甘くてしょっぱい恋の味?ブラジルの『ロミオとジュリエット』に注目!
恋愛物語のタイトルがついたお菓子――その響きだけでも気になりますよね。南米ブラジルには、『ロミオとジュリエット(Romeu e Julieta)』という名のスイーツがあります。名前の通り、対照的なふたつの素材がぴったり寄り添う、まるで恋人同士のようなお菓子です。10月20日放送の『グレーテルのかまど』では、瀬戸康史さん演じるヘンゼルがこのスイーツ作りに挑戦。サンバの音楽に包まれながら、愛と調和をテーマにした甘くロマンチックな時間が流れます。今回は放送前に、このお菓子の魅力を少しだけ覗いてみましょう。
ロミオ=チーズ、ジュリエット=グアバペースト
ブラジルの『ロミオとジュリエット』は、白くて塩気のあるミナスチーズ(Queijo Minas)と、赤くて濃厚なグアバペースト(Goiabada)を重ね合わせたスイーツ。紅白のコントラストが美しく、見た目からも“恋の物語”を感じさせます。
チーズのほのかな塩味と、グアバの甘酸っぱさが溶け合う瞬間は、まさに恋のようなバランス。どちらかが強すぎても成立しない絶妙な調和が、このお菓子の魅力です。ブラジルでは「チーズがロミオ、グアバペーストがジュリエット」とされ、恋人たちのように引き立て合う存在として親しまれています。
家庭の食卓でも、レストランのデザートでも登場するほどポピュラーで、特別な日だけでなく日常の中でも愛されるスイーツです。
ブラジルらしい“自由な発想”から生まれた味
『ロミオとジュリエット』が誕生した背景には、ブラジルの多様な食文化があります。
ポルトガルから伝わったチーズ作りの技術と、南米特有のトロピカルフルーツ文化が出会ったことで、この組み合わせが生まれました。起源とされるミナスジェライス州は、古くから酪農が盛んな地域。そこで作られていた白チーズと、保存食として発展したグアバペーストが自然に組み合わされ、家庭の定番デザートになっていきました。
冷蔵庫が普及する前、グアバペーストは果物を長く保存するための知恵。そこにチーズを合わせる発想は、まさに「違うものを組み合わせて新しいおいしさを生む」というブラジルらしい自由な感性から生まれたものです。
やがてこの“甘さと塩気の調和”が人々に広まり、1960年代には食品メーカーの広告をきっかけに「ロミオとジュリエット」という愛の象徴的な名前が定着しました。異なる文化・味・色が溶け合うこのスイーツは、まさにブラジルという国そのものを表しているとも言えます。
番組で紹介された“おうちアレンジ”
『グレーテルのかまど』では、家庭でも簡単に作れる“ロミオとジュリエット”のアレンジが紹介されます。ヘンゼルが挑戦したのは、レモン汁を加えて手作りするフレッシュチーズ。牛乳に少しずつレモン汁を加えて固めると、やわらかくてほんのり酸味のあるチーズができ上がります。
そこに温めたグアバペースト(またはグアバジャムでもOK)を重ねれば、南米らしい情熱の紅白スイーツが完成。
クラッカーにのせれば軽い前菜に、パンに挟めば朝食やティータイムにもぴったり。さらに、ミントを添えると香りが引き立ち、見た目も爽やかに仕上がります。
(※実際の分量や作り方は、放送後に追記予定)
このアレンジのポイントは「ふたつの層」。下にチーズ、上にグアバペーストを重ねることで、まるでロミオとジュリエットが寄り添っているかのような見た目になります。番組ではヘンゼルが楽しそうに作りながら、その美しい色合いと香りを満喫する様子も見どころです。
スイーツがつなぐ“愛のかたち”
ブラジルでは、このお菓子を家族や恋人と分け合って食べる習慣があります。甘さと塩気、赤と白——相反する要素が見事に調和する味わいは、人と人とのつながりを象徴するもの。
まるで日本の“いちご大福”のように、シンプルながら奥深く、どこか懐かしい温かさを感じるスイーツです。
『グレーテルのかまど』では、そんなブラジルの人々の優しさや情熱、そして食を通した文化のつながりを丁寧に描きます。スイーツがただの「お菓子」ではなく、“愛と調和のメッセージ”を伝える存在として紹介されるのです。
きっと放送を見終えたあと、あなたも誰かとこのスイーツを分け合いたくなるはずです。
放送情報
番組名:グレーテルのかまど「ブラジルのロミオとジュリエット」
放送日:2025年10月20日(月)22:00〜22:25
放送局:NHK Eテレ(教育)
出演:瀬戸康史/ナレーション:キムラ緑子
出典:NHK公式サイト『グレーテルのかまど』
(https://www.nhk.jp/p/kamado/)
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