Eテレ【きょうの健康】緊急避妊薬が薬局で買える理由と注意点　レボノルゲストレル承認とOTC医薬品リスク｜2025年12月18日

緊急避妊薬とOTC医薬品の正しいつきあい方

このページでは『きょうの健康（2025年12月18日放送）』の内容を分かりやすくまとめています。
緊急避妊薬が薬局で買えるようになったというニュースは、多くの人にとって身近でありながら、不安や疑問も生まれやすい話題です。今回の放送では、緊急避妊薬だけでなく、かぜ薬や胃腸薬などのOTC医薬品をどう使えば安心なのかを、専門家の視点で整理して伝えます。薬を「自己判断で使う時代」だからこそ、知っておきたい基本が詰まった回です。

OTC医薬品とは　処方せんなしで買える薬の基本

OTC医薬品とは、医師の処方せんがなくても薬局やドラッグストアで購入できる市販薬のことです。英語の「over-the-counter drug」の略で、カウンター越しに買える薬という意味があります。かぜ薬、解熱鎮痛薬、胃腸薬、湿布や塗り薬など、日常生活の中で多くの人が使っている薬が含まれます。
これらは比較的安全性が高いと判断された成分や量で作られていますが、誰が使っても完全に安全というわけではありません。使う人の体調や年齢、ほかに飲んでいる薬によって、注意が必要な場合もあります。

緊急避妊薬が薬局で買えるようになった理由

2025年10月、緊急避妊薬『レボノルゲストレル』が、薬局で処方せんなしに購入できる薬として承認されました。これまで緊急避妊薬は、医療機関を受診して処方を受ける必要がありました。
しかし、緊急避妊薬は性交後できるだけ早く服用するほど効果が高いとされています。夜間や休日、すぐに医療機関に行けない状況では、必要なタイミングで手に入らないという課題がありました。薬局で購入できるようにすることで、必要な人がより早くアクセスできるようにすることが、この承認の大きな背景です。

OTC医薬品にはリスクの違いがある

OTC医薬品はすべて同じ扱いではなく、リスクの程度によって分類されています。
比較的注意が必要な薬は、薬剤師による説明が求められる仕組みになっています。緊急避妊薬のように、使い方やタイミングが重要な薬は、購入時に薬剤師から説明を受けることが前提になります。一方で、リスクが比較的低い薬は、棚から選んで購入できるものもあります。
大切なのは、「市販薬だから軽い薬」と思い込まず、薬ごとの特性を理解することです。

かぜ薬や胃腸薬でも気をつけたいポイント

身近なかぜ薬や胃腸薬も、使い方を間違えると体に負担をかけることがあります。たとえば、かぜ薬は症状に合わせて選ばないと、必要のない成分まで摂ってしまうことがあります。
また、複数の薬を同時に使うことで、同じ成分が重なり、副作用のリスクが高まる場合もあります。持病がある人や妊娠中の人は、特に注意が必要です。説明書を読むこと、迷ったら相談することが、安全につながります。

薬剤師に相談することが安心につながる理由

OTC医薬品は自己判断で買える薬ですが、薬剤師はその判断を支える存在です。今の症状に合った薬かどうか、飲み合わせの問題がないか、使うタイミングや注意点は何か。こうした点を確認することで、薬の効果を引き出しながらリスクを下げることができます。
緊急避妊薬のように、使う時期や状況が重要な薬では、薬剤師の説明が特に重要になります。相談することは、特別なことではなく、安心して薬を使うための一部です。

専門家が伝えるOTC医薬品との上手なつきあい方

OTC医薬品と上手につきあうために大切なのは、用途を理解し、用法や用量を守ることです。症状が長引く場合や、いつもと違う違和感がある場合は、医療機関を受診する判断も必要になります。
薬は「便利な道具」である一方、正しく使ってこそ力を発揮します。今回の『きょうの健康』では、緊急避妊薬をきっかけに、市販薬全体との向き合い方を見直すヒントが示されます。

まとめ

緊急避妊薬がOTC医薬品として薬局で買えるようになったことは、大きな変化です。同時に、OTC医薬品をどう選び、どう使うかという意識も問われています。
薬を安心して使うための基本は変わりません。正しい知識と相談を重ねながら、OTC医薬品と上手につきあっていくことが大切です。

OTC医薬品を使う前に必ず見てほしい説明書のポイントを紹介します

しげゆき

OTC医薬品は、薬局で気軽に買える反面、使う人が自分で判断する場面も多い薬です。だからこそ、箱の中に入っている説明書はとても大切な存在です。すべてを細かく読むのが大変なときでも、ここだけは必ず目を通してほしいポイントがあります。実際の市販薬を想定しながら、確認しておきたい部分を紹介します。

有効成分と効能は最初に確認する

説明書のはじめに書かれている「成分」と「効能・効果」は、まず確認したい部分です。ここには、その薬がどんな症状に効くのか、どんな成分が入っているのかが書かれています。たとえば、かぜ薬でも熱向きなのか、せき向きなのかで中身は違います。また、他の薬を飲んでいる場合、同じ成分が重なっていないかを見ることがとても重要です。成分名を見ることで、飲み合わせのトラブルを防ぐことにつながります。

用法・用量と使ってはいけない人

次に必ず確認したいのが「用法・用量」と「使用上の注意」です。ここには、何歳から使えるのか、1回に飲む量や回数が具体的に書かれています。多く飲めば早く治るというものではなく、決められた量を守ることが安全につながります。また、「使ってはいけない人」や「使う前に相談が必要な人」が書かれている場合もあります。持病がある人や妊娠中の人は、特にここを確認することが大切です。

副作用・保管方法・使用期限

説明書の後半には、副作用や保管方法、使用期限がまとめられています。ここはつい見落としがちですが、体に合わないサインを知るための重要な情報です。飲んだあとにどんな変化が出たら注意すべきかが書かれています。また、薬は置き場所も大切で、高温や湿気を避ける必要がある場合もあります。使用期限を過ぎた薬は、効果や安全性が変わることがあるため、期限の確認も忘れずに行いたいポイントです。