エースは何度でも跳ぶ〜バレーボール選手 石川祐希〜
2025年6月30日(月)放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』では、日本バレーボール界を代表する石川祐希選手に密着します。世界最高峰の舞台である欧州チャンピオンズリーグで、日本人として初めて優勝の中心に立った石川選手。その背後には、パリ五輪での悔しさ、イタリア・セリエAでの孤独な闘い、そして日本代表主将としての重責があります。華やかな舞台の裏にある地道な努力や、勝利への執念、日常の姿までが描かれるこの回は、見逃せない内容になることが期待されています。
欧州チャンピオンズリーグ制覇という歴史的偉業
2025年5月18日、ポーランドのウッチで行われた欧州チャンピオンズリーグ(CEV)決勝。石川選手が所属するイタリア・ペルージャは、ポーランドの強豪ザビエルチェと対戦し、3-2のフルセットで勝利を収めました。石川選手は全セットに先発出場し、20得点をマーク。攻撃で19点、ブロックでも1点を挙げ、チームを大きく支える活躍を見せました。
この勝利で、ペルージャはクラブとして初のCLタイトルを獲得。そして石川選手は日本男子バレー史上初の欧州CL優勝者となりました。ミラノから移籍1年目で、欧州デビューシーズンにしてこの大偉業。石川選手は「日本人として初めて。すごくうれしい」と語り、歴史にその名を刻みました。
決勝戦だけでなく、準々決勝、準決勝といったファイナル4進出までの戦いでも安定したパフォーマンスを見せており、今シーズンのCLにおいて大きな存在感を放っていたことがわかります。
パリ五輪での悔しさが生んだ強さ
2024年夏のパリオリンピックでは、日本代表が準々決勝でイタリアに逆転負けを喫しました。第3セットで24-21とリードしながら、あと1点が遠く、そこから巻き返されセットカウント2-3で敗退。石川選手は試合後、「あと1点が取れなかったのが悔しい。これが今の実力」と振り返っています。
試合直後、石川選手が涙を見せる姿が印象的でした。中央大学時代以来の感情の爆発であり、本人にとっても心に残る経験だったといえます。この「あと1点」を取りきれなかった経験が、後の挑戦への大きな原動力となりました。
欧州CL制覇は、その悔しさを胸に1年をかけて積み重ねてきた結果。失敗を経験しながらも前に進む姿が、番組でどのように描かれるのか注目です。
イタリア・セリエAでの孤独な戦い
ペルージャでの日常は、決して楽なものではありません。世界中からトッププレイヤーが集まるセリエAは、熾烈な競争の舞台です。石川選手はその中で、日々の練習だけでなく、自主トレーニングも続けながら、自らの立ち位置を勝ち取ってきました。
言葉の壁、文化の違い、孤独な生活。そんな中でも石川選手は「世界一の環境で自分を試したい」という強い気持ちを持ち、苦しみながらも結果を残してきました。
練習後も一人アリーナに残り、何度もレセプションやスパイクの反復練習を行う姿からは、地道に努力を重ねるプロとしての姿勢が伝わってきます。
日本代表主将としての覚悟
石川選手は、2021年から日本代表の主将を務めています。キャプテンとして、コート上のパフォーマンスだけでなく、チームのまとめ役としても信頼されています。
特徴的なのは、選手同士の話し合いを重視するスタイルです。監督が見守る中で、石川選手が話し、メンバー同士が意見を出し合うことで、全員が主体的に考えるチーム文化を作り上げてきました。
また、海外生活で培った語学力や異文化理解は、代表チームの中でも大きな武器となっています。選手だけでなくスタッフや対戦相手とのコミュニケーションにも役立っており、キャプテンとしての厚みを増す要因になっています。
石川祐希選手の素顔
華やかなプレーとは対照的に、石川選手は穏やかで几帳面な性格として知られています。負けず嫌いで知られており、練習中のボール遊びでも負けると本気で悔しがるというエピソードもあります。
最近ではチームのムードを盛り上げるため、あえて大きなリアクションを取るようにもなり、感情を表現することにも積極的になっています。
私生活では整理整頓が好きで、遠征先でも洗濯の方法や香りにこだわるほどの美意識の高さも話題に。海外ファンからは「優等生」「知的なアスリート」といった評価も受けています。
放送内容への期待
今回の『プロフェッショナル』では、次のような内容が丁寧に紹介されることが予想されます。
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欧州CL制覇という歴史的快挙
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パリ五輪の悔しさを乗り越えた背景
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イタリアでの孤独な日々と努力
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日本代表キャプテンとしての責任感
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石川選手の意外な一面や人間味ある素顔
“エースは何度でも跳ぶ”というタイトルのとおり、失敗を糧にして何度でも挑戦し続ける姿勢が、画面越しに力強く伝わるはずです。これまで石川選手を見守ってきたファンにとっても、より深く彼のことを知る機会となるでしょう。
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