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NHK【未来予測反省会】2020年ごろ東京に1,000mの超高層ビルが建つ|空中都市計画と採算性の壁・なぜ実現しなかったのか

未来予測反省会

東京に1000mビルが建たなかった本当の理由

東京には300mを超える超高層ビルが完成しています。それでも、かつて予測された高さ1000mのビルは実現していません。

『未来予測反省会「2020年ごろ東京に1,000mの超高層ビルが建つ」(2025年11月18日放送)』でも、この壮大な未来予測が取り上げられました。

技術不足だけが原因ではなく、土地、建設費、エレベーター、収益性など、現実的な問題が複雑に関係しています。

この記事でわかること

  • 東京に1000mビルが建たなかった理由
  • スカイシティ1000が目指した都市像
  • 日本の超高層ビルが高くなった背景
  • 将来1000mビルが建つ可能性

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東京に1000mビルが建たなかった理由は技術だけではない

東京に1000mビルが建たなかった大きな理由は、技術的にまったく造れなかったからではありません。

問題となったのは、主に次の5つです。

  • バブル崩壊後に巨額の資金を集めにくくなった
  • 東京都心で広大な敷地を確保しにくい
  • 地震や強風に耐える構造が必要になる
  • エレベーターが建物内部の広い面積を占める
  • 1000mの1棟より中規模の複数棟の方が収益化しやすい

高さ1000mまで建物を伸ばすことは、建築技術だけを考えれば不可能とは言い切れません。

しかし、建物は完成すれば終わりではなく、オフィスや住宅、ホテル、商業施設などを入れ、長期間にわたって運営する必要があります。

どれほど目立つ建物でも、使える床面積が少なかったり、建設費を回収できなかったりすれば、事業として成立しません。

個人的には、ここがいちばん重要だと感じます。1000mビルが実現しなかったのは、夢を支える技術がなかったというより、夢を事業として成立させる条件がそろわなかったからです。

1990年代に東京1000mビルが予測された背景

1000mビルの予測が生まれた背景には、日本の超高層建築が急速に成長していた時代の勢いがあります。

日本では長い間、地震への不安や建築物の高さ制限により、欧米のような高層ビルを建てることが難しいと考えられていました。

ところが、1968年に高さ147mの霞が関ビルディングが完成します。

その後、1978年には高さ約240mのサンシャイン60、1993年には高さ296mの横浜ランドマークタワーが完成しました。

数十年の間に、日本一高いビルの高さが大きく伸びたのです。

この流れを単純化すると、次のようになります。

時代 代表的な高さ
1930年代 約30m
1960年代 約100m
1990年代 約300m
2020年代の予測 約1000m

およそ30年ごとに建物の高さが約3倍になっていることから、2020年代には1000m級へ到達するのではないかと考えられました。

この考え方が、番組で紹介された尾島の法則です。

過去の数字だけを見ると、1000mという予測も突拍子のないものには見えません。実際、1990年代に300m近いビルが完成していたなら、その30年後を1000mと考えたくなる気持ちはよくわかります。

ただし、建物は高くなるほど、同じ割合で簡単に成長できるわけではありません。300mから1000mへの変化には、それまでとは桁の違う費用と都市計画が必要になります。

スカイシティ1000とはどのような計画だったのか

スカイシティ1000は、竹中工務店が1980年代末に発表した高さ1000mの縦型都市構想です。

普通の超高層オフィスビルをそのまま上へ伸ばす発想ではありません。

建物の中に住宅や職場、商業施設、学校、公園に相当する空間などを配置し、ひとつの巨大な都市として機能させることが想定されていました。

つまり、スカイシティ1000の「シティ」は単なる名称ではなく、都市を縦方向に重ねるという考え方を表しています。

広い土地を平面的に使うのではなく、限られた場所に都市機能を集約できれば、土地不足や通勤時間、環境問題を改善できる可能性があります。

構想の背景にあったのは、当時の東京が抱えていた次のような課題です。

  • 都心の土地不足と地価上昇
  • 郊外へ市街地が広がることによる長時間通勤
  • アスファルトや建物の増加によるヒートアイランド
  • 建物の建て替えで発生する大量の廃棄物
  • 職場と住宅が離れている都市構造

スカイシティ1000は、高さを競うためだけの計画ではなく、こうした都市問題を建築によって解決しようとした構想でした。

初めて知ると少し驚きますが、現在の「職場、住宅、商業施設、緑地をひとつの街にまとめる」という複合開発にも通じる考え方があります。

バブル時代に巨大建築構想が次々と生まれた理由

1980年代後半から1990年代にかけては、竹中工務店だけでなく、複数の大手建設会社が超巨大建築を構想していました。

大林組のエアロポリス2001は、高さ2001m、500階という巨大な空中都市を想定した計画です。

このほかにも、1000mを超えるものや、山のような形をした数千m級の建築構想が発表されました。

これらの多くは、実際の着工を前提に設計図や資金計画がすべて固まっていた建設計画というより、将来の都市や建築技術を考えるための提案でした。

それでも、大手建設会社が競うように巨大構想を発表したことには意味があります。

巨大建築を考える過程では、次のような技術の研究が必要になるからです。

  • 高層階まで人を運ぶ交通システム
  • 風や地震への対策
  • 火災時の避難方法
  • 上空へ水や電気を届ける設備
  • 建物内部の換気や温度管理
  • 巨大空間の施工方法

実際に1000mビルが建たなくても、研究の中で生まれた考え方が、その後の超高層ビルや大規模再開発に生かされる可能性があります。

夢物語に見える構想にも、技術開発の方向を示す役割があったと考えると、見方が少し変わります。

バブル崩壊が1000mビル計画に与えた影響

1000m級の巨大建築を実現するには、土地の取得費だけでなく、設計、材料、施工、設備、周辺インフラの整備に莫大な費用がかかります。

ところが、1990年代初めにバブル経済が崩壊しました。

地価や不動産価格が下落し、企業は大規模な投資に慎重になります。金融機関も、採算性が不透明な巨大開発へ簡単に融資できる状況ではなくなりました。

通常の超高層ビルであれば、一定のテナント需要や賃料を想定して投資額を計算できます。

しかし、前例のない1000mビルでは、完成までの期間も長くなります。計画中に景気、金利、人口、働き方が変化する可能性も無視できません。

1000mビルには、建物そのものだけでなく、駅や道路、電力、上下水道などの周辺整備も必要です。

たしかにこれは、1社の建設会社や不動産会社だけで判断できる規模ではありません。国や自治体、鉄道会社、金融機関など、多くの関係者が長期的な目的を共有する必要があります。

東京都心では1000mビルに必要な敷地を確保しにくい

細長い棒のような建物を、狭い土地にそのまま1000mまで伸ばせるわけではありません。

超高層ビルでは、高さに対して建物の幅が細すぎると、風や地震による揺れの影響が大きくなります。

建物の高さと幅の関係を示す考え方のひとつが塔状比です。一般的に、高さに比べて幅が狭くなるほど、構造設計の難しさが増していきます。

1000mビルを安定させるには、強固で大きな基礎や、建物を支える幅のある構造が必要です。

さらに、建物の周囲には次のような場所も求められます。

  • 歩行者が移動する空間
  • 緊急車両が入る動線
  • 駅や道路との接続部分
  • 避難場所や公開空地
  • 工事資材を運び込むスペース
  • 周辺への風の影響を抑える空間

東京都心には大きな建物を建てられる場所がありますが、土地の権利関係は複雑です。

複数の土地や建物をまとめて再開発するには、所有者や借地人、店舗、住民など、多くの関係者との調整が必要になります。

実際に建設場所を考えるなら、建物の高さだけでなく、必要な敷地を一体で確保できるかを確認したいところです。

地震よりも強風への対策が大きな課題になることもある

日本の超高層ビルと聞くと、最初に地震が心配になります。

もちろん耐震性は重要ですが、高さが増すほど日常的に受け続ける風の影響も大きくなります。

高層階では地上より風が強く、建物がゆっくりと揺れることがあります。構造上安全であっても、揺れが続けば、室内にいる人が不快感や不安を感じる可能性があります。

そのため、超高層ビルでは建物を単に硬くするだけでなく、次のような方法を組み合わせて揺れを抑えます。

  • 建物の形を工夫して風を受け流す
  • 柱や梁、外周部を強固にする
  • ダンパーで振動エネルギーを吸収する
  • 重りを動かして揺れを打ち消す
  • 建物の用途や設備配置を高さごとに分ける

