- 春を連れてくる「目にも鮮やか!春野菜の軽やかレシピ」
春を連れてくる「目にも鮮やか!春野菜の軽やかレシピ」
きょうの料理の今回のテーマは、タイトルどおり「目にも鮮やか!」な春野菜です。スーパーの棚に、やわらかな緑色や淡い黄色の野菜が並びはじめると、「ああ、もう冬が終わるんだな」と感じますよね。番組では、その季節の移り変わりを台所から感じられるようなレシピが紹介されました。
今回とり上げられたのは、新玉ねぎを主役にした「新たまと鶏肉の甘酢あえ」。特別な材料ではなく、どこの家庭にもあるような食材で作れるのに、見た目は春らしく華やか。軽やかな酸味と、やさしい甘さが一皿にぎゅっとつまった料理です。
料理番組は「作り方」を伝えるだけでなく、「今この季節だからこそ食べたい」という気持ちも一緒に届けてくれます。この回も、まさにそんな春の空気をまとった内容になっていました。
料理研究家・田口成子さんが大事にする「素材を食べる」スタイル
この日の講師は、ベテランの料理研究家である田口成子さんです。番組紹介にも、「最小限の味つけで『素材を食べる』のが身上」と書かれているとおり、田口さんのレシピは、調味料をたくさん重ねて味をつくるというより、「素材そのものの良さをどう引き出すか」に重点があります。
今回の「新たまと鶏肉の甘酢あえ」も、調味料の種類は多くありません。甘み、酸味、塩けをきちんと整えた甘酢あえに、新玉ねぎの甘さと鶏肉のうま味をのせる構成です。だからこそ、ひとつひとつの工程がとても大切になってきます。
料理の世界では、塩や砂糖、酢などの「基本の調味料」をきちんと扱うことが、いちばんおいしさにつながると言われます。田口さんのレシピは、その原則をやさしく教えてくれるような内容になっています。
主役の春野菜「新たまねぎ」の特徴とおいしい季節
今回の主役は、みずみずしい新玉ねぎです。新玉ねぎは、ふつうの玉ねぎのように長く貯蔵せず、収穫してからあまり時間をおかずに出荷されるので、水分が多く、辛みがやわらかいのが特徴です。日本では、地域にもよりますが春から初夏にかけて多く出回り、サラダやマリネにぴったりの野菜として人気があります。
保存用の玉ねぎは、風通しのよい場所でじっくり乾燥させることで辛みが強くなり、煮込み料理などで存在感を発揮します。それに対して新玉ねぎは、みずみずしさと甘さを生かして、「生でシャキッと」「軽く加熱してとろっと」と、いろいろな表情を見せてくれます。今回のレシピは、その両方の良さのちょうど中間を狙ったような使い方になっていました。
「新たまと鶏肉の甘酢あえ」の基本構成と味わいのイメージ
料理名のとおり、この一皿は大きく分けて「新玉ねぎ」と「鶏肉」、そしてそれらを包み込む「甘酢」の3つで成り立っています。
薄切りにした新玉ねぎは、サッとゆでることでやさしい甘さが前面に出てきます。そこに、こんがりと火を通した鶏肉が加わることで、香ばしさと食べごたえがプラスされます。仕上げに、ほんのり甘くてきゅっと酸味のきいた甘酢あえで全体をまとめると、口の中で「シャキッ」「ふっくら」「じゅわっ」と、いくつもの食感がひとつのハーモニーになります。
味わいとしては、「酢の物」ほど酸味は強くなく、「照り焼き」ほどこってりしていません。春らしく軽やかで、さっぱりしているのに、鶏肉のおかげで満足感もある。そのバランスが、この料理の魅力です。
新たまねぎを薄切りにしてサッとゆでる理由
番組の説明でも、「新たまねぎを薄切りにしてサッとゆでるのがポイント」とくり返し強調されています。
新玉ねぎには、辛みのもとになる成分がふくまれていますが、これは水に溶けやすく、熱にも弱い性質があります。そのため、薄く切って短い時間だけゆでると、辛みがほどよく抜けて、甘さが前に出てきます。生のままスライスして水にさらす方法もありますが、春の新玉ねぎはサッとゆでることで、独特の「とろり」とした食感も楽しめます。
科学的に見ると、熱を加えることで細胞のかべがやわらかくなり、玉ねぎにふくまれる糖分を舌が感じやすくなります。その結果、「同じ玉ねぎなのに、ここまで甘くなるのか」と驚くような味わいになります。
鶏肉の部位選びと下ごしらえのコツ
