紫テープには理由がある
スーパーで長ねぎや小松菜などを見ると、紫色のテープで束ねられていることがあります。なぜ緑や透明ではなく、紫色なのでしょうか。
『チコちゃんに叱られる!「▽歯ブラシの謎▽ひょんの謎▽紫テープの謎」(2026年7月17日放送)』でも、この身近な疑問が取り上げられました。
実は紫色には、野菜をまとめるだけでなく、緑色を鮮やかに見せる役割があります。ただし、テープの色と野菜の鮮度は別の話です。売り場で失敗せずに選ぶための確認ポイントも含めて紹介します。
この記事でわかること
- 野菜のテープが紫色である理由
- 緑を引き立てる補色効果
- 野菜結束テープの役割と特徴
- 新鮮な野菜を見分けるポイント
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スーパーの野菜が紫テープで巻かれている理由

(ニチバンがシェア7割 野菜売り場で必ず見かける“あのテープ”の正体:日経クロストレンド)
スーパーの野菜に紫色のテープが使われる大きな理由は、野菜の緑色を鮮やかに見せるためです。
紫系の色と緑色は、色相環の中で離れた位置にあり、隣り合わせにすると互いの色が目立ちやすくなります。このように、組み合わせた色を引き立てる働きが補色効果です。
紫色のテープを長ねぎや葉物野菜に巻くと、緑色との境目がはっきりします。その結果、野菜の緑が濃く、いきいきして見えやすくなるのです。
たしかに、緑色のテープでは野菜の色に溶け込みます。紫色なら細いテープでも目に入りやすく、売り場で商品全体が引き締まって見えます。
ただし、紫色のテープが野菜そのものを新鮮にするわけではありません。
あくまで、野菜を束ねながら見た目の魅力を高めるための工夫です。
紫色で野菜の緑がおいしそうに見える仕組み
色の見え方は、周囲に置かれた色によって変わります。
同じ緑色でも、似た緑色の隣に置いた場合と、紫系の色の隣に置いた場合では、紫系の色と組み合わせた方が輪郭や色の違いを感じやすくなります。
野菜売り場では、この色の対比を利用して、次のような印象を持たせています。
- 葉の緑色がはっきり見える
- 商品のまとまりがよく見える
- 売り場の中で見つけやすくなる
- 産地名や商品名の文字が読みやすくなる
初めて理由を知ると少し驚きますが、普段何気なく見ているテープにも、売り場で商品を見やすくする工夫が込められています。
紫色そのものが食欲を強く刺激するというより、緑色との対比によって野菜を鮮やかに見せると考える方が分かりやすいでしょう。
野菜に巻かれているテープの名前は「野菜結束テープ」
野菜を束ねているテープは、一般に野菜結束テープと呼ばれます。
代表的な製品のひとつが、ニチバンの野菜結束システム「たばねら」です。
テープと専用の結束機を使い、長ねぎ、ごぼう、アスパラガス、葉物野菜などを素早くまとめられるように作られています。
一般的なセロハンテープとの大きな違いは、青果物を扱う環境に合わせた設計です。
野菜結束テープには、製品によって次のような特徴があります。
- 水に濡れても剥がれにくい
- テープの貼り合わせ面同士が接着する
- 野菜に粘着剤が付きにくい
- 産地名や商品名を印刷できる
- 価格ラベルを貼る場所として利用できる
野菜は収穫後に洗われたり、売り場で水分が付いたりすることがあります。普通のテープでは剥がれやすいため、耐水性や結束力が必要です。
個人的には、色の工夫以上に、濡れた野菜を短時間でまとめられる点が重要だと感じます。見栄えだけではなく、生産者や売り場担当者の作業を減らす道具でもあるからです。
わらやひもから専用テープへ変わった背景
野菜結束テープが普及する以前は、野菜をわらひもやビニールひもなどで束ねる方法が使われていました。
ひもで束ねる場合、野菜をそろえて巻き、ほどけないように結ばなければなりません。数束であれば大きな負担ではありませんが、出荷量が増えると、ひとつずつ結ぶ作業には時間がかかります。
そこで求められたのが、野菜を手早く束ねられる専用のテープと結束機でした。
ニチバンの「たばねら」は1970年代に登場し、結束機に野菜を差し込むことでテープを貼り合わせ、切断まで行える仕組みが広がりました。
結び目を作る必要がなく、同じ位置にそろえて巻きやすいため、作業時間の短縮だけでなく、商品の見た目を統一しやすい利点もあります。
現在では、単に野菜を固定するだけでなく、テープに次のような情報を印刷する使い方も増えています。
- 産地名
- 生産者名
- 野菜のブランド名
- 商品の特徴
- バーコード
- キャンペーン情報
つまり紫色のテープは、ひもの代用品から始まり、現在では結束、表示、販売促進を兼ねる道具になっています。
野菜テープは紫色だけではない
スーパーで紫色をよく見かけますが、野菜結束テープがすべて紫色というわけではありません。
