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NHK【ドキュメント72時間】ベッドタウンの小さなクリーニング店|しみ抜き職人が語る鈴屋クリーニングとベッドタウンの暮らしに宿るクリーニング事情 2026年2月2日

ドキュメント72時間
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小さなクリーニング店に託された思い

このページではドキュメント72時間 ベッドタウンの小さなクリーニング店(2月2日)の内容を分かりやすくまとめています。
東京・町田市の静かなベッドタウンに佇む小さな店に、朝から晩まで人が訪れます。抱えてくるのは、冬物のコート、仕事用のスーツ、家族の思い出が染みついた一着。
洗濯物を通して、暮らしの苦労や希望がそっと語られ、店先にはそれぞれの人生が重なっていくように感じられます。

ドキュメント72時間が切り取った町田ベッドタウンの3日間

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番組の舞台になったのは、東京郊外のベッドタウン・町田市山崎町にある小さなクリーニング店です。団地やマンションが建ち並ぶ住宅地のスーパーの一角にあるこの店に、3日間カメラを据えたのが今回のドキュメントです。

シリーズとしてのドキュメント72時間は、1つの場所に72時間張りつき、人の行き来をひたすら見つめ続ける手法で知られています。東京の駅前、地方のフェリー乗り場、山奥の温泉宿など、毎回ごく小さな「点」を選び、その点を通り過ぎる人々の事情と感情を積み重ねることで、日本社会の「今」を浮かび上がらせてきました。

今回のテーマは、都心近郊のベッドタウンに暮らす人びとの生活を、洗濯物を通して描き出すことです。春に冬物を出せなかった人、月に一度スーツを出す男性、大切な家族のためにシミ抜きを頼む人…。洗濯物の束は、その人の仕事や家族関係、悩みや覚悟を、そのまま具体的な「重さ」として映し出します。

このエピソードは、もともと2020年に初めて放送され、その後も再放送が重ねられてきた人気回です。新型コロナの影響で生活リズムが乱れ、「いつもの衣替え」ができなかった年に撮影されたからこそ、洗濯物をクリーニングに出すという、何気ない行為の意味がいっそう強く感じられる回になっています。

町田・鈴屋クリーニングという「しみぬき達人」の舞台

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番組の舞台となったのは、東京都町田市山崎町にあるクリーニング店・鈴屋クリーニングです。住所は東京都町田市山崎町1343-2。スーパー三和 山崎店のテナントの一つとして、マンションや団地に囲まれた一角に店を構えています。

この店は、地元では「シミが落ちない服を最後に持ち込む店」として知られています。他店で断られるような頑固な汚れでも、ここに来れば何とかしてくれると口コミが広がり、遠方からも相談が集まるほど。実際、鈴屋クリーニングは「しみぬき110番」という専門サイトを運営し、宅配での相談も受け付けている本格派です。

店の看板職人は、染色補正一級技能士の市村勇さん。意外なことに、かつてはアマチュアボクシング全日本フライ級チャンピオンという経歴の持ち主で、「鍛え抜かれた集中力と粘り強さ」を武器に、シミ抜きの世界に飛び込んだ人物です。和服の染色補正技術を洋服のシミ抜きに応用し、長年の修行の末に高度な技術を身につけた「しみぬき達人」として、テレビや雑誌にも度々登場してきました。

団地とマンションが広がる町田のベッドタウンで、鈴屋クリーニングは30年以上にわたり、1日およそ600点もの衣類を洗い続けてきたと番組内で語られます。店主は、預かる服を眺めるだけで「今年、何が流行しているのか」がわかると言い、その言葉どおり、カウンターにはスーツからダウン、学生服、カーペットまで、ありとあらゆる「暮らしの断片」が積み重なっていきます。

10月23日・平日、働く大人たちが託したスーツとカバン

撮影初日の10月23日、平日のクリーニング店は、朝から夜まで「働く大人たち」の気配に満ちています。近くのマンションに暮らしている元サラリーマンの男性、69歳の主婦、自動車販売業を営む男性など、長年この街で生きてきた人が、いつものように洗濯物を抱えてやって来ます。

