干支のウマが教えてくれる、人と動物が“相棒”になる理由
このページでは『ダーウィンが来た!』(2026年1月4日放送)で描かれた、干支のウマが持つ『相棒力』の秘密を、野生での暮らしから人との関係まで一気につなげて見ていきます。なぜウマは、人を乗せて走り、共に働き、気持ちまで通わせられるのか。その答えは、草原で生き抜く知恵と進化の積み重ねの中にありました。
大河コラボ回のねらい「干支のウマ」と相棒力
この回は、2026年の干支「午」に合わせて、ウマという動物がなぜ人と特別な関係を築けたのかを『相棒力』という切り口で描いています。番組に登場するのは、大河ドラマ「豊臣兄弟!」に出演する山口馬木也さんと菅井友香さんです。
山口さんは、これまでの俳優人生の中で長年ウマに乗る仕事を続けてきた経験があり、撮影の現場で感じてきた「人とウマが一体になる感覚」を語っています。一方、菅井さんは小学生の頃から馬術に親しみ、ウマが身近な存在だったことが紹介されました。
番組の狙いは、ウマを単なる家畜や乗り物として扱うのではなく、野生での生き方から人との関係までを一続きで見せることにあります。干支という文化的なテーマと、大河ドラマとのコラボを重ねることで、ウマが日本の歴史や暮らしに深く関わってきた存在だと、自然に伝える構成になっていました。
草原の群れが教える相棒力 モウコノウマの家族と危機管理
番組はモンゴルの大草原に暮らすモウコノウマの群れを紹介しました。モウコノウマは、オス1頭と複数のメス、そして子どもからなる家族単位で生活しています。子育ての中心はメスで、赤ちゃんのそばを離れず、常に守る役割を担います。
一方、オスは群れの外に目を配り、危険が近づけば前に出て対応します。番組では、独身のオスが近づき、群れを奪おうとする場面も映されました。こうした個体は、子どもを殺してでも群れを乗っ取ることがあり、群れにとって大きな脅威です。そのため、オスが体を張って追い払う姿は、群れ全体の安全を守る行動として描かれていました。
このように、モウコノウマは役割分担をしながら仲間と協力して生きています。草原という逃げ場の少ない環境で生き抜くために育まれた協力関係が、ウマの相棒力の原点であることが分かります。
相棒関係の原点は「走り」 ウマの進化と足指の変化
次に番組は、国立科学博物館で開催中の特別展を通して、ウマの進化に注目しました。紹介された最古のウマはシフルヒップスです。現在のウマと比べると体は非常に小さく、体重は約5キロほど。前足には4本の指があり、森の中で小回りの利く動きが得意だったと考えられています。
その後、地球の寒冷化によって森が減り、草原が広がると、ウマは生活の場を変えていきました。草原では身を隠す場所が少ないため、天敵から逃げるための速さが求められます。その過程で足の指は徐々に減り、地面を強く蹴れる構造へと変化しました。
指が1本になったことで走るスピードは大きく向上し、ウマは高速で長距離を移動できる動物になりました。この走る力こそが、のちに人と行動を共にするための重要な土台となっていきます。
人を乗せても走れる理由 背中の安定と長距離移動
番組はさらに、ウマの走りを科学的に分析するため、日本中央競馬会競走馬総合研究所を訪れました。全力疾走するウマをハイスピードカメラで撮影し、チーターと比較すると、背中の動きに大きな違いがあることが分かります。
チーターは走る際に背中が大きくしなり、瞬間的な加速に優れています。一方、ウマの背中は比較的まっすぐで安定しています。この安定した背中があるため、人を乗せた状態でもバランスを崩さず、長い距離を移動できるのです。
乗馬が始まったのは約4200年前とされ、人類はウマのおかげで移動範囲を大きく広げました。ウマの品種は約200あり、体格によって重い力仕事向きの重種や、速さに優れた軽種などに分かれています。人の用途に合わせて多様な相棒が生まれてきた背景が、ここから見えてきます。
人と働く現場 馬搬の共同作業と「同調する」性質
北海道では、今もウマと人が協力して働く現場があります。番組で紹介されたのは、西埜将世さんと相棒のカップくんによる馬搬の仕事です。体重1トン近いカップくんが、伐採された木を森の中から運び出します。重機が入れない場所でも作業でき、森への負担が少ない点が特徴です。
西埜さんの合図に合わせて動くカップくんの姿は、人とウマの息が合ってこそ成り立つ作業だと分かります。番組では、こうした共同作業の背景として、ウマが持つ「同調する」性質にも触れていました。
ポルトガルの草原で行われた研究では、隣り合うウマの群れが、移動や食事のタイミングをそろえるように行動する様子が観察されました。近くにいる仲間の動きに合わせて行動を変える柔軟さがあるからこそ、人の指示にも応じられるのだと示されています。
心のつながり 耳のサイン・感情読み取り研究・以心伝心検証
後半では、ウマと心を通わせる方法や研究成果が紹介されました。菅井友香さんが教えたポイントは、まず鼻に手を近づけて匂いをかいでもらうことです。その後、頭をなでながら少しずつ距離を縮めていきます。
ウマの気持ちを知る手がかりとして重要なのが耳の向きです。耳が前を向いているときは興味を持っている状態で、近づくチャンスです。逆に耳を後ろに倒して伏せているときは、警戒や怒りのサインとされています。
番組では、北海道大学の研究として、ウマが人の感情を読み取れる可能性も紹介されました。笑顔と怒った表情のお面を使った実験では、ウマは笑顔の方からエサをもらいに行くことが多く、6回中5回で笑顔を選びました。
さらに、人とウマの心拍数を測る実験では、途中で傘を広げる予定を人だけが知っている状況を作りました。その結果、人が緊張するとウマの心拍数も同じように上がりました。人の気持ちがウマに伝わる可能性が、具体的な数値として示された場面でした。
まとめ
草原で仲間と生き抜く力、進化によって手に入れた走る体、人と共に働く柔軟さ、そして心まで通わせる感受性。『ダーウィンが来た!』(2026年1月4日放送)は、ウマがなぜ人の最高の相棒になれたのかを、ひとつひとつ丁寧に積み重ねて見せてくれました。干支のウマが持つ相棒力は、特別な才能ではなく、長い時間を生き抜いてきた結果なのだと、強く実感できる回でした。
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