、家庭で子どもに対しても使いやすい言葉です。たとえば夕飯の配膳を手伝ってくれたとき、「その順番いいね」と添えるだけで、相手は認められたと感じます。 -
「助かったよ」
手伝ってもらったときや、さりげない配慮をしてくれたときに感謝の気持ちを込めて伝える言葉です。特に家族同士では意識しないと出てこない言葉ですが、短くても効果は大きいです。誰かが静かにゴミを出してくれていたら、見逃さずにこの一言をかけることが大切です。 -
「前よりすごく上手になったね」
努力や成長を褒める言い方です。料理や掃除、スポーツなど、過去と比べて進歩した点に注目すると、相手の自信につながります。変化に気づいてもらえたという実感は、特に子どもや部下には大きなモチベーションになります。 -
「その考え方、すてきだね」
相手の意見や視点に対して敬意を込めて伝えるフレーズです。価値観を尊重していることが伝わり、信頼関係を築くきっかけにもなります。職場での会話や、親しい友人との会話の中で自然に使えます。 -
「◯◯さんらしいね!」
個性を褒める言葉です。相手のスタイルや判断を受け入れる表現として使えます。たとえば服装や持ち物、選んだ言葉などに対して言えば、「ちゃんと見てくれている」と思ってもらえる可能性があります。
これらの言葉は、特別なタイミングを待たずに使えるものばかりです。相手が何かをした直後に伝えるのが効果的ですが、後からでも「さっきの〇〇、よかったよ」と振り返って伝えるだけでも十分です。
また、褒めるときの声のトーンや表情も大切です。同じ言葉でも、明るくはっきり言うのか、小声でつぶやくのかで受け取り方が変わります。目を見て、ゆっくりと伝えることで、短い一言でも気持ちは伝わりやすくなります。
こうした言葉は、毎日少しずつ使っていくことで自然と身につきます。最初は照れくさくても、積み重ねが周囲との関係をやさしく変えていきます。家族や同僚、友人との何気ない会話の中に取り入れてみてください。小さな一言が、大きな変化を生む第一歩になります。
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