記事内には、広告が含まれています。

NHK【チコちゃんに叱られる】昔話が“怖い”のにはワケがある! 教訓と教育心理、村社会の知恵に迫る|2025年11月14日★

チコちゃんに叱られる!

なぜ童話や昔話には“怖い話”が多いの?心に残る“恐怖”の正体を探る

子どものころに読んだ『赤ずきん』や『鶴の恩返し』を思い出すと、少しゾッとした記憶がよみがえりませんか?
かわいらしいお話の中に、なぜか怖い場面や悲しい結末が多い…。実はそこには、昔の人たちが子どもに伝えたかった“深い理由”があるんです。

「どうしてわざわざ怖くするの?」「怖い話を聞くと泣いてしまうのに、なぜ残っているの?」――そんな疑問を持ったことがある人も多いでしょう。この記事では、昔話の“怖さ”に隠された教育的・文化的な意味を分かりやすく紹介します。
さらに、11月14日放送の『チコちゃんに叱られる!』ではこのテーマを掘り下げて特集。放送後には番組内容を追記し、チコちゃんの答えや出演者のリアクションもあわせてお届けします。

【チコちゃんに叱られる!】“外郎売”が生んだ早口ことば!のど薬が生んだ江戸の声文化と市川團十郎の物語|2025年10月10日

教訓を伝えるために、あえて“怖く”した

昔話や童話が誕生したのは、まだ学校教育が十分に整っておらず、文字が読めない人が多かった時代です。
そんな社会では、物語こそが「人に何かを教えるための一番わかりやすい手段」でした。親や村の長老たちは、子どもたちに生きる知恵や社会のルールを伝えるために、口で物語を語り継いでいたのです。

しかし、ただ「悪いことをしてはいけません」と言葉で教えるだけでは、子どもはすぐに忘れてしまいます。
だからこそ、人々は“怖さ”を利用しました。恐ろしい結末や強烈な罰を描くことで、「やってはいけないこと」を体に刻みつけたのです。

たとえば『舌切りすずめ』では、欲を出してスズメの家に押しかけた老婆が恐ろしい報いを受けます。『赤ずきん』では、言いつけを破って森に入った少女がオオカミに食べられます。
これらの物語は、単に恐怖を楽しむためではなく、「約束を守ること」「欲張らないこと」という教訓を、感情を通して記憶させる“教育の物語”でした。

民俗学の視点から見ても、こうした「怖い昔話」には“行動の抑止力”としての役割があります。人は、痛みや恐怖を伴う体験ほど強く覚えるもの。昔話は、恐怖を使って人の心に道徳を刻み込んだ“記憶の物語”でもあったのです。

怖い話が“社会の秩序”を守ってきた

もう一つの理由は、昔の村社会における“秩序の維持”です。
かつての日本では、村の中でお互いに助け合って生きることが当然とされていました。みんなが同じルールを守り、協調することで初めて共同体が成り立っていたのです。

そんな社会では、「人と違うこと」「ルールを破ること」は大きな問題でした。
そのため、昔話の中では「わがままな人」や「調子に乗った人」が恐ろしい目にあう展開が多く登場します。
たとえば『雪女』では、妻との約束を破った男が恐ろしい結末を迎えます。『こぶとりじいさん』では、欲を出した老人が幸せを失います。

これらの物語には、「自分勝手に行動すると、みんなが困る」「仲間を大切にすることが幸せにつながる」というメッセージが込められています。
つまり、怖い話は“人々を支配するための恐怖”ではなく、“みんなで生きるための恐怖”だったのです。

さらに、社会心理学的にも「恐怖」は集団の中での行動をコントロールする効果があるといわれています。
人は、罰を恐れることで自ら行動を律する生き物。昔話に潜む怖さは、人間社会の“秩序を守るための心理的システム”でもありました。

日本人の文化に根づく“恐怖の物語”

日本の昔話には、海外の童話とは異なる“怖さの美学”が存在します。
ヨーロッパのグリム童話が「悪を罰する」ことでスッキリ終わるのに対し、日本の物語は「曖昧さ」「報われない結末」を描くことが多いのが特徴です。
それは、日本人が「自然」「死」「見えない存在」と共に生きてきた民族だから。

たとえば、古来より日本には“八百万の神”という考え方があり、山・川・風・雷といった自然にも神や精霊が宿るとされてきました。
だからこそ、人々は「恐れ」を通じて自然を敬い、「怖さ」を通じてバランスを保とうとしていたのです。

また、江戸時代の『百物語(ひゃくものがたり)』のように、怖い話を語り合うことで人々が“恐れ”を共有し、心のバランスを整える文化もありました。
怖い話を通して、「人は一人では生きられない」「理解できないものを受け入れる」――そんな日本人らしい精神性が育まれていったのです。

この文化的背景が、現代に至るまで「怖い昔話」を残し続ける理由の一つ。
恐怖は単なる刺激ではなく、“人の生き方を映す鏡”として語り継がれているのです。

現代の子どもたちにも“怖い話”は必要?

近年では、昔話を“怖くないように”アレンジした絵本やアニメが増えています。
確かに小さな子にはショッキングな内容かもしれませんが、教育心理学者の間では「ある程度の怖さは子どもの成長に必要」とも言われています。

怖い話を体験すると、人は“恐れ”という感情を安全な範囲で学ぶことができます。
これは、現実の危険を回避する能力――いわば「心の免疫力」を育てることにもつながります。

『チコちゃんに叱られる!』でも、この点に注目。井上芳雄さんや大久保佳代子さんが、子どものころに感じた“怖かった話”を振り返りながら、「あの時の恐怖が今の自分を作っているかもしれない」と語るシーンも見どころになりそうです。
番組では、チコちゃんが「怖さは“生きる知恵”なのよ!」と叱るかもしれません。

放送後には、実際のトーク内容やチコちゃんの答えも詳しく追記し、どんな“納得の理由”が明かされたのかを紹介する予定です。

まとめ

この記事のポイントは次の3つです。

  1. 昔話や童話の“怖さ”は、子どもに教訓を刻み込むための知恵だった。

  2. 怖い物語は、村社会の秩序を守り、人々の協調を促すための役割を果たしていた。

  3. “恐怖を語り継ぐ文化”が、日本人の精神性を育て、現代にも息づいている。

怖い話は、単なるホラーではなく「生きる力」を教える物語。
恐れを知ることは、やさしさを知ることでもあります。

次回の『チコちゃんに叱られる!』では、この“怖い話の本当の意味”をチコちゃんがどんな言葉で教えてくれるのか――放送後にその答えを追記して、さらに詳しくお伝えします。


気になるNHKをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました