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Eテレ【きょうの健康】高血圧の新常識 最新ガイドラインから『食事は減塩+カリウム!』ナトカリ比で変わる血圧ケアの未来|2025年10月14日★

きょうの健康

減塩だけじゃない!『カリウム習慣』で血圧を守ろう

「塩分を控えているのに、血圧が下がらない…」そんな悩みを感じたことはありませんか?
多くの人が高血圧対策と聞くと「減塩」を思い浮かべますが、実は今、医療の現場ではそれだけでは足りないことが分かってきています。
2025年に改訂された日本高血圧学会『高血圧管理・治療ガイドライン2025』では、新たなキーワードとして『カリウム』が登場しました。
このカリウム、実は塩分(ナトリウム)とペアで働く“体内バランスの調整役”。
摂取の仕方を工夫するだけで、血圧の安定、むくみ予防、さらには心臓や脳の健康にも良い影響を与えることがわかっています。

この記事では、ガイドラインの最新情報をもとに、「減塩+カリウム」で最強の血圧ケアを実現する方法を詳しく紹介します。
忙しい人でも今日から始められる具体的な食材・習慣も紹介するので、あなたの食卓にもすぐに取り入れられます。

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高血圧対策の新基準とは?

2025年のガイドライン改訂で、これまでの「塩を減らす」中心の考え方から、「ナトリウムとカリウムのバランスを整える」方向へと大きく進化しました。
特に注目されているのが、尿ナトリウム/カリウム比(ナトカリ比)です。
これは、体の中でナトリウムとカリウムがどのように働いているかを示す指標で、数値が「2未満」だと血圧が安定しやすいとされています。

つまり、「塩を減らす」だけでなく、「カリウムを積極的にとる」ことでナトリウムを外に出しやすくし、結果的に血圧を下げるという新しい考え方です。

目標とされる血圧値もより明確になりました。
診察室で測る血圧は130/80mmHg未満が理想であり、家庭血圧の定期測定も推奨されています。
また、減塩目標は1日6g未満。これにカリウム摂取を組み合わせることで、より確実に血圧の安定が見込めるとされています。

さらに、2025年版では「自己管理」が重要視されています。
医師に任せるだけではなく、食事・運動・体重・睡眠を自分でコントロールする姿勢が求められているのです。

カリウムをとるとどう変わる?

カリウムをしっかりとることで、体の中でどんな変化が起こるのでしょうか?

  1. ナトリウムを排出して血圧を安定させる
    カリウムは腎臓でのナトリウム再吸収を抑え、尿として体外へ排出するサポートをします。
    これによって血管内の水分量が適正に保たれ、血圧の上昇を防ぎます。

  2. 血管のしなやかさを保つ
    カリウムは血管の筋肉をリラックスさせ、血管の収縮を防ぐ作用もあります。
    この働きにより、動脈硬化や脳卒中のリスクを下げることが期待されています。

  3. カルシウムの流出を防ぎ、骨を守る
    カリウムをとることで、尿からカルシウムが流れ出すのを防ぐ効果もあるとされています。
    長期的には、骨粗しょう症の予防にもつながるのです。

  4. むくみの軽減・心臓への負担軽減
    ナトリウムが多すぎると体は水分をため込みますが、カリウムを増やすとそのバランスが改善され、むくみや心臓への負担を減らします。

これらの効果は、「薬に頼らず自然に血圧を安定させたい」という人にとって大きな味方になります。

どんな食材からとればいい?

カリウムは、実は身近な食材にたっぷり含まれています。
代表的な食材と含有量をまとめると、次のようになります。

食材名 1食の目安量 カリウム量(mg) 特徴
バナナ1本 約100g 約360 手軽にとれる果物の代表格
ほうれんそう(茹で)1/2束 約100g 約490 鉄・ビタミンも豊富
里いも2個 約100g 約640 食物繊維も多く整腸作用あり
納豆1パック 約50g 約330 植物性たんぱく質とW効果
じゃがいも中1個 約100g 約410 加熱してもカリウムが残る優秀食材
ブロッコリー 約100g 約360 カリウムとビタミンCを同時に補給

ほかにも、豆腐・キウイ・アボカド・切り干し大根・ひじきなども優秀なカリウム源です。
加工食品や外食中心の生活では、どうしても塩分過多になりがちなので、家庭での自炊時には「主食+主菜+副菜に野菜を1品足す」ことを意識しましょう。

また、調理法も大切です。
茹でこぼすとカリウムが水に流れ出てしまうため、蒸す・炒める・スープにするといった調理法がおすすめです。
スープやみそ汁を具だくさんにすれば、減塩とカリウム摂取を同時に叶えることができます。

専門家がすすめる「カリウム習慣」

高血圧専門医の苅尾七臣先生は、こう語ります。
「カリウムは特別な食材ではなく、日々の食事の中で少しずつ増やすことがポイントです。」

専門家がすすめる“カリウム習慣”の例は次の通りです。

・朝はバナナやキウイをプラスしてスタート
・昼は具だくさんスープやサラダを選ぶ
・夜は豆腐・いも類・豆類を取り入れる
・インスタント食品・漬物・外食を控えめに
・水分をしっかりとって排出をサポート

また、乾物をうまく使うのもおすすめです。ひじきや切り干し大根、干ししいたけは、少量でもカリウムが濃縮されており、日持ちもする優秀な食材です。

さらに、最近は「カリウム強化の減塩しょうゆ」や「減塩みそ」も市販されています。
味を損なわずに減塩+カリウム補給ができるため、無理なく続けられます。

減塩+カリウム=最強の血圧ケア

「減塩」と「カリウム摂取」を両立することが、いま最も効果的とされています。
減塩でナトリウムの摂取を減らし、カリウムで余分なナトリウムを外に出す。
まさに、二段構えの血圧ケアです。

特に、カリウムはサプリよりも食材から摂る方が効果的。
自然な形でとることで、他の栄養素との相乗効果も生まれます。

ただし、腎機能が低下している方やカリウム保持性の薬を服用している方は、体内にカリウムがたまりすぎる「高カリウム血症」に注意が必要です。
医師に相談しながら、摂取量を調整しましょう。

まとめ

この記事のポイントは次の3つです。

  1. 『高血圧管理・治療ガイドライン2025』では、カリウム摂取の重要性が正式に明記された。

  2. カリウムはナトリウムを体外へ排出し、血圧・むくみ・血管の健康を守る。

  3. 「減塩+カリウム摂取」が、最強の血圧ケアとして注目されている。

今日からできることは、小さな工夫の積み重ねです。
朝に果物を足す、昼にスープを具だくさんにする、夜に豆腐や里いもを取り入れる――それだけで体は確実に変わります。
あなたの健康を守る第一歩は、“食卓のひと皿”から始まります。

ソース:NHK「きょうの健康」高血圧の新常識『食事は減塩+カリウム!』(2025年10月14日放送)
https://www.nhk.jp/p/kenko/

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