甘党必見!2025年秋の主役「進化系モンブラン」の魅力とは?
「モンブランといえば昔からある栗のケーキ」というイメージを持つ方は多いでしょう。ですが今、そのモンブランが驚くほど進化し、スイーツ好きだけでなく観光客や地域振興の切り札としてまで注目を集めています。特に茨城県笠間市は“モンブランのまち”として全国から話題を呼び、栗を中心にした街づくりに挑戦中です。さらに驚きなのは、うなぎ屋までがモンブランを手がけていること。なぜこれほどモンブランが進化を遂げ、ブームになっているのでしょうか?その背景と魅力をじっくり掘り下げます。
見た目が「体験」になるモンブラン
進化の第一歩は見た目の変化です。細く糸状に絞り出したマロンクリームが芸術的に積み重なり、山のように盛り上がる姿は、まさに食べる前から楽しませてくれる芸術作品。最近は注文を受けてからクリームを絞る「しぼりたてモンブラン」が人気を集め、栗の香りが広がる瞬間までを体験できる演出が加わりました。
さらに、マーブル模様やチョコレートの光沢コーティング、ドーム型の造形など、映えるデザインを取り入れる店も急増。SNSでシェアしたくなる見た目が、モンブランの進化を後押ししているのです。もはや「食べる」だけでなく、「見る」「撮る」「共有する」までがモンブランの楽しみ方になっています。
味と素材に宿るこだわり
見た目だけでなく、味の深化も大きなポイントです。かつてのモンブランは甘さが強いイメージがありましたが、今は栗本来の風味を生かす方向へ進化。特に和栗は品種や収穫時期にこだわり、甘さ控えめで香り高いモンブランが主流になっています。
ホテルニューオータニの『スーパーモンブラン』は、最良の和栗を厳選し、生クリームを最小限にして栗の濃厚さを前面に出した代表例。さらにタルト台やメレンゲ、丸ごとの栗を層に重ねることで、一口ごとに違った味わいが楽しめる工夫がなされています。抹茶やフルーツ、スパイスとの組み合わせも進化形の一つで、例えば「抹茶×栗」の和風モンブランや「チョコ×オレンジ」の洋風アレンジが登場しています。
笠間市が「モンブランのまち」になった理由
茨城県笠間市は全国でも有数の栗の産地。江戸時代から栗の栽培が盛んで、「笠間栗」は甘みと大粒で知られています。その強みを活かして市は「笠間の栗もんぶらり旅マップ」を発行。市内のモンブラン提供店を巡るスタンプラリーを実施し、観光とスイーツを結びつけました。
笠間市には個性的なモンブラン店が点在しています。
・U-A モンブラン café:笠間栗を100%使用。1mmの細さで絞った繊細なペーストは口の中でふわっと溶け、賞味期限はわずか5分。鮮度と技術を極めた一品です。
・楽栗 La Kuri(道の駅かさま内):人気の「楽栗filo」は、パリパリ食感のフィロ生地にマロンクリームを重ねた新感覚モンブラン。観光客でも気軽に楽しめるのが魅力です。
・栗のいえ:古民家を改装した風情ある店舗で、あえて絞らない「こぼれモンブラン」が名物。山盛りのクリームがこぼれる迫力が行列を呼んでいます。
・kasamarron café:栗農家が自ら営むカフェ。収穫から加工まで一貫して手がけ、低温熟成した栗の旨みをダイレクトに味わえます。
こうした店が街に点在することで、笠間市全体が“モンブランのテーマパーク”のような存在になり、観光客を呼び込む原動力になっています。
うなぎ屋が挑んだ「ほぼ栗モンブラン」
進化の象徴といえるのが、笠間市のうなぎ料理店量深。この店は伝統的なうなぎ料理で知られていますが、近年はモンブランブランド「笠間マロン堂」を立ち上げました。
看板メニューは「ほぼ栗モンブラン」。名前の通り、栗の割合を極限まで高めた濃厚な一品です。2025年秋には笠間産の新栗を贅沢に使った「新栗芳醇モンブラン」も登場し、季節ごとに素材を変えて挑戦を続けています。抹茶との組み合わせによる「ほぼ栗抹茶モンブラン」など、和の要素を取り入れた限定品も人気を集めています。
「うなぎ屋がなぜスイーツを?」と驚かれるかもしれません。しかし、地元の栗を活かし、業界の応援も兼ねた取り組みという背景を知ると、その挑戦は納得感のあるものに。伝統と革新が同居する、まさに笠間ならではの物語です。
モンブランが進化を続ける理由
ここまで紹介してきた背景を整理すると、進化の理由は大きく4つに分けられます。
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映える見た目と体験性:しぼりたて演出や断面の美しさがSNS世代に支持されている。
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素材の深化:和栗の魅力を引き出し、多層構造や新素材との組み合わせで新しい味を探求。
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地域性の強調:笠間市のように産地が前面に出ることで「食のストーリー」が生まれる。
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消費者ニーズの変化:定番に新しさを加えることが求められ、秋限定やイベント商品としてブームが継続。
さらに、モンブランは“遊びの余地”が大きいスイーツでもあります。形を変えても「モンブランらしさ」が残るため、職人が新しい挑戦をしやすい土壌が整っているのです。
まとめ
2025年、モンブランは単なる栗のケーキから「進化系スイーツ」へと姿を変えました。そこには職人の技術、地域の誇り、そして消費者の「驚きたい」という欲求が重なっています。次にモンブランを味わうとき、見た目や味だけでなく、その背後にある物語に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
番組放送後には、実際に紹介された店舗や最新の限定モンブランを追記し、さらに詳しい情報をお届けします。
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