鈴鹿央士が挑む“初舞台”と俳優人生の覚悟
2025年9月19日放送のNHK総合「あさイチ」プレミアムトークに登場したのは、今もっとも勢いに乗る俳優の鈴鹿央士さんです。社会現象を巻き起こしたドラマ『silent』で多くの視聴者の心を掴み、人気コント番組『LIFE!』ではユーモアあふれる姿を披露。そして今、シェイクスピアの大作『リア王』で初舞台に挑むという大きな転機を迎えています。初舞台でいきなり重厚なシェイクスピア劇を選んだその姿勢には、俳優としての覚悟と情熱があふれています。
デビューの原点は“広瀬すずとの出会い”
俳優としての第一歩を踏み出したのは2018年のことでした。きっかけは、広瀬すずさん主演の連続テレビ小説『なつぞら』のロケが、当時鈴鹿央士さんが通っていた高校で行われたことです。撮影現場では多くの生徒がエキストラとして参加する募集があり、央士さんも友人と一緒に応募しました。
エキストラとして現場に入った際、スタッフの目に留まり「かっわいい子がいる!」と話題になったといいます。自然体の雰囲気と透明感あふれる存在感が、その場にいた人々の心を惹きつけました。その瞬間が、後に芸能界へとつながる大きな転機となりました。
さらに印象的なのは、芸名の「鈴」が広瀬すずさんから贈られたものだということです。広瀬さんとの縁がきっかけとなり、その名前を冠して活動することになった央士さんにとって、この出会いは単なる偶然ではなく、今も支えとなる大切な始まりでした。
当時を振り返って広瀬すずさんは「彼には繊細さと大胆さが同居している」と語っています。若いながらも作品に真剣に向き合う姿勢に、早くから俳優としての素質を感じ取っていたのです。
『蜜蜂と遠雷』で決意を固めた瞬間
鈴鹿央士さんが本格的に俳優の道を歩む覚悟を固めたのは、映画『蜜蜂と遠雷』への出演でした。若手ながら大きな役を任され、周囲からの期待も高い中での挑戦。その中でも特に印象的なのが、松岡茉優さんと共演したピアノの連弾シーンです。
当初、監督の石川慶さんは「演奏はあてぶりで構わない」と伝えていました。しかし央士さんはその言葉に甘えることなく、実際に弾けるように必死に練習を重ねました。楽譜には音符の位置や鍵盤の場所まで細かく書き込み、自分の指がどこにあるべきかを一つひとつ確認しながら身につけていったのです。
撮影当日、予想以上に自然に音を奏でる央士さんの姿を見て、石川監督は驚きを隠せなかったといいます。さらに「彼は常に先へ行ってしまう」と評し、若い俳優としての成長スピードと貪欲さを称賛しました。
演技に必要とされる以上の努力を惜しまず、与えられた役に全力で取り組むその姿勢こそが、鈴鹿央士さんを真の俳優へと導いた瞬間だったのです。
初舞台『リア王』に挑む意義
10月に上演されるシェイクスピアの大作『リア王』で、鈴鹿央士さんが演じるのはエドガーという重要な役どころです。古典劇の中でも特に重厚な作品に、初舞台で挑むというのは並大抵のことではありません。舞台経験豊富な名優たちに囲まれながら稽古に臨む姿は、まさに新たな試練に飛び込む若手俳優の覚悟そのものです。
鈴鹿さんはこの挑戦について「ラッキーで幸せ」と言葉にしましたが、その裏には大きなプレッシャーと強い責任感がにじみ出ています。シェイクスピア特有の難解な言葉や長台詞に苦戦しながらも、持ち前の集中力と柔軟さで一歩ずつ役に近づいている様子が伝わってきます。
これまで映画やドラマで繊細な表現を積み重ねてきた鈴鹿央士さんにとって、『リア王』の舞台は役者としての殻を破る絶好の機会です。この初舞台を乗り越えた先には、より一層厚みを増した俳優像が待っていることでしょう。彼の言う「幸せ」という言葉には、その未来への期待と決意が込められているのです。
岡山から届いた母の想い
地元岡山県から寄せられた母親のメッセージには、鈴鹿央士さんの素顔が鮮やかに映し出されていました。「芸能界という未知の世界に挑むあなたを誇りに思う」という母の言葉が紹介されると、スタジオ全体が温かい空気に包まれ、彼がどれほど家族の支えを大切にしているかが伝わってきました。