夕暮れになると、仕事を終えた若い会社員がスーツを預けに立ち寄ります。ネクタイをほどきながらカウンターにスーツを差し出すその姿には、「明日もまたこの服で戦う」という無言の決意がにじみます。スーツをきれいにすることは、単に身だしなみを整えること以上に、「自分を奮い立たせる儀式」に近い感覚なのかもしれません。

この日、20年前に買ったカバンを持ち込んだ女性も登場します。長年使い込んだ、本来なら買い替えてもおかしくないカバン。それでも彼女は、「どうしてももう一度きれいにして使いたい」と、鈴屋クリーニングに託します。古いカバンについた汚れは、学生だったころの記憶、仕事を始めたころの不安、家族との旅行の思い出など、さまざまな時間の堆積です。それを洗い落としてもう一度使うという選択には、「過去を捨てる」のではなく、「磨き直して次のステージに持っていく」という前向きな意思が感じられます。

1日の終わり、夜7時にシャッターが下ろされると、それまでひっきりなしに開閉していた自動ドアがぴたりと静まり返ります。店の静けさは、そのままベッドタウンの夜の静けさ。昼間の忙しさから解放された街が、ふっと深呼吸するような時間が、画面越しにも伝わってきます。

10月24日・土曜日、シミ抜きに込められた祖父母世代の人生

2日目の10月24日は土曜日。朝からスーパーには買い物客が押し寄せ、その流れに乗るように、クリーニング店にも多くの客がやってきます。週末は、平日に時間が取れない人が「溜まった洗濯物」を一気に解決しようとする日でもあります。

この日、印象的なのが、愛用のジャンパーのシミ抜きを依頼しに来た夫婦の姿です。長年着続けてきたジャンパーには、日々の仕事や趣味、旅行の思い出がこびりついています。買い替えることもできるのに、わざわざ「もう一度きれいにして着たい」と持ち込む夫婦。そのリクエストは、物を大切にする価値観だけでなく、「一緒に重ねてきた時間をこれからも続けたい」という夫婦の絆を、静かに語っています。

さらに、元エンジニアの男性が、シミ抜きを終えた衣類を受け取りにやって来ます。高い技術職として働いてきた彼にとって、汚れひとつないシャツやズボンは、仕事の誇りを象徴するもの。現役を退いた今でも、「きちんとした服装でいたい」という思いが残っていることが、短いインタビューの中から伝わってきます。

昼どきには、孫の絵の具がついた服を持ち込む祖母が登場します。娘である母親はすでに亡くなっており、その孫を引き取って一緒に暮らしているという女性です。保育園や学校で思いきり遊び、絵を描き、服を汚して帰ってくる孫。その汚れをせっせと落としながら、祖母は、親代わりとしての責任と、孫への深い愛情を胸に抱えています。服についた絵の具のシミは、孫が懸命に生きている証であり、その1枚1枚をきれいにすることは、「あなたは大丈夫、ちゃんと守られているよ」と伝える静かなメッセージでもあります。

夕方には、カーペットのクリーニングを引き取りに来た79歳の女性も映し出されます。職業は保険営業。これまで二度の離婚を経験し、「仕事は家には持ち込まない」ときっぱり語る彼女の横顔には、長い人生でさまざまな困難をくぐり抜けてきた強さが刻まれています。

カーペットをきれいにすることは、住まいの空気を一新することでもあります。多くの人と出会い、別れ、時に自分の生き方を選び直してきたこの女性にとって、生活空間を整えることは、「自分は今ここから、またスタートを切る」という決意表明のようにも見えます。

閉店後、カウンターの奥では、店のスタッフが黙々とシミ抜き作業を続けています。シミ抜きは、薬剤やブラシの当て方を少しでも誤れば、生地そのものを傷めてしまう、神経のすり減る作業です。にもかかわらず、職人たちは一着一着と向き合いながら、長年の勘と技術を総動員して、できる限り「元通り」に近づけていきます。ここにこそ、鈴屋クリーニングが「しみぬき達人」の店と呼ばれる理由が凝縮されています。

