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Eテレ【おとな時間研究所】探訪 しょうゆ日本の味 茨城の木おけ製法と岩手“奇跡のしょうゆ”復興物語|2025年9月26日放送

おとな時間研究所

しょうゆをもっと楽しむ!

日本の食卓に欠かせない調味料といえば、やはりしょうゆです。味噌と並び、日本の発酵文化を支える存在ですが、「刺身や煮物にかけるだけ」と思っている人も少なくありません。実際にはしょうゆには多くの種類があり、使い分けや楽しみ方も幅広く存在します。さらに、しょうゆ蔵の職人や研究者たちが挑戦する新しい工夫やイベントも全国各地で開催され、若い世代や海外からの注目も集めています。この記事では、2025年に放送予定の番組で取り上げられるエピソードをもとに、しょうゆの魅力を「伝統・復興・ユニークな食べ方」の3つの視点から詳しく紹介します。読むだけで、あなたの食卓のしょうゆ体験がぐっと広がるはずです。

渋谷で話題「木桶による発酵文化サミット」

木桶による発酵文化サミット in 東京 2025 | D&DEPARTMENT

(画像元:木桶による発酵文化サミット in 東京 2025 | D&DEPARTMENT)

2025年夏に渋谷ヒカリエで開催された「木桶による発酵文化サミット」は、世代を超えて多くの人が集まりました。会場には木桶職人や若手蔵人、研究者、料理家など幅広い登壇者がそろい、伝統の技と現代の食文化を結びつける場となりました。来場者は実際に体験できるプログラムが多く用意されていて、しょうゆの奥深さを知るだけでなく、生活の中でどう楽しむかを学べる貴重なイベントになりました。

多彩なトークセッション

プログラムの中では「らぁ麺と木桶醤油」「木桶の10年」「しろたまりの魅力」といったテーマでのトークが行われました。木桶職人の現場の声や若手蔵人の挑戦、さらに料理の専門家による活用法までが紹介され、発酵文化の幅広さが伝わりました。普段はあまり耳にすることのない「しろたまり」という種類のしょうゆが取り上げられたことで、新しい発見をした来場者も多かったのが特徴です。

利き醤油ワークショップ

参加者が特に楽しんだのは利き醤油ワークショップです。濃口、淡口、再仕込み、たまり、しろたまりといった種類を並べて実際に味わい、その違いを五感で体感できました。香り、色、味わいがどのように変化するのかを比べることで、普段何気なく使っているしょうゆの個性に気づけるのが大きな魅力です。

醤油の種類 特徴
濃口醤油 一般的に最も多く流通、バランスのよい旨味
淡口醤油 色が薄く、素材の色を活かす料理に最適
再仕込み醤油 濃厚で甘みが強く、刺身などに合う
たまり醤油 とろみがあり、照り焼きやたれに向く
しろたまり 色が淡く、和菓子やスープなどにも使える

参加型の学びと交流

イベントでは、登壇者への質問コーナーも設けられました。参加者が直接疑問をぶつけることができるため、しょうゆに対する知識をさらに深めることができます。単に講演を聞くだけではなく、自分の生活や料理にどう取り入れるかを考える機会になったのです。しょうゆを「知識として学ぶ」だけでなく「体験できる」スタイルが評価され、特に若い世代が多く訪れたことが印象的でした。

こうしたイベントを通じて、しょうゆは単なる調味料から、文化や体験を共有する存在へと広がっていることが実感できます。

茨城・木おけにこだわる伝統の製法

柴沼醤油醸造

(画像元:柴沼醤油醸造)

茨城県土浦市の柴沼醤油醸造常陸太田市のヨネビシ醤油では、江戸時代からの木桶を守り続けています。ここで仕込まれるしょうゆは、単なる調味料ではなく、時間と自然の力がつくり上げた特別な存在です。木桶には何十年、何百年と受け継がれてきた酵母や乳酸菌が棲みつき、その働きによって複雑で深い味わいが生まれます。大量生産の短期間で仕上げるしょうゆとは明らかに違い、じっくり1年以上熟成させるからこそ、香りやコクが豊かに育つのです。

木桶と菌がつくる味わい

木桶はただの入れ物ではありません。桶の木目や内部に定着した微生物がしょうゆ造りの主役のひとつです。蔵全体が“生き物”のように働き、そこでしか出せない独自の味を形づくっています。柴沼醤油醸造では67本もの木桶を使用し、桶ごとに風味がわずかに異なるとされています。これらを組み合わせることで、唯一無二のしょうゆが生まれるのです。

地元産原料へのこだわり

どちらの蔵も地元産の大豆や小麦に強いこだわりを持っています。柴沼醤油では茨城県産の素材を使い、さらに塩は「伯方の塩」を採用。添加物をできる限り使わず、自然のままの味を大切にしています。ヨネビシ醤油では地元産小麦を焙煎してから仕込む独自の工夫を取り入れており、これによって香ばしい香りと奥行きのある味わいが生まれます。

