中高年のリゾートバイトが注目される理由とは?
「50代や60代からでも新しい働き方に挑戦したい」そう思ったことはありませんか?旅行が好き、人との出会いが好き、でも定年後の生活にちょっと張り合いがほしい…。そんな気持ちに応えるように、今、中高年のリゾートバイトが全国で広がっています。この記事では、実際に働く人の体験や企業の取り組み、そして地域との関わり方まで、番組『首都圏情報ネタドリ!』で紹介された最新事情をわかりやすくまとめます。読むことで、中高年リゾートバイトの魅力と注意点、さらに地域と人をつなぐ“関係人口”という考え方が理解できます。
中高年リゾートバイトの増加と背景
リゾートバイトといえば若者中心のイメージですが、今は変化が起きています。リゾートバイト専門会社ヒューマニックによれば、10年前にはほとんどいなかった50歳以上の働き手が、コロナ禍以降一気に増加。週に300件もの問い合わせが中高年から寄せられているそうです。
例えば、長野県茅野市のホテルで住み込みで働く61歳の中山さん。30年接客業を続けた後、3年前からリゾートバイトを始めました。新潟市や佐渡ヶ島など全国を巡りながら、寮費・光熱費無料の生活を送り、社員食堂の食事で暮らしています。ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける点が魅力となっています。
働きやすい環境づくりと評価制度
リゾート地の旅館やホテルも、中高年の力に注目しています。例えば神奈川県箱根町の温泉旅館では、60歳以上のアルバイトが16人も活躍。生活に合わせたシフトを組みやすくしたり、接客を客が評価して特別ボーナスを支給する仕組みを導入するなど、長く働き続けられる工夫をしています。
経験豊富な人材だからこそ、きめ細かい接客ができる点が評価されやすいのも中高年ならではの強みです。
潜むトラブルと注意点
一方で、リゾートバイトには注意も必要です。寮の環境がイメージと違う、労働と生活の境目があいまいでサービス残業が発生するなどのトラブルも少なくありません。社会保険労務士・岡佳伸さんは「募集条件が正しく守られているか、個室か相部屋かを事前に確認することが重要」と呼びかけています。安心して働くためには、下調べと契約内容の確認が欠かせません。
中高年の力を地域に活かす“関係人口”
番組では「関係人口」という考え方が大きく取り上げられました。これは島根県立大学の田中准教授が紹介したもので、「観光以上・定住未満」の新しい地域との関わり方を指します。
例えば大阪在住の池田さんは、滋賀県長浜市で古民家の片付けアルバイトに参加。1泊2日の短期で報酬は8000円ほど、地元観光も楽しめる仕組みでした。滋賀県は今年7月からこのサービスを導入し、事業者の利用料を補助するなど積極的に推進しています。
さらに、青森県八戸市で地域おこし協力隊として活動する秋山さんは、ワイン用ぶどう農家を支援。50代でIT企業を早期退職し、新たな人生を地域と共に歩み始めています。地域おこし協力隊は昨年度7900人余と過去最多を記録し、中高年世代もじわじわと増えているのが特徴です。
地域でうまくやるために必要なこと
人口減少が進むなか、総務省の住民基本台帳統計によると、昨年から東京と千葉以外のすべての道府県で人口が減少。そんな時代だからこそ、中高年の経験と知恵が求められます。田中准教授は「中高年は経験が豊富だからこそ“自分ならこうする”と考えがち。しかし地域ごとにやり方がある。相手の事情を理解し、リスペクトの姿勢で仲間として活動することが大切」と強調しました。
まとめ
この記事のポイントは以下の3つです。
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中高年リゾートバイトは全国で増加し、柔軟な働き方として注目されている
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働きやすい制度や評価システムを導入する宿泊施設が増えているが、労働条件の確認が必須
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リゾートバイトは単なる仕事ではなく、地域との関係人口づくりにつながる可能性がある
中高年リゾートバイトは、働く側にとっては新たな挑戦の場であり、地域にとっては力強い応援団となり得ます。あなたも「定住まではしないけれど、地域に関わってみたい」と思ったら、リゾートバイトという選択肢を考えてみてもいいかもしれません。
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