大化の改新を歴史探偵で徹底解説!今の日本につながる古代の大事件とは?
歴史の授業で必ず習う大化の改新。でも「645年の乙巳の変とどう違うの?」「なぜ天智天皇が重要なの?」「結局どんな成果があったの?」といった疑問を持っている人も少なくありません。2025年9月3日に放送されたNHK総合「歴史探偵」では、俳優の佐藤二朗さん、アナウンサーの片山千恵子さん、歴史学者の河合敦さんが登場し、このテーマを徹底的に掘り下げました。この記事では、番組内容をもとに大化の改新の流れ・背景・制度・影響を、古代史が苦手な人でも理解できるようにわかりやすくまとめます。この記事を読むことで、「大化の改新がなぜ現代の日本の基盤となったのか」がしっかりと見えてくるはずです。
乙巳の変から始まる大化改新の第一歩
大化の改新の最初のきっかけは645年の乙巳の変でした。中大兄皇子(のちの天智天皇)と中臣鎌足が、絶大な権力を握っていた蘇我入鹿を暗殺した事件です。これにより蘇我氏の支配は崩れ、政治の主導権は天皇へと移ります。事件後、軽皇子が孝徳天皇として即位し、「天皇中心の政治」を掲げました。しかし、当時の日本では豪族が多数の部民や土地を支配しており、それが経済的基盤となっていました。孝徳天皇はこれを弱体化させるため、部民を天皇のもとに移そうとしましたが、思惑はスムーズには進みません。さらに中大兄皇子と孝徳天皇の間には権力をめぐる対立が生じ、孝徳天皇は孤立。やがて崩御し、改革の道は順風満帆とは言えない幕開けとなりました。
白村江の戦いと国防の危機
次の大きな転機は663年の白村江の戦いです。日本は百済を救うため出兵しましたが、唐・新羅の連合軍に大敗しました。この敗北は、日本に「国防を強化しなければならない」という強い危機感を与えます。中大兄皇子(のちの天智天皇)は、西日本各地に城を築き、敵の侵攻に備える体制を急ピッチで整備しました。特に注目すべきは、狼煙を利用した情報伝達システムです。番組では実際に大阪・松原市から奈良・畝傍山まで狼煙をあげ、その伝達速度を検証しました。結果は14分で到達。博多から奈良までは670kmもの距離がありますが、この方法なら6時間程度で緊急情報が届いたと推定されます。現代のインターネットや通信網の“古代版”ともいえる仕組みです。狼煙台は4人1組で24時間管理され、厳しい規律のもと運用されていたことも紹介されました。ここに、古代日本の高度な危機管理の一端が見えます。
天智天皇の中央集権化と庚午年籍
中大兄皇子はやがて即位し天智天皇となり、さらなる改革を進めます。その象徴が庚午年籍(こうごねんじゃく)という日本初の全国的な戸籍制度です。これにより、民の数や身分を把握できるようになり、課税や兵役の管理が一段と容易になりました。さらに天智天皇は漏刻(水時計)を導入。都には門限が設けられ、国民生活は時間単位でコントロールされるようになりました。これは「国家が民を制度として管理する」という大きな一歩でした。しかし天智天皇は後継者を明言しないまま46歳で崩御します。これが次なる大事件につながりました。
壬申の乱と大海人皇子の逆転劇
天智天皇の死後、後継者をめぐり大友皇子と大海人皇子が争ったのが**壬申の乱(672年)**です。当初は大友皇子が優勢でしたが、大海人皇子は吉野から脱出し、関ヶ原に陣を構えて東国の兵力を味方につけました。さらに交通の要衝をおさえ、戦局を一気に逆転させます。漁師の助けを受けた逃亡劇や、各地から馬で駆けつけた東国兵の活躍など、まるで歴史ドラマのような展開でした。最終的に大海人皇子が勝利し、天武天皇として即位します。
天武天皇と大化改新の完成
天武天皇は改革をさらに推し進めました。まず発行したのが日本最古の鋳造貨幣「富本銭」です。人々がこの貨幣を信用して使った背景には、天武天皇の権力と中央集権の強化がありました。また、後に制定される大宝律令の原型をつくり、法制度を整備。ここに、後世の日本社会の基盤となる「律令国家」が形作られたのです。番組の最後で佐藤二朗さんは、「大化の改新は、今の日本の礎ができた重要な出来事」とまとめていました。
大化の改新から学べること
今回の番組を通じて見えてきたのは、大化の改新が単なる事件ではなく、数十年にわたる大改革のプロセスだったということです。乙巳の変に始まり、白村江の敗戦による国防整備、天智天皇の戸籍や時間管理の制度化、そして壬申の乱を経て天武天皇が権力を掌握するまで。すべてが連なり、結果として日本の国家体制が整えられていきました。戸籍制度、防衛システム、時間管理、貨幣の発行、律令体制といった仕組みは、現代日本の社会制度の根幹に直結しています。同時に、それらは権力闘争や戦いという厳しい現実のなかで進んだことも忘れてはいけません。
まとめ
NHK「歴史探偵」で描かれた大化の改新は、教科書の数行では伝わらない壮大な歴史ドラマでした。645年の乙巳の変から672年の壬申の乱、そして天武天皇による律令国家の確立まで。約30年にわたる改革の歩みが、現代の日本社会の土台を築きました。大化の改新を振り返ることは、「日本という国がどのようにして生まれたのか」を知る上で欠かせない手がかりです。歴史の流れを知ることは、今を理解することにつながると改めて感じさせてくれる内容でした。
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