暮らしに北欧のやさしさをプラスしてみませんか?
「北欧の暮らしって、なんだか心地よさそう」と感じたことはありませんか?
でも、いざ取り入れようとすると「うちの家には合わないかも」と迷う人も多いはず。実は、日本の家と北欧インテリアには、驚くほどの共通点があるのです。
この記事では、日本家屋と北欧スタイルの相性から、光と影の使い方、ノルウェー流のおもてなし、スウェーデンの家族の暮らし方まで、日常に心地よさをプラスする具体的なヒントを紹介します。
読めば、明日から自分の部屋でも北欧の温もりを感じられるようになります。
Eテレ【おとな時間研究所】今に生かす古き良き家具|格子戸・欄間・船箪笥が現代インテリアになる日|2025年7月18日
日本の家×北欧インテリアの相性
結論から言えば、日本の家と北欧インテリアは「驚くほど相性がいい」組み合わせです。
北欧のデザインは、厳しい自然環境の中で生まれた実用性と温もりを持っています。寒い冬を快適に過ごすために、機能性・ミニマル・自然素材・明るい色調が重視されます。
一方で、日本の家もまた、自然と共に生きるために生まれた構造をしています。木・紙・畳・障子・縁側といった素材や要素は、季節や光、風を取り入れながら人が快適に過ごすための知恵の結晶です。
たとえば、障子は直射日光をやわらかく拡散させ、室内に穏やかな明るさを生み出します。北欧の人々が白い壁やリネンのカーテンを使って光をやわらげるのと、実は同じ発想なのです。
この2つの文化が融合したスタイルが『ジャパンディ(Japandi)』。日本の静けさと北欧の軽やかさを掛け合わせた空間は、世界中で注目されています。
北欧の家具や照明を取り入れるときは、「日本の素材や空間の良さを壊さないこと」がコツ。
たとえば:
・素材は自然に:畳や和紙の温かさを残しつつ、白樺やオーク、リネンやウールなどの北欧素材を加える。
・色調を明るく:北欧らしい白や淡い木目をベースにして、和の重たさを軽やかに。
・余白を意識:モノを減らすことで光と風が通り、部屋が呼吸できる空間に。
・和洋のバランスを楽しむ:和室に北欧のペンダントライトを下げるなど、「足しすぎない工夫」が鍵。
このように、日本の家に“北欧の心”を少し加えるだけで、落ち着きと明るさを兼ね備えた心地よい空間が生まれます。
北欧の光と影の使い方
北欧では、冬の期間が長く、太陽が出ない日が続くこともあります。だからこそ、光の使い方に対してとても敏感です。
自然光を最大限に生かすために、窓の位置や家具の配置を工夫し、日中のわずかな光を部屋いっぱいに広げる設計がされています。
また、夜は「強い光」ではなく「柔らかい光」を重ねて使うのが特徴です。
北欧の家庭では、天井から照らすライトだけでなく、床やテーブル、壁などに複数の照明を設置します。ランプの光を層のように重ねることで、明るさではなく“あたたかさ”を作るのです。
この発想は、日本の暮らしにもすぐ取り入れられます。
・レースカーテンを使って自然光を柔らかく拡散させる。
・フロアランプやスタンドライトを置いて、照明に立体感を出す。
・壁や天井を明るめの色にして光を反射させる。
・夏は透け感のある布で風と光を通し、冬は暖色の電球で包み込むような明かりを。
光と影が生み出すやわらかな空気感。それは、1日の疲れをやさしくほぐしてくれる「見えないインテリア」です。
ノルウェー流「そこそこのおもてなし」
ノルウェーでは、お客様を招くときに「完璧なおもてなし」を目指さない文化があります。
“kos(コス)”という言葉があり、「心地よく過ごす」「ゆったり楽しむ」といった意味を持っています。これは、北欧のおもてなしの精神そのもの。
つまり、特別な料理を並べたり、家を完璧に整えたりするよりも、「一緒に過ごす時間そのものを大切にする」という考え方です。
例えば、訪問客が来たらコーヒーを淹れて、手作りでも市販でもいいお菓子を少し添える。会話を楽しむことが“最高のおもてなし”なのです。
この「そこそこのおもてなし」は、日本の家庭にもぴったり。
・準備をがんばりすぎず、気軽に人を招けるようにする。
・お菓子は買ったもので十分。気持ちを込めて出すことが大事。
・部屋が少し散らかっていても、そのままでOK。人を迎える勇気が大切。
こうした“ゆとり”の文化があるからこそ、ノルウェーの家庭は居心地がよく、訪れる人もリラックスできるのです。
スウェーデンの家族から学ぶ心地よい暮らし
スウェーデンでは、家族との時間を何よりも大切にします。
家は単なる住まいではなく、「家族の幸福を育む場所」という考え方が根付いています。
特に印象的なのが、毎週金曜の夜に行われる『Fredagsmys(フレーダスミース)』という習慣。
これは、家族みんなでソファに集まり、スナックを食べながら映画を観る“お楽しみタイム”です。
キャンドルを灯し、部屋の照明を少し落とし、心地よい音楽を流す。そんな小さな工夫が、家族の絆を自然に深めていきます。
また、スウェーデンの家庭では、「ordning och reda(整理と秩序)」という言葉が大切にされています。
整った空間は心を落ち着かせ、家族が安心して過ごせる土台になるという考え方です。
日本でも、家族みんなが使いやすい動線や収納を意識するだけで、日々のストレスは大きく減ります。
家族が自然と集まるリビング、片付けやすい家具、あたたかい照明——それだけで暮らしは豊かに変わります。
北欧スタイルのエッセンスを明日から
北欧の暮らしは、「おしゃれな家具」や「高級なインテリア」だけでは語れません。
その根底にあるのは、「自分にとって心地よいことを選び、無理をしない」という考え方です。
北欧の人々は、家にいる時間を大切にし、外の寒さや暗さを「楽しむ」工夫をしてきました。
それは、忙しい現代の日本人にこそ必要な発想かもしれません。
明日からできる小さな北欧習慣を紹介します。
・照明を一つ変えて、あたたかみを足す。
・カーテンをリネン素材にして、自然光を取り込む。
・お気に入りのマグカップでコーヒーを飲む時間をつくる。
・家族で同じソファに座って話す時間を増やす。
こうした小さな変化が、やがて「暮らしを愛する心」を育ててくれます。
まとめ
この記事のポイントは3つ。
・日本の家と北欧インテリアは、自然素材と光を通して調和する。
・北欧の暮らしは、光・時間・家族・おもてなしを「シンプルに楽しむ」発想が基盤。
・小さな工夫を積み重ねるだけで、明日から暮らしが心地よく変わる。
完璧を求めず、自分にとって“ちょうどいい”を見つけること。
それこそが、北欧スタイルの本当の魅力です。
最後に、この記事の内容は番組の内容と異なる場合があります。
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