NHK【トリセツショー】お酒に弱い人必見！アルパ飲みと2杯目ノンアルで変わる身体　鍵は『酔いのタイムラグ』とアセトアルデヒド｜2024年12月12日

「お酒とのつきあい方」のトリセツ

お酒は楽しい時間を彩ってくれる存在ですが、一方で「つい飲みすぎてしまう」「翌日がつらい」「体質的に弱い気がする」といった悩みを抱える人も少なくありません。今回のトリセツショーでは、体質の違い・遺伝の仕組み・アセトアルデヒドの働き・飲酒リスクの最新研究、そして新しい飲み方『アルパ飲み』まで、知れば今日から役立つヒントばかりが紹介されました。

このページでは番組内容をもとに、お酒と上手につきあうための実践的なポイントをまとめています。

お酒とのつきあい方を考えると見えてくること

「酔いやすい」「すぐ顔が赤くなる」「飲んでも平気な日とそうでない日がある」。こうした違いは、気分ではなく体質によるものです。特に、日本人の多くに見られる“アセトアルデヒドが残りやすい体質”は、飲み方ひとつで翌日の体調が変わる大きな要因になります。

番組では、まずこの“体質差”を知ることこそ、健康的なお酒とのつきあい方の基盤になると紹介されていました。

5つの質問でチェックする「酒リスク診断」

番組が示した「酒リスク診断」は、普段の飲酒習慣の中で起こる“体のサイン”に気づくためのものでした。
たとえば、

・少量でも顔が赤くなる
・飲んだあと動悸がする
・眠りが浅くなる
・飲むと疲れやすい
・ついペースが早くなる

こうした反応は、体がアルコールを処理しきれていない可能性を示しています。
特に「顔の赤み」「動悸」は、アセトアルデヒドが体に残っているサイン。体質によっては、ほんの1杯であっても強い負担になることがあります。

この違いを知るだけで、自分がどの飲み方を選ぶべきかが明確になっていきます。

顔が赤くなる理由はアセトアルデヒドにあり

アルコールは、体内に入るとまずアセトアルデヒドに分解されます。この物質は“毒性”があり、DNAダメージに関わることも研究で確認されています。本来は『ALDH2』という酵素がこれを酢酸へと分解してくれますが、日本人にはこの働きが弱い人が多いと言われています。

分解が追いつかないと、血管が広がり、
・顔が赤くなる
・脈が速くなる
・胸が苦しくなる
といった反応が出ます。

番組では専門家が「これは体が危険信号を出している状態」と説明しており、決して“お酒に弱いだけ”ではなく、“体がアセトアルデヒドに敏感である”という生物学的な特徴であることが印象的でした。

歴史的背景から見える「日本人のお酒の強さ」

スクショでも紹介されていた通り、日本列島に住んだ縄文人は比較的お酒に強い体質を持っていたと考えられています。しかし、大陸から稲作文化が伝わった時代に、アセトアルデヒドを分解しにくい体質の人々が日本に多く住むようになり、現在の体質分布につながったと言われています。

お酒に弱い人が多いのは“文化的・遺伝的な積み重ね”の結果であり、世界的にも特徴的な傾向です。

「適量はない」という最新研究のインパクト

近年の研究では、アルコールに“絶対安全な量”は存在しないという考え方が主流になっています。
番組でも、ビール500mlを1本追加するだけでリスクが上がる研究が紹介されていました。

これに加えて、アセトアルデヒドがDNAを傷つける映像が映し出され、視覚的にも“飲みすぎの危険性”が伝わった回でした。

しかし、この番組が強調していたのは「すべてをやめること」ではなく、「飲み方を変える」ことで負担を下げるという実践的な視点でした。

アルパ飲みの本質と“2杯目ノンアルルール”

ここが今回の核心部分です。

『アルパ飲み』とは、
・最初の1杯をゆっくり30分かけて飲む
・もし早く飲んでしまったら、2杯目はノンアルコールビールに切り替える

この2つをセットにした飲み方です。

“最初の1杯をゆっくり”というのは、酔いが回るまでの時間差を利用した方法。
アルコールは、飲み始めてから体が酔いを強く感じるまで約30分のタイムラグがあります。この間に次々飲むと、知らない間に血中アルコール濃度が上がりすぎてしまう。

だからこそ、最初の1杯を時間をかけて飲むだけで、自然とペースが落ちて“無駄酒”が減るのです。

しかし、習慣的に飲んでいると「気づけばすぐ1杯目が終わっていた」という日は当然あります。
そんなときの切り札が、「2杯目ノンアル」。

ノンアルコールビールは味の満足感が高く、手持ちぶさたも防げるため、“飲まないのに飲んでいる満足感”を自然に作り出せます。これにより、体がアルコール処理を進める時間を確保でき、飲みすぎを効果的に防止。参加者の多くも「翌日が楽だった」「いつもより酔わなかった」と話していました。