1000m級になると、地上付近と最上部では風の強さや気象条件が大きく異なります。

完成できる強度があるかだけでなく、そこで働く人や暮らす人が快適に過ごせるかまで考えなければなりません。

個人的には、「倒れないこと」と「安心して毎日使えること」は別の問題だと感じます。超高層ビルを評価するときは、安全性だけでなく揺れへの対策も大切です。

1000mビルではエレベーターが増えすぎる

1000mビルの収益性を下げる大きな要因が、エレベーターの占有面積です。

高層階へ大量の人を運ぶには、多くのエレベーターが必要になります。

しかし、すべてのエレベーターを1階から最上階まで通すと、建物の中央部分が昇降路ばかりになり、オフィスや住宅として使える面積が減ってしまいます。

高層ビルでは、この問題を軽くするために、建物を複数の区画に分ける方法が使われます。

例えば、高速エレベーターで途中の乗り換え階まで移動し、そこから別のエレベーターで目的階へ向かう仕組みです。

鉄道で考えると、各駅停車だけで移動するのではなく、途中まで新幹線や特急に乗り、地域の路線へ乗り換えるイメージに近いでしょう。

ただし、乗り換えを増やせば、移動時間やわかりやすさに別の課題が生まれます。

朝の出勤時間や災害時には、短時間で大勢を移動させる必要もあります。エレベーターは単なる設備ではなく、巨大な縦型都市を動かす交通機関になるのです。

250mビルを4棟建てる方が有利なのか

同じ総床面積を確保する場合、1000mのビルを1棟建てるより、250m前後のビルを複数建てる方が効率的になる可能性があります。

複数棟であれば、建物ごとにオフィス、住宅、ホテルなどの用途を分けられます。

一部の建物を先に開業し、賃料収入を得ながら次の工事を進めることも可能です。

また、建物ごとにエレベーターや設備を設計できるため、1000m級の1棟にすべてを詰め込むより、使いやすい空間を確保しやすくなります。

比較すると、違いは次のようになります。

比較項目 1000mビル1棟 中規模の複数棟
話題性 非常に高い 比較的低い
建設リスク 集中しやすい 分散しやすい
開発期間 長くなりやすい 段階的に進めやすい
エレベーター 複雑になりやすい 比較的整理しやすい
用途変更 難しくなる場合がある 棟ごとに対応しやすい
資金回収 完成まで時間がかかる 順次回収しやすい

世界一の高さを目指すなら1000mの1棟に意味があります。

一方、働きやすさ、建設費、資金回収を重視するなら、複数の建物で街をつくる方が現実的です。

高さだけで都市の価値が決まるわけではないことがよくわかります。

世界ではなぜ800mを超えるビルが建てられたのか

現在、完成している世界一高い建物は、アラブ首長国連邦・ドバイのブルジュ・ハリファです。

高さは828mで、東京の超高層ビルを大きく上回ります。

ブルジュ・ハリファでは、中央のコアを3方向の翼が支えるような構造が採用されています。上へ行くほど段階的に細くなる形も、風の影響を抑えることに役立っています。

中東で超高層ビルが建てられた背景には、単純な床面積の確保だけでなく、都市や国の存在感を世界へ示す目的もあります。

世界一の建物は観光資源となり、周辺のホテル、住宅、商業施設などを含めた地域全体の価値を高める効果が期待できます。

つまり、超高層ビル単体の賃料だけで採算を考えるのではなく、周辺開発への波及効果も含めて計画されているのです。

高さを国や都市のブランドづくりに利用できる場所では、巨大な投資を行う理由が生まれます。

東京の場合は、すでに交通網や商業施設、企業、観光資源が集積しています。世界一の高さを実現するためだけに、大きなリスクを取る必要性は中東の新興開発地域とは異なります。

