白内障と緑内障の違いと最新治療のポイント
年齢とともに気になり始める目の不調。その中でも白内障と緑内障は多くの人に関係する代表的な病気です。見えにくさの原因や治療法は大きく異なり、正しく知ることがとても大切です。『チョイス@病気になったとき「白内障・緑内障 最新治療情報」(2026年4月5日)』でも取り上げられ注目されています。この記事では、仕組みや治療、見逃しやすいサインまでやさしく解説します。
この記事でわかること
・白内障と緑内障の違いと原因
・白内障の手術と眼内レンズの選び方
・緑内障の進行を防ぐ治療法
・見逃しやすい初期症状と受診の目安
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白内障とは?目がかすむ原因と仕組み
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白内障は、目の中でカメラのレンズのような働きをしている水晶体が白くにごって、光がうまく通れなくなる病気です。すると、景色がかすんだり、まぶしく感じたり、物が二重に見えたり、だんだん視力が落ちたりします。原因でいちばん多いのは加齢で、早い人では40代から始まり、80代ではほぼ全員にみられるとされています。外傷、薬、炎症、放射線などが原因になることもあります。
このテーマが注目される理由は、とてもシンプルです。白内障は年齢とともに誰にでも起こりやすいのに、「見えにくいのは年のせい」と思って見過ごされやすいからです。しかも、白内障は進むと眼鏡だけでは補えなくなります。見えにくさは、読書や運転、料理、階段の上り下りなど、毎日の安全にそのまま関わります。『チョイス@病気になったとき「白内障・緑内障 最新治療情報」』のように関心が集まりやすいのも、生活への影響がとても大きいからです。
白内障を「ただの老化」と片づけられないのは、見え方の質そのものが変わるからです。たとえば、視力検査ではそこそこ見えていても、逆光で急に見えづらくなる、夜のライトがまぶしい、白っぽく霧がかかったように見える、といった困りごとが起こります。つまり、白内障は単に数字の視力だけの問題ではなく、暮らしやすさを下げる病気と考えたほうがわかりやすいです。
白内障の手術と眼内レンズの選び方
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白内障の治療で中心になるのは手術です。進行した白内障は、にごった水晶体を取り除き、その代わりに眼内レンズを入れるのが一般的です。日本眼科医会の解説では、現在は超音波乳化吸引法が一般的で、約3mmほどの小さな傷からにごった中身を取り出し、残した膜の中に眼内レンズを入れます。麻酔は点眼麻酔などで行われ、手術時間は通常30分程度とされています。
ここで大事なのは、白内障手術は「にごりを取るだけの手術」ではなくなっていることです。今は、どんな見え方を目指すかまで考えてレンズを選ぶ時代です。つまり、「遠くを見やすくしたいのか」「スマホや本を見やすくしたいのか」「なるべく眼鏡に頼りたくないのか」で、選ぶレンズの考え方が変わります。だから最近は、手術そのものよりもレンズ選びが話題になりやすいのです。
さらに、手術前には目の状態や合併症の確認が重要です。眼底や視神経に別の病気が隠れていると、手術がうまく終わっても思ったほど視力が出ないことがあります。また、眼内レンズの度数を決める検査がとても大切で、ここがずれると術後に強い近視や遠視が残ることもあります。つまり、白内障手術の満足度は、手術室の中だけで決まるのではなく、術前の検査と相談でかなり差が出るということです。
眼内レンズの種類と失敗しない選択ポイント
眼内レンズには大きく分けて単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズがあります。単焦点は、一つの距離にピントを合わせるタイプです。遠くに合わせれば遠くは見やすくなりますが、手元は老眼鏡が必要になりやすくなります。逆に近くに合わせれば手元は見やすい一方で、遠くを見るには眼鏡が必要になります。
一方の多焦点眼内レンズは、光を距離別に振り分けて、遠く・中間・近くなど複数の距離にピントが合いやすい仕組みです。スマホを見る距離、パソコンを見る距離、遠くを見る距離のどこを重視するかで向き不向きが変わります。眼鏡をなるべく使いたくない人には魅力がありますが、全員がまったく眼鏡不要になるわけではなく、見え方のシャープさが少し落ちたり、暗いところで光の輪やまぶしさを感じたりすることがあります。夜間運転に注意が必要とされるのはこのためです。
このレンズ選びで失敗しないためにいちばん大切なのは、「どれが最高か」ではなく「自分の生活に合うか」で考えることです。細かい字をたくさん見る仕事なのか、運転が多いのか、パソコン中心なのか、家の中で過ごす時間が長いのかで正解は変わります。多焦点は便利そうに見えますが、緑内障や網膜の病気がある人には適さないことがあります。高いレンズほど必ず満足度が高いわけでもありません。日本眼科医会も、目の状態やライフスタイルをふまえて主治医と十分相談するよう勧めています。
