高橋文哉が焼津でマグロ漁船に!焼津港の知られざる日常と遠洋漁業のリアルに密着|2025年3月31日放送
2025年3月31日(月)19:59〜20:45放送の『鶴瓶の家族に乾杯』では、朝ドラ「あんぱん」に出演中の俳優・高橋文哉さんが静岡県焼津市を訪れ、ぶっつけ本番の旅に挑みました。焼津といえば、マグロやカツオで有名な港町。そんな土地で高橋さんが目指したのは、「おいしいお刺身を食べたい」「船に乗りたい」というシンプルでまっすぐな願い。その中で出会った地元の人々との触れ合い、漁業の現場の裏側、そして偶然の出会いによる旅の急展開まで、心温まるエピソードがたっぷり詰まっていました。
絶景のスタートと「あんぱん」撮影秘話
旅のはじまりは、晴れ渡った空に富士山がくっきりと姿を見せる静岡県焼津市の海辺からでした。オープニングで映し出されたのは、石津海岸公園。穏やかな波の音が響くその場所に、高橋文哉さんがひとりで登場しました。背後には富士山、目の前には広がる駿河湾。自然と気持ちが引き締まるような美しい景色に包まれながら、旅がゆっくりと動き始めました。
その後、公園内で笑福亭鶴瓶さんと合流。2人は海を背にしながら歩き出し、高橋さんは「なんかいつもより五感がさえている気がします」と、自分でも驚くほどの感覚の鋭さを感じている様子でした。周囲の空気や風、海の香りまでもが新鮮に感じられるような始まりでした。
高橋さんは現在、連続テレビ小説「あんぱん」に出演中で、辛島健太郎という学生役を演じています。本人の言葉を借りれば「学生服を着ながらやらせてもらっています」とのこと。リアルな高校生役に挑みながら、撮影現場では日々さまざまなことを吸収しているようです。旅の冒頭では、朝ドラ撮影の裏側にも少しだけ触れられました。
また、高橋さんの俳優としての歩みを振り返る場面もありました。
-
俳優デビューは『仮面ライダーゼロワン』
-
「あんぱん」は彼にとって初の朝ドラ出演
-
役柄の幅が広がり、今回のような旅番組にも初参加
その真摯な態度や落ち着いた立ち居振る舞いからは、若手俳優ながら撮影現場や地域の人たちへの敬意を大切にしている姿勢が見て取れました。石津海岸の開放感あるロケーションの中で、自然と一体になりながら、これから始まる出会いの旅に期待を込める表情が印象的でした。風の強さ、砂浜のにおい、船の遠くの音など、五感が刺激される環境の中で、旅の幕が上がりました。
マグロの町・焼津で出会った人々と知恵
旅の序盤、高橋文哉さんと鶴瓶さんが最初にふれあったのは、石津海岸公園を散歩していた田中夫妻と赤ちゃんでした。海風の吹く公園で、日常を過ごす家族との出会いは、焼津という町が持つ穏やかでやさしい空気を象徴するような場面でした。高橋さんは、赤ちゃんを見て自然と笑みを浮かべながら交流。地域に根づいた暮らしが感じられる印象的な一幕でした。
その後2人は、地元の魚市場へと足を運びます。ここで出会ったのが、漁業関係者の鈴木仁さん。市場の人たちは皆忙しそうに動きながらも、焼津のことを知ってほしいという気持ちで丁寧に対応していました。鈴木さんは、焼津のマグロについて多くの情報を語ってくれました。
-
焼津には「小川港」と「焼津港」の2つの漁港が存在する
-
小川港では近海漁業中心で、アジやサバなどを水揚げ
-
焼津港は遠洋漁業の拠点で、マグロやカツオの漁獲がメイン
-
2つの港を合わせて「焼津漁港」と呼ばれている
-
焼津漁港は2023年まで8年連続で水揚げ金額日本一という実績を持つ
これらの情報は、地元で生きる人たちの誇りでもありました。海に出る漁師、魚を扱う市場の人、街で暮らす家族。それぞれの立場から「マグロの町・焼津」を支えているということが、出会いを通して自然と伝わってきました。
市場の空気は活気がありながらも、よそ者に対してもあたたかく迎え入れる雰囲気があり、高橋さんも鶴瓶さんもその人情に心を打たれている様子でした。港町ならではのにおいや音、働く人の動きの速さなど、体で感じる情報すべてが、焼津の魅力を物語っていました。
焼津港と焼津漁協でマグロの深掘り体験
高橋文哉さんと鶴瓶さんが次に向かったのは、遠洋漁業の拠点である焼津港です。この日はあいにく市場が休みで、魚の競りの様子などは見られませんでしたが、その代わりに、船の掃除をしていた山本紘希さんとの出会いがありました。作業中にもかかわらず、港の現場について丁寧に説明してくれた山本さんの姿からは、日々の作業がどれほど大変で、同時に誇りを持って取り組まれているかが伝わってきました。
