モバイル機器が突然発火!?多発する“リチウムイオン電池火災”|2025年2月25日放送
スマートフォン、モバイルバッテリー、ワイヤレスイヤホンなど、身近な電子機器に使われているリチウムイオン電池。便利な一方で、近年、発火事故が急増しています。東京都の消防庁によると、リチウムイオン電池が関係する火災は過去10年間で5倍に増加し、令和5年には167件が発生しました。
特に深刻なのがごみ処理施設での火災です。リチウムイオン電池が一般ごみに混ざることで、収集・処理の過程で衝撃を受けたり圧力がかかったりして発火する事故が相次いでいます。先月、埼玉県のごみ処理施設では、リチウムイオン電池が原因とみられる火災で稼働が停止する事態に。
リチウムイオン電池の事故を防ぐためには、正しい使い方や適切な捨て方を知ることが重要です。本記事では、リチウムイオン電池の発火原因、安全に使う方法、適切な廃棄方法について詳しく解説します。
リチウムイオン電池が発火する原因
リチウムイオン電池の発火は、主に次の3つの原因で起こります。
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衝撃や圧力による内部ショート
スマホやモバイルバッテリーを落としたり、圧迫したりすると、内部の電極がショートして発火することがあります。ポケットに入れたまま座る、カバンの中で硬いものとぶつかるといった行動もリスクになります。 -
不適切な充電による過熱
- 非純正の充電器や安価な充電ケーブルを使う
- 充電中に布団や枕の上に置くなど、熱がこもる環境で充電する
- 充電しながらゲームや動画視聴を長時間行う
これらは、バッテリーに大きな負担をかけ、発熱・発火のリスクを高めます。
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バッテリーの劣化や欠陥
- 長期間使用し、バッテリーが劣化している
- スマホの裏蓋が浮いている(バッテリー膨張のサイン)
- 充電していないのに異常に発熱する
- メーカーのリコール対象となっているバッテリーを使い続けている
特に、インターネット通販で購入した粗悪な互換バッテリーは、品質基準を満たしていないものがあり、発火リスクが高まります。
安全に使うためのポイント
リチウムイオン電池の発火事故を防ぐためには、日頃の使い方が大切です。
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取扱説明書をよく読む
メーカーが推奨する使用方法を守り、無理な使い方をしないようにしましょう。 -
純正の充電器・バッテリーを使用する
互換バッテリーや安価な充電器は発火のリスクが高いため、メーカー純正品を使用するのが安全です。 -
充電しながらの使用を控える
充電しながらスマホを使うと、バッテリーが過熱しやすくなります。特にゲームや動画視聴はバッテリーの負担が大きいため、控えましょう。 -
充電環境を整える
- 充電中は通気性の良い場所を選ぶ
- 可燃物の近くに置かない
- 直射日光の当たる場所や高温の車内で充電しない
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異常があればすぐに使用を中止
- バッテリーが膨張している
- 異常に発熱している
- 充電が異常に遅い、または急激に減る
こうした症状が出た場合は、すぐに使用をやめ、メーカーや販売店に相談しましょう。
正しい廃棄方法
リチウムイオン電池は、普通ごみに捨てると火災の原因になります。必ず適切な方法で処分しましょう。
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自治体のルールに従って捨てる
リチウムイオン電池は、多くの自治体で「有害ごみ」や「資源ごみ」として扱われています。回収方法は自治体ごとに異なるため、自治体のホームページなどで確認してから処分しましょう。 -
家電量販店やホームセンターの回収ボックスを利用する
使わなくなったバッテリーは、家電量販店やホームセンターなどのリサイクル協力店に持ち込むのが最適です。 -
絶縁処理をする
バッテリーの端子部分をビニールテープで覆い、ショートを防ぐ処理を行いましょう。特に、モバイルバッテリーやワイヤレスイヤホンのバッテリーは金属部分がむき出しになっていることがあるため、注意が必要です。
事故を防ぐためにできること
日常生活の中で、リチウムイオン電池による事故を防ぐために、次のことを意識しましょう。
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バッテリーの異常を定期的にチェックする
- バッテリーが膨張していないか
- 異常な発熱がないか
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古くなったバッテリーは早めに処分する
- 劣化したバッテリーを使い続けると発火の危険がある
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メーカーのリコール情報を定期的に確認する
- 問題のあるバッテリーを回収・交換してもらうことで、事故を未然に防げる
正しい使い方と適切な廃棄を心がけることで、リチウムイオン電池の事故を防ぐことができます。
まとめ
リチウムイオン電池は便利な一方で、誤った使い方をすると発火のリスクが高まります。適切な使用方法と廃棄方法を守ることで、事故を防ぐことができます。 スマホやモバイルバッテリーを安全に使用し、不要になったバッテリーは一般ごみに捨てず、適切にリサイクルしましょう。
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