森と林が語る日本の里山
日本の風景の多くを形づくっているのが、森や林です。国土の約7割が森林といわれる日本では、木々の風景は暮らしと深く結びついてきました。
ニッポンの里山「人といのちの絶景物語 森と林」(2026年3月8日放送)は、これまでの放送から選ばれた美しい森の風景をたどりながら、人と自然がどのように関わり合ってきたのかを見つめる回です。
このページでは「ニッポンの里山 人といのちの絶景物語 森と林(2026年3月8日放送)」の内容を分かりやすくまとめています。森の絶景の裏にある、里山と人のつながりにも注目して紹介します。
ニッポンの里山「人といのちの絶景物語 森と林」が描く世界
2026年3月8日放送のニッポンの里山「人といのちの絶景物語 森と林」は、日本各地の森や林の美しさを集めながら、その風景がただの自然ではなく、人の営みと深く結びついてきた景色であることを見つめる内容です。番組情報では、これまでの放送から森や林に関する選りすぐりの絶景をたどり、そこに秘められた人と自然の物語を描くとされています。特に今回の軸になっているのは、日本の森林の多くが、人の手によって守られ、使われ、育てられてきたという視点です。
日本は森林面積が国土の約66%を占める森林国で、林野庁も国土の約3分の2が森林だと示しています。だからこそ、森は遠い山奥だけの話ではなく、昔から人の暮らしのすぐそばにありました。番組が「森と林」という大きなテーマを選んだのも、日本人の生活と森林が切り離せない関係にあるからだと受け取れます。田畑のまわりにある雑木林、まっすぐに育てられた杉林、深く静かな自然林は、見た目が違うだけではなく、人との関わり方もそれぞれ違います。今回の放送は、その違いを美しい映像で感じながら、風景の裏側にある時間の積み重ねまで想像させてくれそうです。
森と林の絶景に共通する、人の手が入る自然という視点
今回の番組内容でとても大切なのは、「人の手が入ることが命の多様性と美しさの秘密だ」とはっきり示されている点です。森は人が触れないほど価値がある、と単純に考えられがちですが、里山では少し違います。枝を払い、木を伐り、下草を整え、必要な資源をいただきながら次の世代へつないでいく。そうした関わりの中で、光が地面まで届き、植物の種類が増え、虫や鳥や小さな生き物がすみやすい環境が保たれてきました。番組は、そうした人と自然のちょうどよい距離感を、絶景という入り口から伝えようとしているように見えます。
環境省は、里地里山を、奥山自然地域と都市地域の中間にあり、農地、ため池、樹林地、草原など多様な環境を持つ地域だと説明しています。そして、長い歴史の中で人間の働きかけを通じて形成されてきた環境であり、多くの動植物の生息・生育の場になってきたとしています。つまり、里山の美しさは偶然できたものではありません。人が自然を使い尽くさず、かといって完全に離れもしない、その絶妙な関係が風景を育ててきたのです。この背景を知ると、番組に出てくる森の映像は、ただきれいなだけではなく、暮らしの記憶そのものに見えてきます。
雑木林、杉林、自然林の違いから見える里山の知恵
番組では、伐っては育てながら使う雑木林、手入れの行き届いた美しい杉林、伐らずに恵みをもらう自然林というように、森との関わり方の違いが紹介されます。ここが今回の見どころの中心です。同じ「森」に見えても、そこにある木の種類、育て方、使い方は大きく異なります。雑木林は、薪や炭、落ち葉、きのこなど、暮らしに近い資源を得る場として使われてきました。定期的に伐ることで若い木が育ち、明るい林床が保たれやすいのが特徴です。一方、杉林は建築材などを意識して育てられる人工林で、まっすぐ整った景観が生まれやすく、人の管理の跡が見えやすい森です。
自然林は、人が植えてそろえた森ではなく、地域の自然条件の中で育ってきた森林を指します。番組では「伐らずに恵みをもらう自然林」と表現されていて、木そのものを切るより、森が生み出す水や木の実、景観、環境の豊かさを受け取る関係が意識されています。こうして見ると、雑木林、杉林、自然林は優劣ではなく役割の違いです。日本の森は、1種類の正解だけで成り立っているのではなく、土地の条件と人の必要に合わせて多様な形が続いてきました。番組はその違いを難しい用語ではなく、映像の美しさから自然に理解させてくれる回になりそうです。
里山の美しさを支える生物多様性と暮らしのつながり
里山の風景が心に残る理由は、木が多いからだけではありません。農地や水辺、草地、林が近い距離で混ざり合い、季節ごとに表情が変わるからです。環境省も、里地里山には多様な自然環境がモザイク状に存在し、そのことが多様な野生動植物の生息・生育につながっていると示しています。番組が「人といのちの絶景物語」と名づけているのは、この多様さを伝えたいからでしょう。美しい森の映像の奥には、木だけでなく、光、風、土、水、そこに集まる生きもの、そしてそれを見守り使ってきた人の時間が重なっています。
ここで少し補足すると、里山が注目される理由の1つは、景観の美しさだけではなく、地域文化の記憶をとどめている点にもあります。落ち葉を集める、薪を使う、山の恵みをいただく、林を手入れする。こうした営みは、食文化や住まい、地域行事とも深く結びついてきました。今回の放送には具体的な地名や人物名は番組情報の時点では示されていませんが、だからこそ「日本の森と人の関係」そのものに焦点が合っています。ドローンで見下ろす映像は壮大でも、そこで伝えようとしているのは、足元の暮らしがつくってきた小さな積み重ねです。その気づきが、この回をただの自然番組で終わらせない強さになっています。
ドローン映像で見えてくる、日本の森林風景の奥行き
今回の番組情報では、ドローン映像をたっぷり使って里山の美しい森へ誘うと明記されています。これは大きなポイントです。地上から森を見ると、木の幹や葉の近さ、空気の湿り気、足元の気配が伝わりますが、上空から見ると、森が周囲の田畑や集落、水辺とどうつながっているかがひと目でわかります。里山は、森だけがぽつんとある風景ではありません。人が暮らす場所のすぐ近くに、手入れされた林、畑、水路、ため池などが重なり合って成り立っています。ドローン映像は、そのつながりを立体的に見せるのにとても向いています。
映像で森を「絶景」として見せる番組は多いですが、ニッポンの里山の魅力は、景色の大きさだけで終わらず、その景色がどう守られてきたかを感じさせるところにあります。まっすぐ伸びる杉林の整い方、雑木林のやわらかな表情、自然林の深さ。上空から見れば、その違いは輪郭の違いとしても表れます。視聴者は、美しいと感じると同時に、なぜこの景色があるのかを自然に考えたくなります。森を遠い存在として眺めるのではなく、人が関わることで生まれた風景として受け止め直せること。それが今回の放送のいちばん大きな価値だと思います。日本の森林を知る入口としても、とても見応えのある特集です。
まとめ
今回のニッポンの里山「人といのちの絶景物語 森と林」は、日本の森や林の美しさと、人と自然が関わりながら守ってきた里山の風景に目を向ける内容です。雑木林や杉林、自然林など、それぞれの森の役割を知ることで、日本の森林の奥深さが見えてきます。
なお、この記事は公開されている情報をもとにまとめているため、実際の放送内容と異なる場合があります。放送後、確認できた内容は必要に応じて追記していきます。
NHK【ニッポンの里山】ふるさとの絶景に出会う旅「和菓子作りが育む森 宮崎県串間市」本葛粉とクズの巨大根を掘る掘り子の物語|2026年2月22日
気になるNHKをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント