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NHK【この世界の片隅にの舞台を訪ねて】呉市畝原町“すずさん家”の場所は?映画と現実が交差する旅|2025年8月3日放送

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呉の町に宿る“すず”の面影をたどる旅

2025年8月3日に放送されるNHKの特集番組「この世界の片隅にの舞台を訪ねて」は、終戦から80年を迎える今年、改めて平和の大切さを見つめ直すきっかけとなる内容です。番組では、映画『この世界の片隅に』の舞台となった広島県呉市を、アニメ好きとして知られる宮田俊哉さんが訪れ、片渕須直監督の案内のもとに“すず”の暮らした景色を歩いていきます。ナレーションは声優の細谷佳正さんが担当し、作品の空気をより一層深く伝えてくれます。

呉に残る“すずさん”の記憶と日常の風景

番組では、主人公・すずが暮らしていた北條家の間取りを再現した「すずさん家」や、段々畑の跡、かつて使われていた井戸の跡などを巡ります。周囲を歩けば、まるで映画の中に入り込んだかのように、生活のにおいや風の音まで想像できるような景色が広がります。さらに、呉港や造船所が見下ろせる小さな丘からは、すずと姪の晴美が眺めたあの風景が、今も変わらずそこにあります。

また、旧呉鎮守府庁舎や赤レンガの建物など、周作が勤めていた工廠の雰囲気を感じさせる場所も紹介される予定です。市街地には、すずが歩いたとされるルートに沿った旧澤原家住宅「三ツ蔵」や、デートシーンで登場した「青山クラブ」などもあり、映画と現実が重なり合う感覚を味わうことができます。

戦争の記憶を今に語り継ぐ人々の声

番組では、呉空襲を実際に経験した高齢の女性たちの証言も紹介される予定です。海軍工廠に動員され、機銃掃射のパイロットの顔まで見えたという話や、防空壕の中で水を求める声とともに家族が亡くなった記憶、機銃掃射から逃げた日のことなどが淡々と語られます。すずさんのような普通の女性たちが、どんな思いでその時代を生きたのか、その言葉には重みがあります。

これらの声は、すずというキャラクターを通して描かれた戦時下の日常と重なり、視聴者に「戦争が日常をどう壊すか」を考えさせます。ご飯をつくる、絵を描く、家族と話す…そういった毎日の積み重ねこそがどれほど大切かを、番組は静かに伝えようとしています。

平和とは何かを問いかける映画の力

終戦から80年が経った今、『この世界の片隅に』という作品が改めて注目される理由は、そこに描かれた「ささやかな日常の尊さ」にあります。片渕監督は「現代にもつながる暮らしを見つめてほしい」と語り、戦争の記憶が薄れていく時代だからこそ、映画を通じて次の世代へ語り継いでいきたいという思いが込められています。

被爆者の証言が少なくなる今、語られなくなっていく記憶をどうやって守るか。その答えのひとつが、こうした物語の中にあるのかもしれません。すずさんの日常を描いたこの作品は、単なるフィクションではなく、平和を考えるきっかけとして大きな役割を果たしてくれます。

番組を通じて描かれるのは、呉という町と、そこで実際に生きた人々の声、そしてすずという存在が今なお語りかける「普通の暮らしを守りたい」という思いです。それは今を生きる私たちにとっても、大切なメッセージになるはずです。

※番組放送後には、紹介された場所の詳細や訪問方法などを追記予定です。観光の参考にもなる内容になる見込みです。

呉市内を歩いて巡る“すずさん”ゆかりの舞台めぐりルート

映画『この世界の片隅に』に登場した風景が今も残る広島県呉市。すずさんが暮らした世界を実際に歩いて体験できるモデルコースは、徒歩ルートとバス併用ルートの2種類があります。どちらもそれぞれの魅力があり、旅のスタイルにあわせて選べます。

徒歩だけでじっくり巡るルート(所要約5〜6時間)

呉駅を出発点に、徒歩だけで回れるおすすめルート。映画に登場した場所を順にたどることで、物語の世界観を肌で感じることができます。

まずはJR呉駅前にある「くれ観光情報プラザ」へ。ここではロケ地マップを手に入れることができるので、出発前に立ち寄って準備するのがおすすめです。

最初の目的地は「すずさん家」。呉市畝原町にある住宅街の一角に、映画の北條家の間取りを再現した“地面の間取り”があります。この場所は無料で見学でき、コンクリートに描かれた線や陰影から、すずさんが過ごした日々が静かに浮かび上がります。

次に訪れるのは「三ツ蔵(蔵本通り)」で、市街地シーンによく登場する風景がそのまま残っています。続く「青山クラブ」は、下士官兵集会所として使われていた歴史ある建物で、屋外からの見学も可能です。

そこからほど近い「海軍病院階段」では、円太郎さんを見舞うすずさんのシーンを思い出します。このエリアには呉市立美術館や入船山記念館もあるので、時間に余裕があれば立ち寄るのもおすすめです。

次は「神原国民学校跡〜防空壕跡地」へ向かいます。現在は更地になっていますが、ここではすずさんと晴美ちゃんが避難していたあの場面を思い出すことができます。

最後にたどり着くのが「歴史の見える丘」。ここからは呉港や造船所を一望でき、映画で描かれた風景そのものが広がっています。ゆっくり景色を楽しんだあとは、近くの「子規句碑前」バス停から呉駅まで戻ることができます。

バスと徒歩で気軽に楽しむ“ライト”コース(所要約半日)

もう少し時間を短縮したい方には、広電バスを利用したモデルコースも便利です。呉駅前から辰川線のバスに乗り、約13分で「辰川バス停」に到着。ここから徒歩で「すずさん家」を訪問し、段々畑や隣保館跡などをゆっくり散策します。

徒歩移動が負担に感じる場合は、バスで一駅戻ることも可能です。次に向かう「三ツ蔵」では、映画のワンシーンに重なる市街地の景色が味わえます。

その後は「歴史の見える丘」へ。ここでもすずさんが見ていた景色をそのまま体感でき、映画と現実が静かにつながる不思議な感覚に包まれます。帰りは「子規句碑前」からバスに乗って呉駅まで戻れば、無理なく充実した巡礼旅が楽しめます。

どちらのコースでも、時間に余裕を持って行動し、暑さ対策や休憩を取りながら無理のないペースで巡るのがポイントです。歩きやすい靴で、すずさんの足跡をたどるような旅を、心に残る体験として楽しんでみてください。

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