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NHK【クローズアップ現代】緊急検証“過去最悪”のクマ被害 ガバメントハンター・秋田2000件目撃・豊作凶作サイクルの真実|2025年11月19日

クローズアップ現代

緊急検証“過去最悪”のクマ被害とは?いま私たちが直面している危機

2025年11月19日放送のクローズアップ現代では、ことし全国で深刻化している『クマ被害の異常事態』を取り上げました。特に秋田県では10月だけで約2000件もの目撃情報が寄せられ、2023年に続き、都市部にまでクマが入り込むケースが増えています。山ではなく、人が暮らす生活圏にクマが姿を見せることで、住民の安全だけでなく、地域の経済活動にまで影響が広がっています。この記事では、番組で描かれたすべてのエピソードをもとに、現在起きている状況と今後必要な取り組みを整理します。

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市街地でクマに襲われた重大事故

2024年10月24日、秋田市で4人が死傷する痛ましい事故が起きました。農作業中の夫婦がクマに襲われ、近所の親子が助けに向かった際、38歳の息子が亡くなりました。死因は顔の深い傷による『低酸素脳症』でした。さらに事故の約1時間前、すぐ近くだった場所でも男性が襲われていました。その男性は車のクラクションで追い払おうとしましたが、クマは逃げるどころか向かってきたと話しています。恐怖を感じながらも証言しており、現場の緊迫感が伝わる内容です。

クマが人を恐れなくなっている背景

駆除に向かった猟友会や警察十数人が対峙した際も、クマはほとんど動じなかったと言います。クマの行動が変化している理由は、ブナの実の豊作と凶作のサイクルにあるとされています。20年以上の調査から、このサイクルが近年変わり始めており、とくに「豊作の翌年の凶作」は最も警戒すべき年と専門家が指摘。2025年がまさにその年にあたり、餌を求めてクマが生活圏へ降りるケースが急増しました。

経済への影響と地域の変化

クマが生活圏に入り込むようになると、人々の移動が制限され、外出を控える住民が増えます。番組では、秋田放送局の清水記者が取材でクマよけの鈴を鳴らしながら通勤する様子が紹介されました。本人は「町中に刃物を持った人が潜んでいるような感覚だ」と話し、日常生活への負担の大きさがわかります。さらに、保育園や駅周辺(花巻市立笹間保育園秋田駅など)にも緊張感が高まっており、地域の子どもたちの生活にも影響が及んでいます。

冬眠しないクマはいるのか?専門家の見解

東京農工大学森林総合研究所が行った調査では、国内で冬眠しないクマは確認されていないとしつつ、冬眠が遅くなる可能性は高いと指摘されました。暖冬や餌不足が重なるとクマの行動時期が変わり、人との接触リスクが増えます。特に秋田県、岩手県、北海道など、クマが出没しやすい地域では注意が必要です。

猟友会の限界と「ガバメントハンター」の必要性

自治体からの依頼を受け、現場では猟友会が駆除に奔走しています。しかし、その活動には限界が近づいています。多い日には1日10件以上の通報が入り、昼夜問わず駆除に対応。ハンターの多くは別の仕事を抱えつつ活動しているため負担が大きく、報酬も1頭あたり約8000〜10000円と厳しい条件です。アメリカでは自治体職員が駆除にあたる仕組みが一般的で、日本でも同様に専門人材を育成する『ガバメントハンター』の導入が鍵になると専門家は語っていました。

来年は豊作、その次はまた警戒が必要

秋田県のブナの実の調査では、来年(2026年)は豊作になる見込みです。しかしその翌年は凶作になる可能性が高く、今年のような被害が再び起きるリスクがあります。専門家は、今のうちから継続的な対策が必要だと強調しています。地域社会が安心して暮らせる未来をつくるためには、科学的データに基づいた長期的な取り組みが欠かせません。

まとめ

2025年のクマ被害は、これまでの常識が通じない「生活圏への侵入」が特徴です。事故の増加、経済への影響、そして猟友会の負担増など、課題は各地で山積みです。専門家は、来年以降も油断できない状況が続くと話しており、自治体・住民・企業が一体となって対策を整えていく必要があります。クマと人が安全に暮らせる社会をつくるための議論が、いま求められています。


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