熟成期間の重み

工業的な生産では数か月で出荷されることが多いしょうゆですが、木桶仕込みは最低でも1年から1年半。四季を通して温度や湿度が変化する環境でじっくりと育ち、その過程で香りや旨味が幾重にも重なっていきます。待つことこそが最高の調味料であり、伝統を守る蔵人たちはその価値を知っています。

見学と食文化体験

これらの蔵では見学を受け入れているところもあり、木桶の大きさや仕込みの様子を目の前で感じることができます。見学者はしょうゆを味わうだけでなく、蔵に漂う香りや桶の存在感を通じて、食文化の深さを体験できます。観光として訪れる人も多く、学びと味わいを同時に楽しめるスポットとして人気が高まっています。

表にまとめると次のようになります。

蔵名 特徴
柴沼醤油醸造(土浦市) 創業330年以上、67本の木桶で天然醸造。地元産原料と伯方の塩を使用。添加物を使わず自然な味わい。
ヨネビシ醤油(常陸太田市) 創業200年以上。九尺の杉桶を使用。地元小麦を焙煎して仕込み、香ばしさとコクを生む。

こうした蔵の取り組みは、しょうゆを「ただの調味料」から「文化や伝統を味わうもの」へと変えており、訪れる人に深い感動を与えています。

奈良・家族で営むしょうゆ蔵

宿泊 - NIPPONIA 田原本 マルト醤油

(画像元:宿泊 – NIPPONIA 田原本 マルト醤油)

奈良県田原本町のマルト醤油は、江戸時代の創業から続いた蔵ですが、戦後の原材料不足で一度途絶えてしまいました。それを70年ぶりに復活させたのが現在の当主一家です。築130年を超える歴史的な醤油蔵を再利用し、しょうゆ造りだけでなく宿泊体験もできる施設「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」として新しい形で再生しました。訪れた人は、古い梁や土壁に囲まれた蔵の空間で一夜を過ごし、しょうゆの香りを身近に感じながら奈良の食文化を楽しむことができます。

蔵に泊まるという体験

宿泊施設として蘇った蔵では、伝統的な建物の雰囲気をそのままに残しながら、快適に過ごせるように現代的な設備も整えられています。客室は落ち着いた和のしつらえで、窓からは奈良の田園風景を望むことができます。長い年月を経た木材や柱には、かつてのしょうゆ造りの息づかいが刻まれており、そこに泊まることで「しょうゆ文化に触れる時間」を過ごせるのが大きな魅力です。

醤油を活かした料理

宿泊者は館内のレストランで、地元食材と醤油を組み合わせた料理を楽しむことができます。奈良の野菜や大和肉鶏などを使い、生醤油や醤油ジュレ、醤油泡といった多彩な手法で提供されます。伝統的な調味料が新しい形で生まれ変わり、和洋を問わず工夫された料理に仕上げられるのは、この施設ならではの体験です。

地域とつながる蔵の役割

マルト醤油の復活は単なる企業の再生ではなく、地域文化の復興とも結びついています。地元農家との協力で原材料を確保し、観光客を呼び込むことで田原本町全体の活性化につながっています。蔵の建物そのものが歴史的資源であり、訪れる人々に地域の景観や文化を伝える役割を果たしています。

表に整理すると以下のようになります。

特徴 内容
歴史 創業は江戸時代、戦後に一度途絶えるも70年ぶりに復活
建物 築130年の醤油蔵を改修し、宿泊施設として再生
体験 宿泊者は蔵の空気を感じながら過ごし、しょうゆ文化を学べる
料理 地元食材と醤油を融合させた創作料理を提供
地域貢献 農家や住民と連携し、観光資源として町の再生に寄与

このように、マルト醤油は家族の営み地域文化の継承を両立させる、唯一無二のしょうゆ蔵として注目されています。

岩手・震災を乗り越えた「奇跡のしょうゆ」

八木澤商店(岩手県陸前高田市) | 職人醤油 - 醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる!

(画像元:八木澤商店(岩手県陸前高田市) | 職人醤油 – 醤油を使い分けると、食はもっと楽しくなる!)

岩手県陸前高田市の八木澤商店は、2011年の東日本大震災で蔵をすべて流されてしまいました。長年守ってきた木桶や仕込み蔵、在庫も津波で失われ、もう再建は難しいとまで言われました。そんな中で奇跡のように見つかったのが、流出を免れた「もろみ」です。このもろみには長年受け継がれてきた酵母や菌が生きており、これをもとに再び仕込みが始まりました。こうして生まれたのが『奇跡の醤』です。

もろみが残した希望

このもろみは、ただの材料ではなく、長年の歴史と職人の技が刻まれた財産でした。震災前の菌や微生物が生き続けていたからこそ、昔と変わらない味を再現できました。失われた蔵の記憶と共に残されたもろみは、地域の人々に「また再び立ち上がれる」という確かな希望を与えました。

