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【Dearにっぽん】馬と紡ぐ 僕らの夢〜北海道・厚真町〜|馬搬とは何か・引退馬の第二の人生・林業の新しい形 2026年1月1日

Dearにっぽん
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馬と生きる仕事が、森と人をつなぎ直す

このページでは『Dearにっぽん「馬と紡ぐ 僕らの夢〜北海道・厚真町〜」(2026年1月1日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
重機が当たり前になった現代の林業で、かつて消えかけた『馬搬』という仕事に挑み続ける人がいます。不要とされた技術、行き場を失った馬、そして自分の進む道を探していた人。そのすべてが北海道の森で結びつき、新しい働き方と生き方を形にしていきます。この記事を通して、人と馬が一緒に働く意味と、その先に見えてくる未来を感じ取ることができます。

馬で木を運ぶ『馬搬』という仕事

馬搬』とは、伐採した木を馬の力で森の外へ運び出す方法です。
人が手綱を取り、掛け声をかけながら、馬が丸太を引いて山の中を進みます。

大型の重機が入りにくい細い山道や、斜面が急で機械では危険な場所でも作業できるのが大きな特徴です。
重機のように地面を掘り返すことが少ないため、土壌への負担が小さく、森の中の下草や小さな生き物を守りながら作業を進めることができます。

番組の舞台となる北海道厚真町の森では、間伐の現場で馬が大きな丸太を引き、曲がりくねった山道を一歩ずつ進んでいきます。
人と馬が息を合わせ、道幅の狭い場所や木々の間を縫うように進む姿は、重機では再現できない光景です。

確かに、スピード一度に運べる量だけを比べれば、重機にはかないません。
しかし馬搬は、必要な木だけを選び、森全体のバランスを見ながら作業できるため、森を壊さずに手入れをする林業として価値が見直されています。

また、馬の足取りや動きによって、その日の地面の状態や森の変化にすぐ気づける点も重要です。
人が自然の様子を感じ取りながら作業できることが、馬搬ならではの強みです。

この仕事は、単なる昔のやり方ではありません。
環境への配慮持続可能な林業が求められる今の時代だからこそ、あらためて選ばれている新しい価値を持つ林業の形です。

西埜将世さんが見つけた、馬の居場所

この取り組みの中心にいるのが 西埜将世 さんです。
北海道恵庭市 出身で、若い頃は自分が進むべき道が見えず、迷いながらいくつもの仕事を経験してきました。将来への手応えをつかめない時期が続く中で、林業の現場に関わったことが大きな転機になります。

その現場で出会ったのが『馬搬』という仕事でした。
かつて日本の森で当たり前のように行われていた、人と馬が力を合わせて木を運ぶ姿。その中で、馬が長い時間をかけて林業を支えてきた役割に強く心を動かされます。ただの作業方法ではなく、自然と向き合う姿勢そのものに引き込まれていきました。

西埜さんは一度仕事を辞め、馬搬の技術を本格的に学ぶためにスウェーデンへ渡ります。
番組では、海外の森で見た光景が紹介されました。そこでは、馬は道具ではなく、人と対等なパートナーとして扱われ、互いの信頼関係の中で仕事が成り立っていました。その姿は、西埜さんにとって大きな衝撃だったと伝えられています。

この経験を通して、「日本でも馬搬を仕事として成立させたい」という思いがはっきりと形になります。
効率だけを追い求めるのではなく、森を守り、馬の居場所をつくり、人の生き方も見つめ直す仕事として馬搬を続ける決意を固めました。

帰国後、西埜さんは北海道厚真町に拠点を移します。
当時は「今の時代に馬で木を運ぶのは無理だ」「ビジネスにならない」と、周囲から無謀だと言われることも少なくありませんでした。それでも考えを変えることなく、馬と共に森へ入り続ける日々を積み重ねていきます。

森の中で馬と向き合いながら、一つひとつ実績を重ね、少しずつ理解者を増やしていく。
その歩みこそが、今の厚真町での馬搬につながっています。

相棒カップくんと、引退馬の第二の人生

西埜さんの相棒が、栗毛が美しいカップくんです。
体重およそ1トンを誇る『ばん馬』で、かつては『ばんえい競馬』の世界で走っていました。大きな体と力強さを持ちながらも、デビュー戦ではゴールまでたどり着くことができず、競走馬としての道を閉ざされてしまいます。

競馬の世界では、結果がすべてです。
走れなくなった馬は、次の行き先が簡単に見つかるわけではありません。行き場を失っていたカップくんを引き取ったのが、西埜さんでした。この出会いが、人と馬の新しい物語の始まりになります。