市販されている製品には、紫のほかにも緑、白、赤、黄、青、黒、透明などがあります。文字やイラストを印刷したタイプもあり、野菜の種類や売り方に合わせて選ばれています。
たとえば、緑色のテープは野菜になじみやすく、商品全体を自然に見せたい場合に向いています。透明タイプは野菜を隠しにくく、商品の色や形をそのまま見せたい場合に使いやすい色です。
黄色や赤色は売り場で目立ちやすいため、お買い得品やキャンペーン商品などに使われることがあります。
紫色が広く使われているのは、ほかの色が使えないからではありません。
緑色の野菜との相性がよく、売り場で目立ちやすいことに加えて、野菜用テープとして長く定着してきたことが背景にあります。
肉や魚の売り場にも使われる色の対比
商品をおいしそうに見せる色の工夫は、野菜売り場だけではありません。
精肉売り場では、赤みのある肉と対比する緑系のシートや飾りが使われることがあります。鮮魚売り場でも、サーモンなどのオレンジ色を引き立てるため、青系のトレーが選ばれる場合があります。
ただし、売り場で使われる色は、補色効果だけで決まるわけではありません。
商品の種類や店のデザイン、清潔感、照明、価格帯なども考慮されます。高級感を出したい商品では黒や金色、自然な印象を出したい商品では緑や茶色が使われることもあります。
同じ食品でも、背景や容器の色が変わると受ける印象は変わります。スーパーを訪れたときにトレーやラベルの色まで見てみると、売り場ごとの工夫が分かっておもしろいところです。
紫テープは野菜の鮮度を保証するものではない
紫色のテープが巻かれていると、きれいにまとまり、野菜が新鮮そうに見えます。
しかし、テープの色だけで鮮度を判断することはできません。
野菜結束テープは商品をまとめ、見栄えを整えるためのものです。収穫日や保存状態を直接示すものではないため、購入するときは野菜自体の状態を確認しましょう。
葉物野菜では、次の点が目安になります。
- 葉に張りがあるか
- 葉先が黄色や茶色に変色していないか
- 茎の切り口が乾燥しすぎていないか
- 溶けたような部分や強いぬめりがないか
- 袋の中に水がたまりすぎていないか
長ねぎの場合は、白い部分に張りがあり、緑と白の境目がはっきりしているものが選びやすいでしょう。ごぼうなどの根菜は、極端にしなびていないか、ひび割れや傷みがないかを確認します。
実際に選ぶなら、テープの色よりも、葉、茎、切り口を見ることが大切です。
また、テープの内側は野菜同士が重なり、傷みや水分が見えにくい場合があります。気になるときは、束全体を軽く回して裏側まで確認すると安心です。
テープを外したあとの保存にも注意したい
束ねられた野菜を購入したら、家庭ではテープを外して保存した方がよい場合があります。
テープで強く束ねたままにすると、野菜同士が密着した部分に湿気がこもったり、傷んだ部分を見つけにくくなったりするためです。
特に葉物野菜は、傷んだ葉が混ざっていないか確認してから保存すると長持ちしやすくなります。
保存するときは、野菜の種類に合わせて新聞紙やキッチンペーパーで包み、保存袋に入れます。冷蔵庫内では、栽培されていたときに近い向きで立てて保存すると状態を保ちやすい野菜もあります。
ただし、洗ってから保存するかどうかは野菜によって異なります。水分が残ると傷みやすいものもあるため、すぐに食べない場合は、洗わずに保存する方法も検討しましょう。
紫テープの役目は、基本的に売り場までです。購入後は野菜の状態を確認し、それぞれに合った方法で保存することが大切です。
紫テープには見た目と作業性の両方の意味がある
スーパーの野菜が紫色のテープで巻かれているのは、紫系の色によって野菜の緑を鮮やかに見せるためです。
一方で、野菜結束テープには、見た目を整えるだけでなく、濡れた野菜を短時間で束ね、産地名や商品情報を表示する役割もあります。
身近なテープですが、生産者の作業負担を減らし、売り場で野菜を見つけやすくするための工夫が詰まっています。
次にスーパーへ行ったときは、紫色だけでなく、テープに書かれた産地名やブランド名にも目を向けてみてください。
ただし、色がきれいに見えることと鮮度は別です。購入前には、葉の張りや変色、切り口、ぬめりなど、野菜そのものの状態を確認するのがおすすめです。
参考リンク
- ニチバン「たばねらシリーズ・農産用製品」
- ニチバン「たばねらテープ(規格品)No.640H-Vシリーズ」
- ニチバン「たばねらテープ(注文印刷品)No.640-VP」
- ニチバン「たばねらテープ(透明タイプ)No.640CPS-BC20」
- マックス「野菜を結束するテープにはどんな種類がある?メリットやおすすめ製品を紹介!」
- ITmedia ビジネスオンライン「テープではなく『仕組み』を売ってシェア7割 ニチバンの『野菜を束ねるテープ』が選ばれ続ける理由」
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