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【ETV特集】マハティール 100年の風に立つ|ルックイースト政策と独裁評価の理由は?医師時代・プトラジャヤ開発から読む信念 2025年1月24日

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マハティール100年の信念が示すもの

このページでは『ETV特集 マハティール 100年の風に立つ(2025年1月24日)』の内容を分かりやすくまとめています。

英領時代に生まれ、誰よりも強く「支配されたくない」と願ったマハティール。
ルック・イースト政策で国を前へ進め、民族対立や経済危機にも揺るがず立ち向かったその姿は、時に独裁と批判されながらも、常に「自らの足で立つ」国家を追い求めたものでした。
100歳となった今、彼が語る言葉は、混迷の時代を生きる私たちにも鋭く突き刺さります。

植民地マレーシアに生まれたマハティールの原点

マハティールの物語は、植民地支配の重たい空気の中で始まります。1925年、英領マラヤに生まれた彼は、幼い頃から肌の色や出自によって人が分けられる現実を容赦なく突きつけられました。そこで芽生えたのは、「誰にも支配されない」「必ず自由をつかむ」という燃えるような決意です。この感情こそ、のちに国を動かす原動力そのものになっていきます。
青年期には第二次世界大戦と日本軍占領が襲いかかり、時代の荒波はさらに彼の胸に深い刻印を残しました。戦後、医師として地域の人々を診察する中で、マレー人が苦しむ貧困と教育格差の現場を毎日のように目にします。「このままではマレー人は永遠に二級市民だ」──そう確信した彼は、国家そのものを変える覚悟を固めます。
この原点の体験は、後に彼が強烈なリーダーシップで国家の近代化を推し進め、同時に格差の是正に挑んでいく理由を鮮明に物語っています。番組では、一人の少年が抱いた怒りと願いが、アジアを動かす信念へと変わっていく瞬間が、圧倒的な必然として描かれていきます。

ルック・イースト政策と日本から学んだ国づくり

1981年、マハティールはついに首相の座に立ちます。その瞬間から、マレーシアの進む道は大きく転換しました。彼が打ち出したルック・イースト政策は「西ではなく東を見よ」という明確な宣言であり、日本や韓国の勤勉さ・技術・産業モデルを国家発展の核に据える大戦略でした。
日本企業との協力で自動車産業や重工業が生まれ、国産車プロトンの誕生は象徴的な成功となります。また、数万人の若者を日本や韓国に送り込み、そこで学んだ技術者たちが帰国後の産業発展を支えました。この“人づくり”こそ彼の最大の投資であり、マレーシアは一気に近代国家として跳ね上がります。
さらに政府と企業が一体となる開発方式を導入し、都市開発・インフラ整備は驚異的なスピードで進行しました。プトラジャヤの建設は、彼が夢見た“世界と対等に戦う国家”の象徴です。番組では、日本とマレーシアの間に築かれた厚い信頼、そしてアジアの未来を描こうとした彼の戦略の深部が描き出されます。

民族対立と格差に挑んだ長期政権の光と影

複数の民族が共存するマレーシアにおいて、マハティールは極めて難しい舵取りを迫られました。マレー系住民の地位向上政策を継続しつつ、国全体の成長を同時に実現させるという矛盾を、彼は強引にでも突破しようとします。
1991年には壮大な国家構想ビジョン2020を掲げ、貧困の大幅解消と民族間格差の縮小を約束します。実際に貧困率は大きく下がり、社会は劇的に変わっていきました。しかし、その裏で政権の強権性が問題視され、政敵の排除や司法への介入が批判を呼び、「独裁」のレッテルがつきまといます。
特にアンワル副首相の解任は国内を鋭く分断させ、マハティールの評価を永遠に二つに割る事件となりました。番組は、国家建設の英雄である一方、権力を掌握した強烈な指導者としての姿も隠さずに描きます。光と影、その両方が重なって“マハティールという人物像”が立ち上がります。

アジア通貨危機と「独裁者」批判の中で貫いた決断

1997年、アジア通貨危機がマレーシアを直撃します。通貨は暴落し、国家は崩壊寸前──そのときマハティールは世界の“常識”を真っ向から否定します。IMFの緊縮策を拒否し、資本規制と通貨固定という大胆すぎる政策を実行するのです。
世界中から非難が集中し、「時代錯誤」「独裁者の暴走」とまで呼ばれます。しかしマハティールは一切揺らぎません。「国を投機から守るのは私の責任だ」と断言し、独自路線を押し通します。その結果、マレーシアは奇跡的な回復を遂げ、通貨危機から最も早く抜け出した国の一つとなりました。
さらに彼は、欧米中心の国際秩序やグローバル化に対して鋭い疑問を投げ続け、アジアの価値と途上国の自立を堂々と主張します。番組では、世界を相手に抗い続けた彼の信念が、当時の映像とともに迫力をもって浮かび上がります。

100歳のマハティールが私たちに残す「自らの足で立つ」メッセージ

100歳となった今も、マハティールは決して静かに老いることを選びません。骨折しようが体力が落ちようが、彼はなお政治・歴史・世界情勢について語り続けています。その言葉には、激動の世紀を生き抜いた人物にしか持ち得ない重さがあります。
彼が繰り返し訴えるのは、「大国に頼ってはならない」「国は自らの足で立たねばならない」という断固たる信念です。これは国家だけでなく、私たち一人ひとりに向けられたメッセージでもあります。
今回の番組は、10年にわたる密着取材の結晶として、彼の100年を貫く“揺るがぬ軸”をあらわにします。植民地支配、独立、冷戦、グローバル化、そして現代の分断。これらすべてを通り抜けてもなお、マハティールは「自由」と「自立」という二つの価値を手放しませんでした。
その生き方は、不安定な時代を生きる私たちに、「自分の未来は自分で選ぶべきだ」と静かに、しかし鋭く語りかけてきます。マハティール100年の物語は、まさに今の時代にこそ響く、力強い問いそのものです。

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