番組では、西埜さんの一日が放牧地で馬を探す場面から描かれます。
広い土地の中で草を食むカップくんを見つけ、声をかけ、ゆっくりと仕事の準備を整えていきます。カップくんはおっとりした性格で、人の気配や声に落ち着いて反応する相棒です。

森に入ると、その大きな体で倒木や丸太を引き、曲がりくねった山道を一歩ずつ進んでいきます。
機械では通れない森の奥でも、馬は足元を確かめながら進み、必要な木だけを確実に運び出します。その姿は、力任せではなく、森と対話するような仕事ぶりです。

競馬では役目を終えた馬』が、『森を支える働き手』として生き直している。
カップくんの姿は、ただの引退馬の再出発ではありません。馬に新しい役割を与え、人と共に働く場をつくることで、命の価値が別の形で生かされていくことを静かに示しています。

この人と馬の関係こそが、番組全体を貫く大きな軸となっています。

掛け声ひとつに気持ちを込める、人馬一体の現場

馬と働く現場は、思い通りに進まないことの連続です。
相手は生き物であり、毎日同じ動きをしてくれる存在ではありません。

番組の中で 西埜将世 さんは、心の底から湧き上がる感情と、声や態度がそろって初めて馬に伝わると話しています。
形だけの掛け声や作業の指示では、馬は動いてくれません。人の気持ちが揺れていれば、その迷いもすぐに伝わってしまいます。

西埜さんは、年齢を重ねる中で、感情を表に出すことを無意識に抑えてきた自分に、馬が向き合わせてくれたとも語ります。
馬の前ではごまかしがきかず、正直な気持ちで向き合わなければ仕事にならない。その時間が、自分自身を見つめ直す場にもなっていきました。

森の中で馬が狙い通りに動き、丸太を引いてくれた瞬間を、西埜さんは『真剣勝負』と表現します。
それは勝ち負けのある競争ではなく、人と馬の呼吸が完全に重なった一瞬を指す言葉です。

馬は機械ではありません。
その日の体調や気分があり、森の音や空気の変化にも敏感です。人の緊張、不安、覚悟といった感情を、言葉以上に感じ取ります。

だからこそこの仕事は、決められた手順をなぞる作業では終わりません。
その日の森、その瞬間の空気の中で、人と馬が真正面から向き合い続ける仕事です。

馬と働く時間は、自然と向き合うことでもあり、同時に自分自身と向き合う時間でもあります。
その積み重ねが、人馬一体の関係を少しずつ形にしていきます。

渡部真子さんが選んだ、馬と暮らす道

番組では、もう一人の担い手として 渡部真子 さんが紹介されます。
神奈川県 出身で、大学を卒業した後は牧場で働いていましたが、日々の仕事を続ける中で、自分が本当にやりたかったことが分からなくなっていきます。動物に関わる仕事に就きながらも、心のどこかで迷いを抱え続けていました。

そんな時に出会ったのが、西埜さんが取り組む『馬搬』でした。
馬が森の中で働き、人と力を合わせて木を運び出す姿に強く心を動かされ、「ここでなら、自分が進みたい道を見つけられる」と感じたことが、大きな転機になります。

渡部さんは、幼い娘を連れて北海道厚真町へ移住する決断をします。
生活の拠点を大きく変えることは簡単ではありませんが、馬と共に働く日常を選び、自分の人生をもう一度つくり直す道を歩み始めました。

現在は馬搬の仕事に関わって4年目
相棒は、少し気分屋な性格のベテラン馬ウクルくんです。馬の様子を見極めながら声をかけ、森の中で息を合わせて作業を進めていきます。経験を積み重ねる中で、人と馬の距離も少しずつ縮まっていきました。

森での仕事と子育てを同時にこなしながら、馬と夢を追い続ける日々。
その姿は、働き方や生き方に迷う人、地方への移住を考える人にとって、現実的で力強いヒントを与えてくれます。

渡部さんの存在は、西埜さんとカップくんの物語に、新たな広がりを加えています。
馬と共に生きる選択が、世代や立場を越えて受け継がれていくことを、静かに伝えています。

馬と人が紡ぐ、これからの森の未来

人と馬が一緒に森を歩むようになって8年。番組の終盤では、効率だけでは測れない価値が静かに伝えられます。
『馬搬』は、森を守りながら木を使い、命ある馬と向き合う仕事です。不要とされた技術や馬に、もう一度役割を与えることで、人の生き方そのものも問い直されていきます。
北海道厚真町の深い森で、人と馬は今日も同じ方向を見て歩き続けています。


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