相棒となる鶏肉は、家庭料理では扱いやすい鶏もも肉が定番です。脂がほどよくのっているため、加熱してもパサつきにくく、甘酢との相性も抜群です。一方で、さっぱり仕上げたい場合は鶏むね肉を使うという選択肢もあります。
下ごしらえでは、余分な脂や筋をていねいに取りのぞき、食べやすい大きさに切りそろえます。大きさをそろえることで火の通り方が均一になり、「外はこんがり、中はしっとり」という理想の状態に近づきます。
さらに、塩や酒を軽くもみ込んでおくと、鶏肉のうま味が引き立ち、臭みも気になりにくくなります。家庭料理ではつい省きがちなひと手間ですが、ここをおろそかにしないことで、仕上がりのレベルがぐっと上がります。
甘酢だれの味のバランスと失敗しないためのポイント
甘酢あえでいちばん大事なのは、「甘み」「酸味」「塩け」のバランスです。甘みが強すぎるとぼんやりした味に、酸味が勝ちすぎるとツンとした印象になってしまいます。
一般的な甘酢では、酢と砂糖をほぼ同じくらいにし、しょうゆや塩で味をひきしめる配合がよく使われます。家庭で作るときは、最初は「やや薄めかな」と感じるくらいにしておき、具材と合わせてから少しずつ味を見て調整すると失敗が少ないです。
酢は、使う種類によって香りが変わります。穀物酢はすっきり、米酢はまろやか、りんご酢はフルーティーな仕上がりになります。春らしい軽やかさを出したい場合は、香りの強すぎない酢を選ぶと、素材のじゃまをしません。
火の通し方とあえるタイミングで変わる食感の違い
この料理では、新玉ねぎと鶏肉にそれぞれ適した火の通し方があります。新玉ねぎは「サッと」ゆでるのが合言葉で、長くゆですぎると、せっかくのシャキッとした食感が失われてしまいます。
鶏肉は、表面にこんがりと焼き色をつけることで香ばしさが増し、甘酢と出会ったときに深みのある味わいになります。ここで火を通しすぎると固くなってしまうので、中まで火が通ったタイミングで止めることがポイントです。
また、甘酢だれとあえるタイミングも仕上がりを左右します。温かいうちにあえれば味のなじみがよく、少しおいてから食べると全体がしっとりまとまります。冷蔵庫で冷やせば、さっぱりとしたおかずとしてお弁当にも使いやすくなります。
春の食卓で映える盛りつけとおすすめの献立の組み合わせ
「新たまと鶏肉の甘酢あえ」は、白い器に盛りつけると、新玉ねぎの透明感や鶏肉のこんがりした色合いがよく映えます。上に細ねぎや、ゆでたスナップえんどうなどの春野菜を少し添えると、さらに春らしい一皿になります。
献立として合わせやすいのは、シンプルなごはんと、具だくさんの味噌汁です。甘酢あえ自体にしっかりした味があるので、ほかのおかずは塩分控えめなものを選ぶと全体のバランスがよくなります。たとえば、だしをきかせた卵焼きや、おひたしなどがぴったりです。
酸味のあるおかずは、油っぽい料理と合わせると、口の中をさっぱりとリセットしてくれる効果もあります。唐揚げやコロッケなど、少し重たいメニューの日に、少量そえるだけでも食卓がぐっと軽やかになります。
同じ特集から見える「春野菜の軽やかレシピ」の世界観
今回の放送は、きょうの料理テキストの「目にも鮮やか!春野菜の軽やかレシピ」という特集の一部でもあります。同じ特集では、「新たまと鶏肉の甘酢あえ」のほかにも、春キャベツや菜の花など、春ならではの野菜を使ったレシピが紹介されています。
どのレシピにも共通しているのは、「色合い」「軽さ」「シンプルさ」です。春野菜は、冬の根菜に比べて水分が多く、火の通りも早いので、短い時間の加熱で仕上がる料理が多くなります。忙しい日の夕食や、ちょっと気分を変えたいときにも取り入れやすいのがうれしいところです。
この回の放送をきっかけに、視聴者がテキストや他の回もチェックして、「今の季節に合う野菜って何だろう」と考える入口にもなっています。
毎日のごはんに生かせる新たまねぎ&春野菜の使いこなしヒント
「新たまと鶏肉の甘酢あえ」は、レシピ通りに作るだけでももちろんおいしいのですが、考え方を覚えておくと、普段の料理にも応用しやすくなります。
