20代から考える!お金・結婚・家の人生設計
「25歳までに結婚したいけど、お金が心配」
「マイホームを早めに買いたいけどローンが不安」
――こんな悩みを抱えていませんか?実は今の20代の多くが、まさに同じテーマで悩んでいます。番組で紹介された調査では、20代の3人に1人が『25歳までに結婚したい』と答え、20代以下の2人以上世帯の持ち家率は『39.7%』にも達しています。つまり「結婚・家・お金」をセットで意識する若者が増えているのです。
一方で、物価高や社会保険料の負担増で、将来への不安も現実味を帯びています。給料は上がってきているとはいえ、生活コストの増加に追いつけないと感じる人も少なくありません。そんな中、番組では20代に役立つ「住宅ローン」「結婚生活」「家事分担」の最新情報を分かりやすく伝えていました。
所さん!事件ですよ「玄関開けたらトイレ!?シン・狭小住宅事情」|5〜7畳の部屋・風呂なし・銭湯付きアパートも登場?2025年4月12日
宇治原さんの人生転機に学ぶ
番組に出演した宇治原史規さんの人生エピソードは、多くの人にとって参考になりました。18歳で京都大学法学部に入学し、20歳で吉本興業から芸人の道へ。30歳でクイズ番組に優勝し、37歳で結婚。そして42歳でマイホームを購入し、第1子が誕生。特に印象的なのは、結婚発表の際に「マイホームはクイズ番組の賞金で買う」と書面をマスコミに送ったという話。人生の節目ごとにどんな判断をするかで、将来の形が大きく変わることを実感させるエピソードでした。
20代の資産状況とマイホーム意識
SMBCコンシューマーファイナンスの調査によると、20代の平均貯蓄額は『69万円』。数字としては決して大きくありません。しかし、すでに持ち家を持っている世帯が39.7%もいるという事実からは、早めに住宅を購入する動きが広がっていることがわかります。背景には「将来インフレで価格はさらに上がる」との予測や、「家を持つことが安心につながる」という価値観があります。
住宅購入のカギは「50年・頭金・ペア・贈与」
番組では、20代が住宅を買う際に押さえておきたい重要なキーワードとして 『50年・頭金・ペア・贈与』 が紹介されました。
まず 『50年ローン』。これは返済期間を長く設定することで、月々の返済額を抑えられるというメリットがあります。ただし注意点として、期間が延びる分、利息が大きくなり、総支払額は35年ローンよりも大幅に増えてしまいます。
次に 『頭金』。住宅を購入するとき、一般的には物件価格の2割程度を頭金として用意するのが目安とされています。頭金を入れることで借入額が少なく済み、結果として毎月の返済額が抑えられるほか、金融機関によっては優遇金利を受けられる可能性も高まります。
そして 『ペアローン』。これはパートナーとそれぞれがローンを組む仕組みで、返済負担を分けられるため、より高額な物件を購入できるケースもあります。ただし、もし離婚となった場合には、双方が連帯保証人となっているため「どちらがどれだけ支払うのか」といったトラブルのリスクが大きい点も押さえておく必要があります。
最後に 『贈与』。親など直系尊属からの資金援助については、一定の条件を満たせば最大1000万円まで非課税で受け取れる特例があります。若いうちに住宅購入を考える人にとっては大きなサポートになる制度です。
具体的なシミュレーションも番組で紹介されました。例えば3000万円を金利2.5%で借りた場合、
- 35年ローンでは月々の返済が10万7248円で、総返済額は約4504万円
- 50年ローンでは月々の返済が8万7642円で、総返済額は約5258万円
月々の返済額を少なくして日々の生活に余裕を持たせるのか、それとも総返済額を抑えて長期的に負担を軽くするのか。選び方によってライフスタイルは大きく変わってきます。
住宅ローンの落とし穴と変動金利リスク
住宅ローンを利用する場合、多くの人が選んでいるのが 『変動金利』 です。金利が低めに設定されているため、毎月の返済額を抑えられる点が魅力ですが、将来的に金利が上昇した場合には返済額が思った以上に増えてしまうリスクがあります。金利が上がると元金がなかなか減らず、利息ばかりを支払う状況に陥り、結果として総返済額が大きく膨らむ可能性があります。
金融機関には、返済額が急激に増えないようにするための 「5年ルール」(5年間は返済額を据え置く仕組み)や、返済額の増加を一定割合に抑える 「上限ルール」 などがあります。しかし、これらの仕組みがあっても、金利上昇の影響を完全に避けることはできません。最終的に返済の終盤に負担が大きくなるケースもあり得るため、十分な注意が必要です。
さらに、マイホームを購入した後には住宅ローン以外の支出も発生します。代表的なのが 『固定資産税』、そしてマンションであれば毎月の 『管理費』 や 『修繕積立金』 です。特に修繕積立金は築年数が経過するごとに増額されるケースも多く、長期的に見ると数万円単位の出費が継続して発生します。こうした固定費を考慮すると、できる限り 頭金を用意して借入額を減らす ことが、将来の家計を安定させるうえで理想的だといえます。