また、乱視矯正眼内レンズ(トーリック眼内レンズ)という選択肢もあります。乱視が強い人では、これによって術後の裸眼視力がよくなることがあります。単焦点のトーリック眼内レンズは保険適用の範囲で受けられると案内されています。つまり、白内障手術は「白くにごったレンズを取り替える」だけでなく、もともと抱えていた見え方の悩みまで整理できる可能性がある手術なのです。
緑内障とは?視野が欠ける病気の正体
緑内障は、目と脳をつなぐ視神経が傷み、少しずつ視野が欠けていく病気です。ここでいう視野は、ただ「視力が下がる」という意味ではありません。正面を見ているときに見えている範囲のことです。だから緑内障では、視力表ではある程度見えていても、足元の一部や横の景色に気づきにくくなることがあります。
この病気が特にこわいのは、初期には自分で気づきにくいことです。日本眼科医会の一般向け解説では、患者の多くで眼圧は正常で、自覚症状も少ないとされています。40歳以上の約20人に1人、別の解説では40歳以上で約5%、60歳以上で1割以上とされていて、決して珍しい病気ではありません。しかも日本では失明原因の上位にあるため、早期発見の大切さが強く強調されています。
「眼圧が高い人だけの病気」と思われがちですが、そこも誤解されやすい点です。緑内障は眼圧だけで決まる病気ではなく、正常範囲の眼圧でも進むタイプがあります。そのため、自己判断で「痛くないから大丈夫」「見えているから大丈夫」と考えるのは危険です。見えていない部分を、もう片方の目や脳が自然に補ってしまうので、本人はかなり進むまで気づかないことがあります。
さらに緑内障には、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障という大きな違いがあります。隅角という、目の中の水の出口にあたる部分が開いているか閉じているかで分かれ、治療方針も変わります。開放隅角では点眼治療から始めることが多く、閉塞隅角ではレーザーや手術が中心になることが多いとされています。ここを知らないと、同じ「緑内障」でも人によって説明が違う理由がわかりにくくなります。
緑内障の治療法と進行を防ぐポイント
緑内障治療の基本はとてもはっきりしていて、眼圧を下げることです。日本眼科学会の緑内障治療ページでも、治療の目的は進行を止める、または遅らせることであって、傷んでしまった視神経を元に戻すことではないと説明されています。つまり、緑内障治療は「今ある見え方を守る治療」です。ここを知っておくと、「目薬を続けているのに急に見えるようにならない」と不安になる気持ちも少し整理しやすくなります。
治療の第一歩になることが多いのは点眼薬です。現在は10種類以上の緑内障点眼薬があり、タイプや重症度、眼圧の高さなどに応じて使い分けられます。1種類で足りなければ複数を組み合わせることもあります。複数の目薬を使うときは5分以上空けて点眼することが勧められており、症状が変わらないからといって自己判断でやめないことが大切です。
レーザー治療は、閉塞隅角緑内障では虹彩に小さな孔をあけて房水の流れを変える方法、一部の開放隅角緑内障では線維柱帯に照射して房水の排出を促す方法があります。外来で行えることが多く、痛みもごく軽いとされています。薬だけに頼らず、目の中の水の流れそのものに働きかけるのがレーザーの意味です。
手術は、薬やレーザーで十分にコントロールできないときに検討されます。房水を外へ逃がしやすくする手術、排出路を切開する手術、器具を留置する手術などがあり、症例に応じて選ばれます。日本眼科学会は、手術後も見え方が良くなることを目的にするのではなく、眼圧を下げて進行を食い止めることが目的だと明記しています。ここは白内障手術との大きな違いです。白内障は見え方の改善が期待しやすい一方、緑内障は「悪くならないように守る」意味合いが強いのです。
早期発見がカギ!見逃しやすい目の異変
白内障は、かすみ、まぶしさ、二重に見える感じなどで気づくことがありますが、緑内障はかなり厄介です。視野が少しずつ欠けても、日常では両目で見て補ってしまうため、本人は「最近ちょっと見づらい」程度にしか感じないことがあります。だからこそ、症状が出てからではなく、定期的に眼科で見つける病気だと考えることが大切です。
特に40歳を過ぎたら、目に強い不自由がなくても一度は眼科で相談する意味があります。日本眼科医会は、緑内障の早期発見のために40歳を過ぎたら定期的な目の検診を勧めています。家族に緑内障の人がいる、健康診断で眼圧や眼底を指摘された、最近つまずきやすい、片目ずつ見ると見え方が違う、といった人は、受診のハードルを下げたほうが安全です。
そして最後に大事なのは、白内障と緑内障は名前が似ていても、性質がかなり違うということです。白内障はにごりによって見え方が落ちる病気で、手術による改善が期待しやすい病気です。緑内障は視神経のダメージで視野が欠ける病気で、失った視野は基本的に戻りません。だからこそ、白内障は「見えにくくなってきたら相談」、緑内障は「困る前に見つける」がとても大切です。目の病気はどちらも身近ですが、対策の考え方はまったく同じではないと知っておくと、必要な行動がぐっとわかりやすくなります。
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