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【ドキュメント72時間】東京・植物園 わたしだけの冬に|小石川植物園で出会う静寂と梅の美しさ【2025年3月14日放送】

ドキュメント

東京・植物園 わたしだけの冬に|2025年3月14日放送回

冬の植物園は、春や夏のような華やかさこそないものの、その静けさや枯れた植物の美しさが魅力です。花が少ない時期でも、そこに足を運ぶ人がいます。なぜ冬の植物園に人は訪れるのでしょうか?今回の「ドキュメント72時間」では、東京の中心にある植物園で、冬の風景と向き合う人々の姿を3日間にわたり記録しました。彼らはどんな理由でこの場所を訪れ、何を感じているのでしょうか?番組の内容を詳しく紹介していきます。

小石川植物園とは?冬の植物園の魅力

東京・文京区にある小石川植物園は、東京大学大学院理学系研究科附属の植物園で、日本でも歴史のある植物園のひとつです。その歴史は1684年、徳川幕府が設立した「小石川御薬園」に遡り、1877年に東京大学の附属施設となりました。広大な敷地には約4,000種もの植物が育てられ、四季折々の自然が楽しめます。一般の人も訪れることができる貴重な植物園で、特に春の桜や秋の紅葉が有名ですが、冬の植物園には、ほかの季節にはない静寂と美しさがあります。

冬の植物園は「見どころが少ない」と思われがちですが、実は冬ならではの魅力があります。

  • 静寂の中で植物と向き合える
    人が少なく、園内はとても静かです。風の音や鳥の声を感じながら、ゆっくりと散策できます。
  • 冬に咲く植物を楽しめる
    梅の花やツバキなど、寒さに負けず咲く花もあり、冬ならではの風情を楽しめます。
  • 枯れた植物の美しさを堪能できる
    立ち枯れた草木は、自然の営みを感じさせ、落ち着いた雰囲気を作り出します。

冬の植物園を訪れる人々

番組では、冬の植物園を訪れるさまざまな人々が登場しました。彼らはなぜ、この寒い季節に足を運ぶのでしょうか?

  • 人生の転機を迎えた人が梅を見に訪れる
    「梅は春の訪れを告げる花」と言われるように、寒い中で凛と咲く姿は、強さや前向きな気持ちを象徴する存在です。受験や転職、引っ越しなど、新たな一歩を踏み出す前に、静かに自分と向き合う時間を持つ人がいました。
  • 「枯れた植物の姿が美しい」という来園者
    青々と茂る植物の姿だけが美しいわけではありません。枯れた植物には独特の風情があり、そこに美しさを見出す人もいます。侘び寂びの感覚を楽しむ人もいれば、「枯れてもなお、そこに佇む姿に心を打たれる」と語る人もいました。
  • ただ静かにベンチに座り、木々を眺める人
    何か特別な目的があるわけではなく、ただベンチに座り、木々を見つめる人の姿もありました。忙しい毎日を忘れ、無心で自然に身を委ねる。そんな時間を求めて訪れる人もいるのです。

冬の植物園に集う人々

初日に登場したのは、家が近いということで年間パスポートを持つ親子連れ。毎日のように訪れるこの場所は、親子にとっても特別な場所のようです。寒桜を見に来た男性の姿もありました。冬に咲く桜を目にすることで、春を待ち遠しく感じるのかもしれません。

元ガラス技師だったという男性は、昔の仕事について語ります。ものづくりに携わっていた人だからこそ、自然の造形美にも目を向けるのかもしれません。毎日散歩に訪れるという女性の姿もありました。日課のようにこの植物園を歩くことで、健康維持だけでなく、気持ちを落ち着ける時間にもなっているのでしょう。

また、恋に破れた女性もいました。片想いをしていた相手が結婚することを知り、ショックを受けた彼女は、何かを振り切るようにこの植物園を訪れたのかもしれません。植物園という静かな場所だからこそ、自分の気持ちと向き合うことができるのかもしれません。

午後になると、ベンチに座って景色を眺める男性がいました。彼は引退後、独り身で暮らしており、最近になって植物園に通うようになったそうです。ただぼんやりと風景を眺める時間が、彼にとっての癒しのひとときなのかもしれません。