10月25日・日曜日、家族の転機と夜の街のスーツ

3日目の10月25日は日曜日。開店早々、親子連れがやって来ます。夫と息子が借りていた服をまとめて出しに来たという女性は、思春期に差し掛かった息子の反抗期にずっと悩んできたと打ち明けます。

ところが最近になって、息子が突然ピンクのバラを買ってきたと言います。「これ、お母さんに」と照れくさそうに渡された花束。その出来事を思い出しながら話す彼女の表情には、これまでの辛さと、ようやく感じ始めた「変化の予感」が交錯しています。反抗期のトゲトゲした言葉の奥で、息子なりに母を思う気持ちが育っていたことを実感し、少しだけ胸が軽くなったのかもしれません。

この日、長女の七五三のために着物を持ち込む母親も現れます。晴れの日に子どもに着せる着物は、一家にとって特別な一着です。写真館での撮影、神社へのお参り、親戚への挨拶…。着物をきちんと整えることは、その日を最高の形で迎えるための準備であり、「この子の成長を、きちんと見守ってきた」という親としての自信にもつながります。

夜の仕事に就く男性がスーツを受け取りに来る場面も印象的です。キャバクラで働くという彼は、仕事用のスーツを「自分の名刺代わり」として大切に扱っています。照明の強い夜の店では、スーツの光沢やシルエットが仕事の出来を左右する世界。だからこそ月に一度、この店でスーツを完璧な状態に整え、自分のスイッチを入れ直すのです。

ベッドタウンの小さなクリーニング店には、昼間の家庭の時間と、夜の街で働く人の時間が交錯しています。日曜日という、家族がゆっくり過ごすはずの一日にも、夜のシフトへ向かう人がいる。その現実を、番組は淡々と映しながら、「同じ街に暮らしていても、背負っている時間帯はそれぞれ違う」という事実を静かに浮かび上がらせます。

10月26日・最終日、「どこか出かけたい」の一言が映すコロナ禍

4日目、取材最終日の10月26日。登場するのは、衣替えで夏服をまとめて持ち込んだ主婦です。本来なら春に冬物を、秋に夏物を…と、季節ごとの衣替えが当たり前に行われてきました。しかし2020年は、新型コロナの影響で外出自粛や在宅勤務が広がり、「季節感」が多くの家庭から失われていました。冬物を出せないまま春が過ぎ、気づけばまた寒い季節が近づいている――そんな人は、この女性一人ではありません。

彼女はインタビューの中で、「本当はどこか出かけたいけれど、こういう状況だとなかなかね」とぽつりと語ります。その「こういう状況」という言葉には、感染への不安、家族への気遣い、外出を控えるべきという社会的な空気、さまざまな葛藤が凝縮されています。

外に遊びに行く代わりに、せめて服だけはきれいにしておきたい。いつか状況が変わったときに、「すぐに出かけられるように」。クリーニングに出された夏服の束は、その小さな願いを目に見える形にしたもののように感じられます。

取材最終日の夕方、店にはいつものように洗濯物が出入りし、カウンターの奥ではシミ抜きとアイロン掛けが続いています。画面には大きな事件も、派手なドラマもありません。それでも、ベッドタウンに暮らす人びとが、さまざまな思いを抱えながらも「日常を続けよう」としていることが、確かな手触りをもって伝わってきます。

ドキュメント72時間「ベッドタウンの小さなクリーニング店」は、一枚のシャツ、一着のスーツ、一本のカーペットに宿る物語を通して、町田というベッドタウンに暮らす人びとの強さと優しさを映し出した回でした。洗濯物をきれいにするという、ありふれた行為の奥に、「この街で生きていく」という決意が、静かに、しかし力強く刻まれていることを教えてくれる作品になっています。

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