五感消費とSNSが後押しするオノマトペの力
番組が示した2026年の大きな流れは、五感消費がさらに強まるという点でした。価格やスペックだけでなく、見た目、触った感じ、噛んだ時の感覚、体の動きまで含めて「どう感じるか」で選ばれる時代です。
この流れの中で、オノマトペはとても相性の良い言葉として扱われていました。短い音なのに、読むだけで感覚が浮かびやすく、説明を省いても伝わります。
SNSでは、写真や動画に添える言葉が重要になりますが、長い文章よりも一言で印象を決める表現が求められます。『エッホエッホ』が話題になったのも、動きや気分を音でそのまま共有できたからです。
番組では、こうした背景から、オノマトペが流行語だけで終わらず、生活の中に定着していく可能性が高いと伝えていました。
コスメ売り場で広がる「つやぷる」「もちぷる」
化粧品売り場は、オノマトペの力が最も分かりやすく表れる場所です。番組で紹介された『つやぷる』『もちぷる』は、音の組み合わせで質感を立体的に伝えています。
『つや』は光や見た目の印象、『ぷる』は水分感や弾力を表します。この二つを重ねることで、仕上がりのイメージが一気に具体化します。
実際に触れなくても、言葉を見ただけで肌の感じが想像できるため、売り場だけでなくSNS投稿とも相性が良いと説明されていました。
番組では、こうしたオノマトペが、購入前の不安を減らし、選びやすさを高めている点にも触れられていました。
生成AIも使われるオノマトペ開発の現場
番組の中で印象的だったのは、オノマトペが自然発生だけでなく、意図的に作られているという話です。
韓国のコスメブランドを日本で展開するメーカーでは、『ぷる』から『ちゅる』へと、わずかな音の違いで印象を調整しています。この工程で生成AIが使われていることも紹介されました。
多くの候補を出し、その中から感覚に合う言葉を選ぶ作業は、人の感性とAIの組み合わせだからこそ効率よく行えます。
番組では、オノマトペが商品開発の一部として扱われ、ブランドの世界観を作る重要な要素になっている現状が伝えられていました。
麺ブームを支える「ワシワシ」「ガシガシ」
食の分野では、麺の世界でオノマトペが存在感を放っています。番組で紹介された神保町のおそば屋さんでは、『ワシワシ』『ガシガシ』という言葉が使われていました。
この表現を聞くだけで、太くて噛みごたえのある麺が想像できます。実際、この店では通常の約2倍の太さの麺を、うどんの製麺機で作っていると説明されました。
『ワシワシ』はもともとラーメンの世界で広がった言葉ですが、満足感を重視する流れの中で、そばやうどんにも使われるようになっています。
番組では、米の価格上昇も背景にあり、そばやうどんが改めて注目されている点も合わせて紹介されていました。
「ゴリゴリ」で伝える武蔵野うどんの個性
埼玉県のうどん文化を伝える場面では、『ゴリゴリ』というオノマトペが使われていました。
武蔵野うどんは、見た目以上に噛みごたえが強いのが特徴ですが、その違いは写真だけでは分かりにくいです。そこで『ゴリゴリ』という言葉が、硬さや力強さを一瞬で伝えます。
番組で紹介されたお店では、麺が太く硬いため、一本ずつ食べる人も多いと伝えられていました。
農作業の合間にしっかりお腹を満たすために生まれた歴史も含め、オノマトペが食文化の背景まで一緒に伝えている点が印象的でした。
ゆる体操とオノマトペが体を動かす理由
番組後半で紹介されたのが、ゆる体操とオノマトペの深い関係です。
教室では、参加者が『ゆるゆる』『ギュー』『フーワー』といった言葉を声に出しながら、ゆっくりと体を動かしていました。
この体操の特徴は、動きを細かく説明するのではなく、音のイメージで体を導く点にあります。
『ギュー』と言えば自然と力が集まり、『フーワー』と言えば息を吐きながら力が抜けていきます。
オノマトペを使うことで、体が言葉につられて動き、無意識のうちに力の入れ過ぎを防ぎやすくなると番組では説明されていました。
ゆる体操には120種類以上の動きがあり、そのほとんどにオノマトペが使われています。
肩こり対策として紹介された『肩ゆっさゆっさ体操』では、肩を揺らす感覚が言葉そのままで伝わり、動きのイメージがつかみやすくなります。
また、『足ねばねば歩き』は、足裏が床に吸いつくような感覚を意識する体操で、気分が落ち着き、イライラした時にも役立つと紹介されていました。
番組では、オノマトペが動きの合図になることで、年齢や運動経験に関係なく取り組みやすい点も強調されていました。
言葉が先にあり、体があとから反応することで、考え過ぎず自然な動きにつながります。
この仕組みが、健康づくりや慢性疲労のケアにもつながっているとして、ゆる体操とオノマトペの相性の良さが伝えられていました。
コメント