港の清掃ひとつとっても、漁の準備や後処理の大切な一環であり、船のコンディションを保つために欠かせない作業であることがうかがえます。静かな港の風景の中にも、仕事に向き合う漁師の真剣さが感じられる瞬間でした。
その後2人が訪れたのは、焼津漁業協同組合(焼津漁協)です。ここでは浦谷寛さんが案内役となり、焼津のマグロ漁の特徴や、保存方法などを詳しく説明しました。
-
焼津の漁船は主に遠洋漁業に従事し、数週間〜数か月におよぶ航海を行う
-
マグロの鮮度を保つため、超低温冷凍技術が重要
-
水揚げ後すぐに冷凍し、味と品質を保つ工夫がされている
-
焼津の漁師は漁の技術だけでなく、保存と流通の知恵も持っている
さらに紹介を受けて、2人は水産物の問屋も訪問しました。ここで出会ったのが、入社1か月目の永田亜紀さん。新しい環境ながら、てきぱきと対応する姿が印象的でした。そして、彼女を迎え入れたのが、問屋部の部長・大石雄介さん。2人には前職時代のつながりがあり、大石さんのスカウトで永田さんが焼津にやってきたというエピソードも紹介されました。
問屋は単なる仲介業者ではなく、漁師たちの生活全般を支える存在として活躍しています。
-
健康診断や歯医者の予約手配
-
船員の娘の運動会でのビデオ撮影
-
家族の誕生日に花束を届ける
-
パチンコ店までの送迎など、日常的なサポートも実施
このように、問屋の役割はとても幅広く、漁業という大きな産業の陰で、人と人との関係を支える存在であることがよくわかるシーンでした。焼津港に息づくチームワークの深さと、仕事だけでなく生活そのものを共にしている地域の温かさが伝わる場面でした。
念願の船に乗船!遠洋漁業のリアルを体感
焼津の町と漁業の現場を知った高橋文哉さんと鶴瓶さんは、いよいよ旅の大きな目的のひとつである漁船への乗船体験に向かいます。案内してくれたのは、問屋で出会った永田亜紀さんの紹介によって出会えた漁船関係者の猪飼和幸さん。これまでの出会いがつながり、ようやく漁船に足を踏み入れることができました。
2人が見学したのは、遠洋カツオ・マグロ漁船の内部です。この船には、日本人だけでなく海外からの乗組員も多く在籍しており、そのひとりがクラレンス・D・アブラティークさん。船の中では外国人船員たちが実際の作業に備えて準備をしており、高橋さんもその様子を間近で見ながら、漁のスケールの大きさと作業の緻密さに驚きを隠せませんでした。
この漁船では、約14か月の期間で複数回の長期漁を繰り返し行います。1回の漁は1か月以上におよび、その間は海の上での生活が続くという、体力・精神力の両方を求められる過酷な現場です。漁を支える裏側にある努力や苦労を目の当たりにしたことで、マグロが食卓に届くまでの長い道のりが、よりリアルに感じられる瞬間となりました。
後日、番組スタッフによる取材で、今回訪れた船「第三八常磐丸」についての詳細が明かされました。
-
乗組員は計26名
-
お風呂は海水を温めて使用
-
航海中、真水はとても貴重な資源
-
居住空間は4畳半に4人の共同生活
-
食事は漁のタイミングによってバラバラになるため、みんなで食べる時間は特別
このように、日常とはかけ離れた船上での暮らしの中には、限られた空間と資源を工夫しながら支え合う人間関係が根づいていました。焼津港に戻ったのは、鶴瓶さんと高橋さんが訪問してから9日後。この日、港には988トンもの水揚げが行われ、作業は3日間にわたって続けられました。
この第三八常磐丸は、2025年3月3日に新たな漁へ出港しており、次の帰港は4月上旬の予定とされています。漁師たちは再び長い航海へと旅立ち、世界の海で命がけの仕事に挑みます。
スタジオでは小野文惠アナウンサーが「番組28年の歴史の中で、漁船の内部に入ったのは今回が初めて」と語り、その貴重さを実感している様子でした。テレビの画面越しにも、視聴者にとって忘れがたいシーンとなる特別な体験が収められていました。
最後は絶品の刺身で旅を締めくくり
旅の終盤、高橋さんは一人でお刺身を求めて食堂「かどや」を訪ねますが、残念ながら定休日。その後、「大漁やまちゃん」に立ち寄り、新鮮な刺身料理を堪能しました。スタジオでは「最高でしたね。美味しいし」と満足そうに振り返り、笑顔で旅を締めくくりました。
今回の『鶴瓶の家族に乾杯』では、焼津という漁業の町の歴史と今に、高橋文哉さんが全身で触れる姿が描かれました。マグロ漁の裏側、地元の人々の支え合い、遠洋漁業のリアル、そして食の魅力。どれもがぶっつけ本番の旅だからこそ味わえる特別な出会いでした。焼津という町の温かさと力強さが、多くの視聴者に届いた回だったのではないでしょうか。
コメント