驚異の雷パワーが私たちの暮らしを脅かす!?
雷が原因でタワマンに穴が空く、家電が壊れる、さらには企業活動まで止まる…そんなニュースを聞いて驚いた方も多いのではないでしょうか?
「避雷針があるから安心でしょ」と思っていた人も、実は被害を完全に防げるわけではありません。私自身も同じように考えていたので、この放送を見て本当に驚きました。
この記事では、2025年9月13日放送の「所さん!事件ですよ」の内容をもとに、雷の怖さと身近な対策をまとめます。この記事を読むことで、雷の最新事情や実際の被害例、そして私たちができる対策をしっかり理解できるはずです。
タワマンに穴が空いた!?雷の衝撃映像
ここ10年で落雷の発生数は約1.7倍に増加しています。番組ではその恐ろしさを示すために、タワーマンションの地上100m付近が雷に直撃して穴が空いた実例が紹介されました。実験映像でも、コンクリートブロックが一瞬で粉砕される様子が映し出され、雷の破壊力がいかに強大かを実感できます。
さらに調査を進めると、過去には国会議事堂の高さ60mを超える頂上付近に雷が直撃し、崩れ落ちた石が下のガラス天井を突き破った事例も発覚。これは単なる自然現象ではなく、国の重要建築物すら傷つけてしまうほどの脅威です。
加えて、2016年の電気設備学会の調べでは、全国の高層ビルなど18棟で雷被害が確認されました。驚くべきことに、避雷針が設置されていたにもかかわらず、屋上の角部分に被害が集中していたといいます。つまり、避雷針があるからといって必ずしも安心できるわけではなく、建物構造や落雷の性質によっては守りきれないケースがあるのです。
巨人軍エース・槇原寛己の恐怖体験
「ミスターパーフェクト」の愛称で知られる元巨人軍エースの槇原寛己さん。完全試合を成し遂げた名投手の自宅でも、雷による深刻な被害が起きていました。ある日、激しい雷雨の中で突然家中の電気が消え、異臭が漂い始めたそうです。原因を確かめると、分電盤が真っ黒に焦げて炎を上げていたのです。
とっさに槇原さんはタオルを水に浸し、直接押し付けて火を消し止めました。しかしこの行動は大変危険で、感電するリスクが非常に高いと専門家は強く警告しています。本来なら消火器を使うべきであり、素手で水を含ませた布を使うのは「絶対にしてはいけない対応」だというのです。
このエピソードは、雷が単に建物に落ちるだけではなく、家庭内の電気設備を通じて火災を引き起こす可能性を示しています。普段から何気なく使っている分電盤や配線も、雷のエネルギーを受けることで一瞬にして火元となり得るのです。
2km先からも被害!家電を壊す雷サージ
さいたま市にある世界的にも有名な「盆栽美術館」で、雷による思わぬ被害が発生しました。驚くべきことに、近くに直接落雷があったわけではないのに、空調設備が突然故障し、館内は40℃近い温度に。修理の目処も立たず、やむなく2週間の臨時休館を余儀なくされました。文化財を守る施設でのトラブルだけに、大きな話題となりました。
原因は「雷サージ」。これは雷がもたらす異常な高電圧が、電線を伝って建物内部に侵入し、家電や設備を壊してしまう現象です。直接落ちなくても影響があり、被害範囲は半径2kmに及ぶとされます。まさに“目に見えない雷の爪痕”と言えるでしょう。
番組に出演した木村佳乃さんも、「自宅で近くの電柱に雷が落ち、コンセントにつないでいた家電が一気に壊れた経験がある」と語り、雷サージの恐ろしさを身近に感じさせました。
こうした被害を防ぐためには、
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雷ガード付きの電源タップを利用する
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家財補償がついた保険に加入する(ただし落雷によるものと証明が必要)
といった対策が紹介されました。普段の生活で意識していない人も多いですが、実は誰にでも起こり得るリスクであり、家庭の安全を守るための準備が大切です。
企業活動を脅かす“瞬低”の恐怖
雷の脅威は家庭にとどまらず、企業活動にも甚大な影響を及ぼしています。北海道音更町の大手乳業メーカーでは、送電線に雷が落ちたことで「瞬時電圧低下(瞬低)」が発生。これにより工場の稼働が8時間ストップし、製造途中だった脱脂粉乳50トンが廃棄される事態となりました。食料を扱う現場での被害は、そのまま大きな損失に直結します。
さらに深刻なのが、精密さが求められる熊本市の半導体工場でのケースです。わずか0.6秒の瞬低によって、工場内の9割の設備が停止。復旧には1週間もかかり、その間に膨大な生産ロスが発生しました。半導体はナノレベルの精密さが必要なため、一瞬の電圧低下が製品に致命的なダメージを与えてしまうのです。
このような被害は金額に換算すると想像を絶します。個別の工場だけでも100億円規模に達することがあり、全国的に見れば、雷による瞬低やサージ被害を含めて年間最大2000億円もの損失に上ると推定されています。
私たちの生活に欠かせない食品や半導体が、たった一瞬の雷でここまで大きな影響を受けるという事実は、雷対策の重要性を改めて示していると言えるでしょう。
雷が役立つ!?意外な都市伝説
一方で、番組では雷の意外なプラス面についても取り上げられました。埼玉・宮代町の平栗健史教授が紹介したのは、ユニークな研究結果です。雷の周波数に近い音をしいたけの菌床にあてる実験を行ったところ、なんと成長速度と収穫量が倍増したというのです。まさに自然のエネルギーを利用した“雷パワー栽培”といえるでしょう。
さらに、雷には農業を助ける一面があることも科学的に証明されています。雷が落ちると空気中の窒素が反応して窒素化合物となり、これが雨とともに土壌へ浸透。結果として、植物の成長を促す天然の肥料となるのです。農作物の収穫量を増やす作用があることから、古代ローマでは「雷が豊作をもたらす」と信じられていたといいます。
恐怖の対象である雷ですが、このように自然界では命を育てる力としても働いているのです。負の側面と正の側面、その両方を知ることで、雷をより身近に感じられるのではないでしょうか。
まとめ:雷の脅威と私たちができること
この記事で紹介したポイントを整理します。
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雷はタワマンや国会議事堂を破壊するほどの力を持つ
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家庭では雷サージにより、2km先の落雷でも家電が壊れる危険がある
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企業では瞬低により、数十億〜数百億円の損害が発生する
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雷には農作物の成長を助ける不思議な一面もある
私たちができることは、雷ガードタップの利用や保険加入、雷が近づいたら建物内に避難すること。雷は恐ろしい存在ですが、正しい知識を持てば被害を最小限にできます。
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