厚生労働省のガイドラインでも“ゆっくり飲む習慣”が推奨されており、科学的根拠と実践力を兼ね備えた方法だと言えます。

まとめ：体質と飲み方を知れば、お酒の時間はもっと軽やかになる

今回のトリセツショーは、お酒とのつきあいを「やめる」か「飲む」かの二択ではなく、“体と相談しながら楽しむ方法”を教えてくれる回でした。

・体質によってアセトアルデヒドが残りやすい人がいる
・DNAに影響する可能性がある
・飲み方を変えることでリスクを下げられる
・アルパ飲みの核心は「1杯目30分＋2杯目ノンアル」

こうした知識があるだけで、飲み会・家飲み・仕事終わりの一杯が大きく変わります。
自分の体の特性を理解しながら、無理のないペースで楽しめる習慣をつくってみてください。

自宅でできる飲みすぎ予防テクを紹介します（リード文）

しげゆき

お酒を楽しみながらも、次の日に体が重くなるのはできれば避けたいものです。そこで、ふだんの生活に少し取り入れるだけで変化を感じやすい「自宅でできる飲みすぎ予防テク」を紹介します。どれも今日からすぐできる内容で、ノンアルコール飲料の活用も大きなポイントになっています。

飲む前の“下準備”で体がラクになる理由

お酒を飲む前に少しだけ食べておくことで、アルコールが一気に吸収されるのを防ぐことができます。たんぱく質や脂質を含むおつまみは、胃の中でゆっくり消化されるため、アルコールの吸収スピードがゆるやかになり、酔いが急に回りにくいと言われています。また、前日の睡眠が浅いと酔いやすくなるため、しっかりと眠ることも大切です。体が整っていると、お酒の影響を受けにくくなります。

チェイサーとノンアルの併用でペース管理が自然にできる

飲んでいる最中に、お酒だけを続けて飲むと酔いが早く進みます。そこで役立つのがチェイサーです。水やお茶だけでなく、ノンアルコールビールを1杯挟む方法は、アルコール量をしっかり抑えながら“飲んでいる満足感”も保てる便利なテクです。口の中がリセットされるため、自然と飲むスピードもゆっくりになります。アルコールには利尿作用があるので、水分補給の面でも効果があります。酔いにくくなるだけでなく、次の日のだるさを感じにくいという声も多いです。

合間の休憩と食べ物で酔いをコントロール

お酒を飲むときには、合間に軽くつまむものを入れることで体の負担が一気に減ります。たんぱく質や脂質のある食べ物があると、アルコールの吸収をゆっくりにしてくれます。一気に飲んでしまうと急に酔いが回ってしまいますが、間に休憩を入れるだけで体の余裕が生まれます。特に1杯目をゆっくり飲むよう意識すると、全体のペースが自然と整います。

飲む量を“見える化”する小さな習慣

最初に「今日は何杯まで」と決めておくことは、とても効果があります。飲んでいると、つい流れで量が増えてしまうことがありますが、上限を先に決めるだけで意識が変わります。また、週に数日はノンアルの日をつくることも大切です。肝臓が休まることで、翌日への影響が軽くなります。さらに「飲んだ量」「酔い具合」「翌日の体調」をメモする習慣をつければ、自分に合うペースが見えやすくなります。

ノンアルコール飲料は飲みすぎ予防の強力な味方

近年のノンアルコールビールは味や香りの再現度が高く、飲みごたえも増しています。飲み会や家飲みで、途中からノンアルに切り替えるだけで翌日の体がぐっとラクになります。特に、2杯目はノンアルにするという方法は、多くの人が実践しやすいシンプルな工夫です。アルコール量が一気に減り、体への負担が小さくなるのはもちろん、「飲んだ気分は続くのに酔いすぎない」というメリットがあります。飲酒後の仕上げにノンアルを選ぶことで、翌朝のスッキリ感が大きく変わるという報告もあります。

習慣としてリズムを整える“飲まない日”の価値

週に数日、ノンアルの日をつくることは、肝臓の休息だけでなく心のリセットにもつながります。飲酒の頻度や飲んだ量を記録すると、自分のパターンがわかり、より上手にコントロールできます。飲みすぎを防ぐ方法は、大きな変化ではなく、こうした小さな積み重ねが効果を発揮します。

まとめ：地味な工夫こそ続けやすい予防テク

飲みすぎを防ぐために極端な努力は必要ありません。飲む前の食事、チェイサーやノンアルの活用、合間の休憩、量の見える化、週に数日のノンアル日――。こうした一つひとつの工夫がつながり、翌日の体の軽さにつながります。特にノンアルの進化により、「酔わずに楽しむ」選択肢が広がった今、無理なく飲酒ペースを整えられる時代です。自分の体と相談しながら、気持ちよくお酒を楽しむ習慣をつくるお手伝いになればうれしいです。