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【ショートストーリーズ】優しい調教師と6頭の馬 〜石川 珠洲市〜 引退競走馬の余生と角居勝彦の決断 能登半島地震を越えた牧場の記録|2026年1月1日

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引退馬と生きる能登の朝 優しい調教師が選んだ第二の道

このページでは「ショートストーリーズ(2026年1月1日放送)」の内容を分かりやすくまとめています。
能登半島の最北端、珠洲市にある小さな牧場で、引退した競走馬6頭と人が向き合う日々が描かれました。世界の舞台で勝ち続けた元調教師が、なぜ競馬界を離れ、この地で馬の余生を支える道を選んだのか。そこには、能登半島地震という大きな試練と、それでも続いていく静かな暮らしがありました。

世界の角居と呼ばれた調教師が能登で牧場を開いた理由

舞台は能登半島の最北端、石川県珠洲市です。
ここにある『珠洲ホースパーク』では、役目を終えた競走馬たちが余生を過ごしています。

牧場を開いたのは、金沢出身の元調教師 角居勝彦 さんです。
競馬の世界では『世界の角居』と呼ばれ、ウオッカをはじめ、多くの名馬を育ててきました。
国内最高峰のG1や国際大会での勝利を重ね、最多勝や賞金王にも輝いた実績があります。

その一方で、調教師として長く現場に立つ中、勝てなかった馬や、調教に耐えきれず故障していく馬たちも見続けてきました。
競走の世界では結果がすべてです。実力が足りなければ引退し、その先の行き場が決まらない馬も少なくありません。

角居さんは、定年が70歳とされる調教師を56歳で引退しました。
この決断は競馬界に大きな驚きを与えましたが、その背景には「引退した馬たちが安心して生きられる場所をつくりたい」という思いがありました。

祖父母が暮らしていた能登の自然に親しんできた角居さんは、競馬界を離れたあと、珠洲市で牧場を開きました。
去年8月に始まったこの場所は、引退馬と人が新しい関係を築く場となっています。

レッドチェイサーが教えてくれた「体も心も傷ついている」現実

撮影が始まった去年11月、牧場にやってきたのが9歳の『レッドチェイサー』です。
通算81戦11勝という戦績を持つ競走馬でしたが、2週間前に足を痛め、突然引退が決まりました。

牧場に来ると、まず行われるのは体調の確認です。
レッドチェイサーは人が乗ることを嫌がり、歩き方も不安定でした。
角居さんは、引退馬は『体も心も傷ついている』状態だと見ています。

足の痛みをかばうことで体のバランスが崩れ、その影響が内臓の調子にも及ぶことがあります。
そのため、無理に動かすことはせず、歩き方や立ち姿をよく観察しながら、少しずつ整えていきます。

ご褒美として与えられるのは、敷地内に自然に生えている草です。
競走馬時代に与えられていた高カロリーの飼料とは違い、体をゆっくり戻すための食事です。

調教師時代の経験があるからこそ、角居さんは馬の小さな変化を見逃しません。
レッドチェイサーの表情や動きを見ながら、焦らず向き合う時間が続きました。

朝6時半から始まる6頭の一日と人が集まる牧場

牧場の朝は6時半に始まります。
6頭の馬が動き出す時間、スタッフは餌やりに追われます。
馬の体調や様子を確認しながら、それぞれに合った世話が行われます。

日が昇ると、馬たちは放牧地へ向かいます。
日が暮れるまで、自然の中で自由に過ごすのが、ここでの基本の一日です。

この牧場は、ただ馬を預かるだけの場所ではありません。
去年8月に開いた新しい形の牧場には、週末になると多くの人が訪れます。

人が馬と触れ合い、同じ時間を過ごすことが、自然と心を整える時間になります。
角居さんが大切にしているのが『ホースセラピー』という考え方です。
心や体に負担を抱えた人が、馬と接することで落ち着きを取り戻していく。
その空気が、牧場全体に広がっていました。

カウディーリョとセリが見せた寄り添う姿

牧場を訪れた人の一人が、兵庫県から来た西野さんです。
小学生のころから競馬が好きで、特に気にかけている馬が『カウディーリョ』でした。

カウディーリョは、父が日本ダービーを制した『キングカメハメハ』、母が角居さんが育てた『ディアデラノビア』という血統を持っています。
しかし、両親のような成績を残せないまま、去年8月に引退しました。

西野さんは講談師として活動しています。
関西を代表する名講談師に憧れ、同じ世界に入りましたが、『二世』という意識にとらわれ、悩み続けてきたと語ります。

牧場に来たばかりのカウディーリョは、他の馬と距離を取り、一頭で過ごしていました。
そんな中で変化が生まれたのが、最年長の牝馬『セリ』との関係です。

セリは脳梗塞で倒れ、左目が見えづらくなっていました。
するとカウディーリョは、自然とセリの左側に寄り添うようになります。
言葉はなくても、馬同士が相手の状態を感じ取り、支え合う姿が印象的に映し出されました。

群れに戻るレッドチェイサーと見守る覚悟

牧場に来て11日目、レッドチェイサーの足の状態が回復し、他の馬と合流する日を迎えました。
角居さんは金沢競馬場から装蹄師を呼び、1歳のころから付け続けてきた蹄鉄を外します。

競走馬として過ごしてきた7年間、レッドチェイサーは集団で暮らす経験がほとんどありませんでした。
放牧地に入ると、いきなり他の馬に蹴られ、群れから追い出されます。

それでも角居さんは、手を出さず、声もかけず、ただ見守ります。
時間が経つと、レッドチェイサーは自分から群れに近づいていきました。
しばらくして、セリが鼻をすり寄せます。

群れの中でどう振る舞えばいいのかを、馬自身が思い出していくような場面でした。
人が教えるのではなく、馬が馬として生き直す時間が流れていました。

令和6年能登半島地震と続く牧場の日常

元日、令和6年能登半島地震が牧場を襲いました。
取材チームが再び牧場を訪れたのは、発生から1か月以上が過ぎたころです。

スタッフと馬は無事でしたが、施設の一部は倒壊し、牧場のあちこちが壊れていました。
馬6頭が1日に必要とする飲み水は約0.4トンです。
その水を確保するため、スタッフは毎日、離れた場所にある井戸まで通いました。

多くのスタッフは自宅に戻らず、車や事務所で寝泊まりを続けます。
夜中に再び地震が起きたとき、すぐに馬の安全を確保するためです。

そんな状況の中でも、角居さんは「こんなときだからこそ、たくさんの人に見てほしい」と話しました。
この日、ポニーの『テン』にリアカーを付け、瓦礫を運ぶ姿がありました。

能登半島の最北端、珠洲市の牧場では、6頭の馬と人が、自然と向き合いながら今も暮らしを続けています。

まとめ

『優しい調教師と6頭の馬』は、引退競走馬のその後と、人が馬とどう生きるのかを描いた物語です。
走ることを終えた馬たちが、走らなくても生きていける場所。
地震という大きな出来事を経験しながらも続く日常が、能登の時間として静かに伝わってきました。

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