幼い頃の央士さんは、熱しやすく冷めやすい性格で、どこかマイペースな一面を持っていたといいます。しかし、その自由で自然体の姿勢は今も変わらず、芸能界に身を置いていても飾らない人柄のままです。だからこそ、観る人に安心感や親しみを与え、幅広い世代から愛され続けているのだと実感させられます。
母の言葉を受け、涙ぐむ表情を見せた鈴鹿央士さん。その姿には、家族の存在が彼にとって大きな支えであり、俳優としての原動力になっていることがはっきりと表れていました。
稲垣えみ子が紹介する“生きがい本”
「特選エンタ」のコーナーでは、稲垣えみ子さんが“人生100年時代をどう豊かに過ごすか”という視点で選んだ本を紹介しました。ラインナップは多彩で、『ピアノが弾けるようになる本』(ジェイムズ・ローズ)、『伊丹十三の台所』、牧野伊三夫さんによる『のみ歩きノート』、そして三宮麻由子さんの『センス・オブ・何だあ?』。どの作品も日々の暮らしを楽しむための気づきや、人生を前向きに生きるヒントが散りばめられています。
稲垣さんはそれぞれの本に込められた魅力を丁寧に語り、とくに「小さな日常の発見が人生の豊かさにつながる」と強調しました。本格的な学びから日常のユーモアまで幅広いセレクトに、視聴者も新しい読書の扉を開くきっかけになったのではないでしょうか。
一方で鈴鹿央士さんは「自分にとっての生きがいはお風呂につかること」と笑顔でコメント。華やかな活躍の裏で、シンプルで等身大の習慣を大切にしている姿に、誠実な人柄がにじみ出ていました。俳優としてだけでなく、一人の人間としての魅力も強く伝わる瞬間でした。
三上真史が提案!お部屋でリゾート気分
園芸デザイナーの三上真史さんが担当するコーナー「みんな!グリーンだよ」では、暮らしにリゾートの雰囲気を取り入れるアイデアが紹介されました。今回の主役となったのは、可憐で存在感のあるマイクロコチョウランです。
一般的な胡蝶蘭に比べてコンパクトなサイズ感が魅力で、使われたのは直径約7.5cmほどの2.5号鉢。価格も1500〜2000円ほどと手頃で、初心者でも気軽に挑戦できるのが特徴です。花は肉厚で、一輪ずつが長持ちするため、1か月以上咲き続けることも珍しくありません。
さらに三上さんは、100円ショップで手に入る杉材やフォトフレーム、水苔などを使い、花をフォトフレームに飾るリゾート風アレンジを実演しました。花を固定する際にはテグスで20回ほど巻き付け、室内のレースカーテン越しの窓辺に置くと長く楽しめるとアドバイス。寒さに弱いため10℃を下回らないよう注意し、毎日の霧吹きと2日に1回の水やりで元気に育つとのことでした。
手軽に購入できるマイクロコチョウランを、身近な材料と組み合わせてリゾートのように飾る提案は、多くの視聴者に新しいライフスタイルのヒントを与えていました。
視聴者からの熱いメッセージ
エンディングでは全国から寄せられた感想が披露されました。坂本龍一の楽曲への思い、千鳥との過去の出会い、岡山での思い出など、鈴鹿さんの素顔に迫るコメントが多く寄せられました。本人も「美星町で見た流れ星が忘れられない」と語り、地元への愛着をのぞかせています。
記事のまとめ
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鈴鹿央士は『silent』『LIFE!』で話題を呼び、映画『蜜蜂と遠雷』で俳優人生の覚悟を固めた
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初舞台『リア王』での挑戦は、役者としての飛躍の第一歩となる
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地元岡山県や母親からのメッセージに支えられ、等身大の魅力を発揮している
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稲垣えみ子のブックセレクトや三上真史の園芸提案も放送され、多彩な視点で人生を豊かにするヒントが盛り込まれた
俳優としての未来を確信させる熱い一時間。鈴鹿央士さんの歩みは、間違いなく今後の日本のエンターテインメント界を背負っていく存在感を放っていました。
ソース:
NHK公式 あさイチ
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