結婚に対する20代の意識
番組のインタビューでは、20代の若者から「27歳で結婚したい」「結婚後も仕事を続けて共働きでやっていきたい」といった声が多く聞かれました。特に印象的だったのは、影山優佳さんの発言です。彼女は「結婚は相手の良い面だけを見るものではなく、相手の弱さを自分が補えるくらいの存在でありたい」と語り、責任感を伴う結婚観を示しました。
今の世代にとって、結婚は単なる生活のスタートではなく、互いに支え合いながら人生を築いていくパートナーシップとしての意味合いが強くなっています。多くの若者が 「共働き=2馬力」 というスタイルを当たり前のものと考えており、収入を支え合うことが家庭を安定させる大きな要素になっています。
さらに、子育てに関しては『共育』という考え方が浸透しています。これは「一方が担うのではなく、夫婦が共に育てていく」という意識を表す言葉で、家事や育児を男女が平等に分担することを前提としています。こうした価値観は、これまでの「専業主婦モデル」から大きく変わりつつあり、現代の20代が描く結婚生活の特徴となっています。
共働き夫婦を支える工夫
東京都内に暮らす高木さん夫婦は、日々の家事をスムーズに分担するために 家事共有アプリ を活用しています。このアプリは、終わった家事を入力すると相手に即座に共有される仕組みで、さらに作業量がグラフ化されるため、誰がどれだけ家事を行っているかがひと目でわかります。こうした“見える化”によって、夫婦間の不公平感を減らし、ストレスを大きく軽減できるのが特徴です。家事に関する不満が減れば、家庭内の雰囲気も良くなり、結果的に仕事や子育てにも良い影響を与えることにつながります。
加えて、番組では東京・日本橋で導入されている新しいサービスも紹介されました。それは 「保育園で夕食を受け取れる仕組み」 です。保護者はあらかじめスマートフォンで注文し、保育園に子どもを迎えに行く際に夕食を受け取れるようになっています。メニューは日替わりで、主菜・副菜・汁物 がセットになって1人800円から利用可能。帰宅後に一から料理をする必要がなく、すぐに食卓に出せるため、忙しい共働き世帯には非常にありがたいサービスです。
このような取り組みは、限られた時間を効率よく活用する タイムパフォーマンス重視の世代 にぴったりであり、家事や食事の負担を軽くしつつ、家族の時間を増やす工夫として注目されています。
晩婚化とその背景
国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、「いずれ結婚するつもり」と答えた20〜30代の若者は男女ともに8割を超えています。数字だけを見れば、結婚への意欲は決して低いわけではありません。
しかし実際のデータを見ると、結婚件数は年々減少傾向にあり、社会全体として 晩婚化 が進んでいます。希望はあるものの、現実には結婚に踏み出せない層が多いのです。
その理由として多く挙げられているのが、まず 「結婚資金が足りない」 という経済的な壁です。結婚式や新生活の準備にはまとまった資金が必要となり、20代の平均貯蓄額では不安が残るケースも少なくありません。
さらに、もう一つ大きな要因が 「適当な相手に出会えていない」 というものです。仕事や生活環境の変化により、出会いの場が限られている若者も多く、結婚を望んでいても現実には難しい状況が浮き彫りになっています。
この調査結果からは、理想と現実の間にあるギャップがはっきりと見えてきます。結婚を希望する人は多いものの、経済的な負担や出会いの不足が、実際の結婚件数を押し下げている大きな要因となっているのです。
まとめ
この記事のポイントは以下の3つです。
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住宅購入は『50年ローン』『頭金』『ペアローン』『贈与』のキーワードを押さえ、自分に合ったプランを選ぶことが大事
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ローンは変動金利のリスクを理解し、固定費(固定資産税・管理費)も含めてシミュレーションすることが必要
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結婚は「共働き・共育・タイパ重視」が新しい価値観となり、家事や育児の“見える化”が広がっている
20代のうちから人生設計を考えることは、未来の安心に直結します。結婚やマイホーム購入をゴールではなく「人生をどう豊かにするか」という視点で見つめ直すことが、これからの時代には欠かせません。
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