熟成が生む深い味わい

『奇跡の醤』は震災後の夏を2度越えてじっくり熟成されました。高温多湿の東北の夏を経験し、時間をかけて育ったしょうゆは、ただ塩辛いだけではなく、まろやかで奥行きのある旨味を持ちます。その香りは「どこか懐かしい」と評され、家庭の食卓に安心感をもたらしてくれるのが特徴です。

復興の象徴としての役割

『奇跡の醤』は、単なる調味料を超えて復興の象徴として全国に知られるようになりました。被災地から生まれた商品として、購入する人は味わいだけでなく「復興を応援する気持ち」も込めて手に取ります。その存在は地域の経済や心の支えとなり、多くの人に希望を届けています。

家庭での楽しみ方

この醤油はかけしょうゆとしても、煮物や焼き魚などの加熱料理の隠し味としても幅広く使えます。少量加えるだけで料理にやさしい旨味が広がり、家庭の味を支える一本となります。全国から注文が集まり、贈り物としても人気を集めているのは、味と共に込められた物語が多くの人の心を動かしているからです。

表にまとめると次のようになります。

特徴 内容
蔵の歴史 震災で全壊し、すべてを失う
奇跡のもろみ 津波を免れて発見され、菌が生き続けていた
熟成 震災後の夏を2度越えて長期熟成
味わい まろやかで懐かしい香り、やさしい旨味
意義 復興の象徴として全国に広まり、支援の輪を広げた

『奇跡の醤』は、ただのしょうゆではなく、人々の思いと復興の力を結びつける存在として今も愛されています。

しょうゆのユニークな楽しみ方

しょうゆは和食の定番調味料ですが、その活躍の場は料理だけにとどまりません。実はデザートやアレンジ調味料としても楽しむことができ、工夫次第で食卓をぐっと華やかにしてくれます。意外な組み合わせや少しの工夫で、日常の料理が一気に特別な味わいに変わるのです。

デザートに変身するしょうゆ

まずおすすめしたいのがバニラアイスにしょうゆをかける食べ方です。ひとさじかけるだけでキャラメルのような香ばしさが生まれ、甘じょっぱい不思議な味わいに変化します。普段のアイスクリームが一気に和風スイーツに変わる手軽さも魅力です。さらに、キャラメルソースに少量のしょうゆを加える「しょうゆキャラメル」も人気があります。ソース自体にコクが加わり、ナッツやビスケットを添えると、まるで専門店のデザートのような仕上がりになります。

アレンジ調味料で料理が変わる

料理好きの人には、家庭で作れるにんにくしょうゆニラしょうゆがおすすめです。にんにくを漬け込めば肉料理や炒め物が一層香ばしくなり、ニラを使えば冷奴や餃子のたれにぴったり合います。数日置くだけで香りが移り、冷蔵庫で保存すれば日々の料理の万能調味料になります。こうしたアレンジ調味料は「余ったしょうゆを使い切る」工夫にもなり、日常使いとして重宝されています。

仕上げに活きるたまりしょうゆ

もうひとつ注目したいのがたまりしょうゆです。濃厚でとろみがあるため、煮物や照り焼きの仕上げに数滴加えるだけで見た目も味も格段に良くなります。特に照り焼きのタレは照りが増し、見た目の美しさとともに深い旨味が引き立ちます。刺身や焼き魚に使うと、醤油の風味が主役になり、普段の料理が一段と本格的に感じられます。

表にまとめると次のようになります。

楽しみ方 特徴
バニラアイス+しょうゆ 甘じょっぱさが広がり、キャラメル風味に変化
しょうゆキャラメル コクが深まり、デザートソースとして格上げ
にんにくしょうゆ 炒め物や肉料理に香ばしさをプラス
ニラしょうゆ 冷奴や餃子のタレにぴったり合う万能調味料
たまりしょうゆ 煮物や照り焼きの仕上げで濃厚な照りと旨味を演出

このようにしょうゆは「和食に使うだけ」という枠を超えて、デザートから日常のアレンジ調味料まで幅広く楽しむことができます。身近なしょうゆを少し違った形で使うだけで、家庭の料理やデザートが驚くほど豊かに変わります。

まとめ

今回紹介したしょうゆの魅力は大きく5つです。

  1. 渋谷での「発酵文化サミット」が示した、体験型イベントの広がり

  2. 茨城の木桶仕込みに代表される、時間と伝統が生み出す深い味わい

  3. 奈良・マルト醤油が描く、家族と地域再生の物語

  4. 岩手・八木澤商店『奇跡の醤』に込められた復興の力

  5. アイスや万能調味料など、家庭で楽しめるユニークな使い方

しょうゆは単なる調味料ではなく、文化と人の物語が詰まった存在です。放送後には番組で紹介された具体的な料理や職人の言葉を追記し、さらにリアルなしょうゆの世界をお届けします。ぜひ次の食卓では、少し冒険して新しいしょうゆの楽しみ方を試してみてください。


ソース:
柴沼醤油醸造 公式サイト
ヨネビシ醤油(常陸太田市)観光協会
マルト醤油 NIPPONIA 田原本
八木澤商店 公式サイト
木桶による発酵文化サミット in 東京


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