たとえば、「辛みのある野菜を薄切りにしてサッとゆでると、甘みが前に出て食べやすくなる」というポイントは、たまねぎ以外にも応用できます。長ねぎや、少し辛みのある葉野菜にも、似たような効果があります。
また、「甘酢であえる」という技は、揚げ物の残りや、ゆでただけの野菜にも使えます。冷蔵庫に半端に残った野菜を一口大に切ってゆで、簡単な甘酢であえるだけで、立派な副菜に変身します。
春は、体もまだ冬のリズムを引きずっていて、なんとなく重さを感じやすい時期です。そんなときに、春野菜と甘酢あえの組み合わせは、胃にも気持ちにも軽やかな風を通してくれます。今回の「新たまと鶏肉の甘酢あえ」は、その季節の変わり目にぴったり寄りそう一皿と言えるでしょう。
放送内容についてのまとめ
今回紹介した内容は事前情報をもとに構成しているため、実際の放送と異なる場合があります。新玉ねぎや春野菜のおいしさを生かすポイントを中心にまとめましたが、放送ではさらに細かな工程や仕上げの工夫が語られる可能性があります。春らしい軽さを感じられる料理なので、家庭でも作りやすいはずです。放送後に新たな情報があれば、必要に応じて追記します。
NHK【きょうの料理】田口成子のかつおソテー&五目いり豆腐|初夏の定番レシピを紹介|2025年5月12日
田口成子さんについて紹介します

料理研究家として長く活動されてきた田口成子さんは、家庭で作りやすい料理を大切にしながら、素材の持つ味を生かす工夫を伝えてきました。ここでは、番組記事では触れきれなかった田口成子さんの経歴や活動について、筆者からの追加情報として紹介します。料理を続けてきた歩みや、本づくりへの思いがよくわかる内容です。
経歴の歩み
田口成子さんは、料理学校で講師を務めたあと独立し、雑誌やテレビで幅広くレシピを紹介してきました。若いころには料理学校で多くの生徒と向き合い、基本の切り方や下ごしらえを丁寧に教える日々を過ごしています。その経験が、後の家庭料理のわかりやすい説明につながっています。さらにイタリアに約一年滞在し、現地の家庭料理を学んだことも大きな糧になっています。イタリアでは日本とは違う調理のリズムにふれ、野菜の使い方や煮込みの香りづけなど、多くの学びを持ち帰っています。帰国後は、洋風の要素も取り入れながら、家庭で再現しやすいレシピをつくり続けてきました。また、小学校や養護学校で食育にも関わり、子どもたちに食べる楽しさを伝える活動も行っています。
実績と活動の広がり
田口成子さんは、きょうの料理を中心に、雑誌や書籍で数多くのレシピを発表してきました。特に魚料理や旬の野菜を使ったおかずに定評があり、家庭で作りやすい味つけをわかりやすく伝えています。料理教室では、切り身の魚の扱い方や基本調味料の合わせ方など、実生活にすぐ役立つ内容を指導しています。レシピの紹介だけでなく、毎日の食事づくりを楽しむヒントを伝える姿勢が多くの支持を集めています。教室や講習会では、野菜の切り方や火の通し方を丁寧に教え、料理が初めての人でも取り組みやすい内容を続けてきました。
代表作と人物の特徴
田口成子さんは、家庭料理の入門書から野菜や魚に特化した本まで、多彩なレシピ本を出版しています。中でも代表作の一つがはじめての料理(主婦の友社)で、料理初心者が基本を学びやすい構成になっています。どの本も素材の味を生かすやさしい調理法が特徴で、無理なく毎日の食卓に取り入れられるアイデアばかりです。田口さんを語るときに外せないのは、素材の持つ力を大切にする姿勢です。野菜や魚の扱い方をわかりやすく示し、家庭の台所で再現しやすいレシピを数多く生み出しています。食育にも積極的に取り組み、子どもから大人まで幅広い人に料理の楽しさを届けている点も魅力です。
代表作「はじめての料理」
代表作として紹介したいのがはじめての料理です。この本は料理を始めたい人に向けて、基本の切り方や調味料の使い方をていねいにまとめてあります。写真も多く、家庭で迷わずに作れる内容が評価されています。家庭料理の入り口として長く愛されている一冊で、田口成子さんのやさしいレシピづくりの姿勢がそのまま表れています。
気になるNHKをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。


コメント