寿司が世界を動かす時代、日本の食文化はどこへ向かうのか
このページでは『クローズアップ現代 SUSHI“新時代”〜勃発!世界の寿司ネタ争奪戦〜(2026年1月5日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
世界で広がる寿司ブームは、日本の誇る食文化を強く後押しする一方で、魚をめぐる新たな課題も生み出しています。高級化が進む寿司、海外からの買い付け、若者の働き方、地域ブランドの挑戦まで、この番組が描く「SUSHI新時代」から、日本の食の未来を考えていきます。
世界で広がる寿司ブームと『OMAKASE』の衝撃
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世界各地で寿司は、ただの日本食ではなく「特別な体験」として受け止められるようになっています。その象徴が『OMAKASE』です。職人がその日いちばん良い魚を選び、順番や流れまで考えて提供するこのスタイルは、料理そのものだけでなく、時間や空気も含めて味わうものとして人気が高まっています。
1人4万円を超える価格でも選ばれる背景には、「同じものは二度と食べられない」という価値があります。季節や天候、水揚げ状況によってネタは変わり、その瞬間にしか成立しない組み合わせが生まれます。
この高級化は、寿司の評価を世界的に押し上げる一方で、使われる魚の基準を一気に引き上げました。量より質が重視され、最高ランクのネタに需要が集中します。その結果、寿司ブームは静かに、しかし確実に「ネタ争奪戦」へと姿を変えていきます。
豊洲市場に集まる海外の買い付けとネタ高騰
豊洲市場は、日本の水産物が集まる中枢です。ここで評価された魚は、国内の寿司店だけでなく、世界の高級店へと流れていきます。番組では、ドバイや香港といった都市から、最高ランクのネタを狙って買い付けが入っている現状が描かれます。
海外の需要が加わることで、競りの場は一気に国際市場の色合いを帯びます。価格は需要に正直に反応し、良い魚ほど値が跳ね上がります。
その影響を強く受けるのが、日本国内の寿司店です。これまで仕入れられていたネタが手に入らなくなったり、仕入れ価格が経営を圧迫したりする店も出てきています。寿司ブームの裏で、現場が抱える緊張感が高まっていることが、この回の重要なポイントです。
水産資源の海外流出と寿司職人の危機感
2025年、寿司職人たちが水産資源の海外流出への懸念を国に提言しました。背景にあるのは、「今の流れが続いたとき、日本に魚は残るのか」という率直な不安です。
魚は自然の資源であり、無限ではありません。世界的な寿司ブームによって需要が急増すれば、その分だけ資源への負荷も大きくなります。番組には日本サステナブルシーフード協会代表 鈴木允さんが出演し、持続可能な水産物という視点から現状を見つめます。
寿司は文化であり、同時に産業です。目の前の利益だけでなく、将来にわたって魚を守れる仕組みがあるのか。この問いは、寿司職人だけでなく、食べる側にも突きつけられています。
海外移住の切り札として注目される『SUSHIシェフ』
寿司ブームは、人の動きにも大きな変化をもたらしています。番組では、海外移住の切り札として『SUSHIシェフ』を目指す若者が急増している現状が紹介されます。
世界の都市で寿司は高級料理として位置づけられ、職人の技術そのものが価値になります。言葉や文化の壁があっても、握りの技や魚の扱い方が評価されるため、仕事としての可能性が広がっています。
一方で、日本国内では職人の高齢化や後継者不足が進んでいます。若者が海外を目指す流れは、新しいチャンスであると同時に、日本の寿司文化をどう残すかという課題も浮かび上がらせます。
『寿司県』富山が描く地域ブランドの挑戦
富山県は「寿司県」を宣言し、寿司を軸にした地域ブランドづくりを進めています。新鮮な魚に恵まれた土地の強みを前面に出し、観光だけでなく、誇りとしての寿司を育てようとしています。
この取り組みは、単なる宣伝ではありません。寿司を通じて人を呼び、地域で食を支える仕組みを作ることが目的です。地元の魚をどう活かし、次の世代につなげるかが重要になります。
世界で寿司が注目される今だからこそ、地方からの発信が意味を持ちます。富山の挑戦は、寿司の未来を考える上で欠かせない視点です。
SUSHI新時代が問いかける日本の食文化の未来
寿司の高級化、ネタ争奪戦、水産資源の問題、人の移動、地域ブランド。番組はこれらを一つの流れとして描きます。
寿司は世界に広がり、日本の存在感を高めました。しかしその一方で、守るべきものと向き合う時代に入っています。
SUSHI新時代とは、ただ広がることではなく、どう続けるかを問う時代です。この番組は、寿司を通して、日本の食文化がこれから進む道を静かに示しています。
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