夕方4時半、植物園の門が閉まります。訪れた人々はそれぞれの日常へと戻っていきます。

植物と向き合う人々

2日目となる2月5日。この日は特別に、開園前の植物園を見せてもらうことができました。ここには高山植物や寒冷地の植物が育てられており、中には絶滅危惧種も含まれているそうです。人知れず守られている植物たちの姿に、改めて自然の尊さを感じます。

開園後、温室前にいたのは花屋を経営する二人組の男性でした。彼らは植物の魅力について「生命力を感じる」と語ります。花屋という仕事を通じて、植物の美しさだけでなく、生命の力強さを日々感じているのでしょう。

80代の男性は、SNSのネタ探しのために訪れていました。高齢者とSNSはあまり結びつかないイメージもありますが、こうして日々の発信を楽しんでいる方もいるようです。情報を発信することが、彼にとっての活力になっているのかもしれません。

エコノミストの67歳男性もいました。経済の動きを見つめる仕事をしてきた彼は、植物園で何を考えているのでしょうか。産婦人科の医師の男性、クリーニング屋の男性など、訪れる人の職業や背景はさまざまですが、みんなそれぞれの目的を持ってここにやってきます。

自分だけの時間を求めて

3日目となる2月6日。この日は、朝からキャンバスを広げて絵を描く男性がいました。彼は「売れない絵描き」と語りますが、木々を見つめながら絵を描くことで心が落ち着くと言います。植物園の風景が、彼の創作意欲を刺激しているのでしょう。

また、中国出身の大学院生の女性も訪れていました。異国の地で学ぶ彼女にとって、この植物園はどんな存在なのでしょうか。母国を離れての生活は決して楽ではないかもしれませんが、植物の緑に囲まれることで、心が安らぐ瞬間もあるのかもしれません。

植物園がつなぐ時間と記憶

撮影最終日の2月7日。初日に登場した親子連れが再び訪れました。変わらない日常の一コマのようでありながら、こうして繰り返される日々の中で、植物園が親子の思い出を積み重ねていることが伝わります。

植物園は、ただ植物を鑑賞するだけの場所ではありません。それぞれの人生の一部として、さまざまな人が訪れています。日常の中に、ふと立ち寄る場所があるというのは、何気ないことのようでいて、とても大切なことなのかもしれません。

冬の植物園は、決して賑やかではありません。むしろ静寂の中にこそ、訪れる人々の思いが浮かび上がります。ここには、一人で静かに過ごしたい人、植物の魅力を感じたい人、人生の転機を迎えた人、ただぼんやりと時間を過ごす人、それぞれの居場所がありました。

小石川植物園の基本情報

名称: 東京大学大学院理学系研究科附属植物園(小石川植物園)
住所: 東京都文京区白山3-7-1
電話番号: 03-3814-0138
営業時間: 午前9時~午後4時30分(入園は午後4時まで)
定休日: 月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)
アクセス:

  • 都営三田線「白山」駅から徒歩約10分
  • 東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅から徒歩約15分
    駐車場: 専用駐車場なし(周辺のコインパーキングを利用推奨)

冬の小石川植物園の見どころ

梅林
2月から3月にかけて可憐な梅の花が咲きます。冬の寒さの中で咲く梅の姿は、訪れる人の心を和ませ、新たな気持ちにさせてくれます。

日本庭園
池泉回遊式の日本庭園があり、冬ならではの静けさの中で、落ち着いた風景を楽しめます。雪が降ると、まるで水墨画のような美しい景色が広がります。

公開温室
寒い屋外とは対照的に、熱帯・亜熱帯の植物が茂る温室もあります。冬でも緑豊かな植物を楽しめる場所です。

冬の植物園に関する口コミ

訪問者の声を紹介します。

  • 「梅の花が少しずつ咲き始めていました。寒い中でも可憐に咲く姿に心を打たれました。」
  • 「冬の植物園は人が少なく、とても静か。立ち枯れた草木にも風情があって、ゆっくり散策できました。」
  • 「寒い時期に温室に入ると、まるで別世界!熱帯の花々が見られて楽しかったです。」

まとめ

冬の植物園には、華やかな季節とは違った魅力があります。枯れた草木に静かな美しさを感じたり、冬に咲く花に心を動かされたり、都会の喧騒を忘れて穏やかな時間を過ごしたり。今回の「ドキュメント72時間」では、人生の転機に梅を見に来た人、立ち枯れた草木に美を感じる人、ただ静かに植物と向き合う人など、冬の植物園でのさまざまな過ごし方が映し出されました。

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