1000mを超えるジェッダ・タワーは完成するのか

サウジアラビアでは、1000mを超える計画のジェッダ・タワーが建設されています。

完成すれば、ブルジュ・ハリファを抜いて世界一高い建物になる予定です。

工事は一時中断していましたが、その後再開され、2028年の完成を目指す計画が伝えられています。

ただし、巨大建築では工期の変更が珍しくありません。資金、資材、施工条件、周辺開発の進捗などによって完成時期が変わる可能性があります。

そのため、「2028年には必ず1000mビルが完成する」と決めつけるのではなく、建設の進捗と事業者の最新発表を確認する必要があります。

たしかに1000m超えという数字には目を奪われますが、着工したことと予定どおり完成することは別です。過去に中断を経験した計画だからこそ、完成時期だけでなく工事の進み方を見ることが大切です。

日本一高いビルは麻布台ヒルズ 森JPタワー

日本で最も高いビルは、東京・港区にある麻布台ヒルズ 森JPタワーです。

公表資料によって高さが約325mまたは約330mと表記されることがありますが、これは高さの算定方法や数値の丸め方などによる違いです。

地上64階、地下5階の建物で、オフィスのほか、商業施設、医療施設、学校などを含む麻布台ヒルズの中心的な建物です。

麻布台ヒルズは、1棟の高層ビルだけを建てるのではなく、住宅や店舗、文化施設、緑地などを一体的に整備しています。

これは、かつてのスカイシティ1000が描いた「都市機能を集約する」という考え方を、現代の事業として成立する規模に落とし込んだ形ともいえます。

1000mには届いていませんが、暮らす、働く、買い物をする、学ぶ、休むという機能を近くにまとめる方向性は受け継がれています。

2028年完成予定のTorch Towerは高さ約385m

東京駅の北側に位置するTOKYO TORCH地区では、Torch Towerの建設が進められています。

計画上の高さは約385mで、2028年の完成を予定しています。

完成すれば、麻布台ヒルズ 森JPタワーを上回り、日本一高いビルになる見込みです。

Torch Towerには、オフィス、ホテル、商業施設、展望施設などが入る計画です。

上層部には、地上約300m付近で自然を感じられる空間としてSKY HILLが設けられる予定です。

一般的な超高層ビルでは、上層部ほど閉ざされた室内空間になりやすいものです。その高さに緑や開放的な場所をつくる点は、単純に高さを競うのとは違う魅力があります。

個人的には、385mという数字以上に、上空の空間を人がどう過ごせる場所にするのかが気になります。高層ビルの価値は、外から眺めた高さだけでなく、中で過ごす体験によっても変わるからです。

日本の高層ビルを可能にした柔構造とは

日本で超高層ビルの建設が進んだ大きな理由のひとつが、柔構造の考え方です。

建物をただ硬く固めて地震に抵抗するのではなく、ある程度しなやかに揺れることで、地震の力を逃がします。

1968年に完成した霞が関ビルディングでは、この柔構造理論が取り入れられました。

それ以前の日本では、地震が多い国で100mを超えるビルを建てることは難しいと考えられていました。

しかし、地震の揺れを計算する技術やコンピューター、鉄骨の加工技術などが進歩し、日本でも本格的な超高層建築が可能になったのです。

現在では、柔構造の考え方に加えて、揺れを吸収するダンパーを用いた制震構造や、地面の揺れを建物に伝えにくくする免震構造なども使われています。

建物を高くできたのは、柱を太くしただけではありません。地震の力をどのように受け、逃がし、吸収するかという考え方が進化した結果です。

百尺規制が東京の建物を約31mに抑えていた

かつて日本の都市部では、建物の高さを100尺、約31mまでに抑える制限がありました。

このため、戦前から戦後しばらくの東京では、街の建物の高さがおおむねそろっていました。

限られた高さの中で床面積を増やそうとすれば、1階あたりの高さを抑えたり、敷地いっぱいに建物を広げたりする必要があります。

その後、建築基準法の改正によって、高さを一律に制限する考え方から、敷地面積に対してどれだけの床面積を設けられるかを示す容積率を中心とした考え方へ変わりました。

これにより、敷地の一部を広場などとして開放し、その代わりに建物を高くするといった都市開発が進めやすくなりました。

霞が関ビルディングは、こうした制度と耐震技術の変化を象徴する建物です。

フランク・ロイド・ライトも1600m級ビルを構想していた

超巨大建築を構想したのは、日本の建設会社だけではありません。

近代建築の巨匠として知られるフランク・ロイド・ライトは、1956年に「ジ・イリノイ」と呼ばれる高さ1マイルの超高層ビルを提案しました。

1マイルは約1609mです。

当時の技術で実際に建設できる計画ではありませんでしたが、巨大な敷地を郊外へ広げるのではなく、多くの人や機能をひとつの垂直都市にまとめる発想が示されていました。

現代でも、高層建築には同じ問いがあります。

都市を横へ広げるのか、それとも上へ伸ばすのか。

上へ伸ばせば土地を集中的に使えますが、移動、避難、設備、日照、風、費用などの問題が生まれます。

横へ広げれば建設しやすい一方、道路や鉄道などのインフラが広範囲に必要となり、移動距離も長くなります。

1000mビルの構想は、単に「どこまで高くできるか」を競うものではなく、都市をどのような形にするのがよいかを考える実験でもあったのです。

1000mビルで東京の環境問題は解決できるのか

1000mビルに都市機能をまとめれば、郊外への市街地拡大を抑えられる可能性があります。

職場と住宅が近くなれば、通勤距離が短くなり、移動による負担も減らせるかもしれません。

一方で、巨大な建物を建てるためには大量の鉄やコンクリートが必要です。建設時に使うエネルギーや、完成後の空調、照明、エレベーターの電力も考えなければなりません。

建物を集約しただけで、必ず環境負荷が小さくなるとは限らないのです。

確認したいのは、次のような点です。

  • 建設時にどれだけの資材とエネルギーを使うのか
  • 長期間使い続けられる設計になっているか
  • 建て替えや改修に対応できるか
  • 再生可能エネルギーを利用できるか
  • 周辺の道路や公共交通にどのような影響があるか
  • 強風や日影など周辺環境への影響を抑えられるか

環境に良いかどうかは、高いか低いかだけでは判断できません。

建物の寿命や使い方、移動手段、周辺地域との関係まで含めて考える必要があります。

将来東京に1000mビルが建つ可能性はある?

将来、東京に1000mビルが建つ可能性を完全に否定することはできません。

構造技術、建設ロボット、新素材、エレベーター、エネルギー設備などが進歩すれば、現在より建設しやすくなる可能性があります。

ただし、技術が進歩しただけでは実現しません。

少なくとも、次の条件が必要になります。

  • 1000mにする明確な目的がある
  • 巨額の建設費を回収できる
  • 広い敷地を確保できる
  • 交通や避難の仕組みを整えられる
  • 地震や強風への安全性を証明できる
  • 長期にわたる需要を見込める
  • 周辺地域に与える影響について合意を得られる

人口が減少する日本では、単純に床面積を増やすためだけの1000mビルは必要性を説明しにくいでしょう。

一方で、世界的な研究拠点や国際交流の中心、防災機能を備えた縦型都市など、1000mでなければ実現できない目的が生まれれば、再び検討される可能性はあります。

実現の鍵は「造れるか」よりも、なぜ1000mでなければならないのかを示せるかどうかです。

1000mビル構想から見えてくる東京の未来

東京に1000mビルが建つという予測は、2020年ごろには実現しませんでした。

しかし、予測がすべて外れたと片づけることもできません。

高さ300mを超える麻布台ヒルズ 森JPタワーが完成し、約385mのTorch Towerも建設されています。

住宅、オフィス、商業施設、文化施設、緑地をひとつの地域に集約する考え方も、現在の大規模再開発に取り入れられています。

実現しなかったのは1000mという数字であり、縦方向に都市機能をまとめる発想そのものは形を変えて続いています。

1000mビルを考えるときは、世界一の高さだけに目を向けるのではなく、そこで人がどう働き、暮らし、移動するのかを見ることが大切です。

巨大な建物が未来的に見えるかどうかより、毎日使う人にとって安全で快適か、建設費に見合う価値があるか、周辺の街を豊かにできるか。

その条件を満たしたとき、1000mビルは空想ではなく、現実の都市計画として再び検討されるのかもしれません。

参考リンク


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