ゆずが歌に込めた思いと“15年の東北”
このページでは『あさイチ(2026年2月9日放送)』の内容を分かりやすくまとめています。
震災から15年。ゆずの2人が東北をめぐって生まれた震災伝承ソング 幾重 を中心に、番組では被災地に寄り添う人々の声が丁寧に紹介されました。
さらに、話題の 緊急避妊薬 市販化の解説や、千葉・大多喜町のハーブ園中継、季節を彩る料理コーナーまで盛りだくさんの内容でした。
ゆず『幾重』が生まれるまで 東北で聞いた声と15年の時間
オープニングでは、博多華丸・大吉、鈴木奈穂子アナとともに、ゲストのサンドウィッチマンの2人と白鳥久美子さんが登場しました。震災から15年という重いテーマですが、スタジオには「ちゃんと笑顔も交えながら、でも大事なことはまっすぐ伝えたい」という空気が流れていました。
特集の中心は、横浜出身のフォークデュオ ゆず(北川悠仁・岩沢厚治)が手がけた震災伝承ソング 「幾重」。この曲は、NHK仙台放送局から「東日本大震災の経験を未来へつなぐ楽曲を」と依頼されて誕生した、NHK東日本大震災15年・震災伝承ソングです。
番組では、2人が震災直後から何度も東北に足を運び、仮設住宅や避難所、病院などで歌ってきた歩みがあらためて紹介されました。2011年当時、仙台市内でのフリーライブや被災地訪問を重ね、歌を「励ましの手紙」のように届けてきたことが、今回の曲づくりの根っこになっています。
VTRでは、宮城県石巻市をはじめとする東北各地を訪ねる現在の旅の様子が映し出されました。2人はノートにびっしりとメモを書き込み、ギターを持って小さなフレーズを確かめながら、人々の言葉を音楽に変えていきます。観光ではなく、「聞きに行くための旅」であることが、映像からもはっきり伝わってきました。
タイトル 「幾重」 は、北川さんいわく「降ってきた」言葉。地層のように重なる時間、人の思い、季節の移ろい…そうしたものが何層にも重なって、今の私たちの暮らしがある、というイメージが込められています。公式発表でも「人々が重ねてきた15年の日々と想い、それぞれの歩みで未来を拓いていく姿をつづった曲」と説明されていました。
スタジオトークでは、伊達みきおさんが「歌ってすごいですね。お笑いは敵わないですね」とぽつり。被災地で出会った人たちの言葉が歌になって戻ってくる、その力を前にしての率直な感想でした。視聴者からも、「あの日、石巻赤十字病院で聴いたゆずの歌に救われた」というお便りが紹介され、音楽が心の支えになってきた具体的なエピソードが重ねられました。
福島・双葉町と浪江町 戻れない故郷で聞いた声
特集後半では、曲づくりの旅の舞台が宮城から福島へ移ります。案内役として登場したのが、ふたばプロジェクトの小泉良空さん。福島第一原発が立地する 双葉町 は、震災前は約7000人が暮らしていましたが、原発事故により全町避難となり、今も戻っているのはごく一部の住民だけです。
2022年に町の一部で避難指示が解除され、現在は「えきにし住宅」などの復興住宅に約100人が暮らしています。ゆずの2人は、炊き出しをしてくれた住民の皆さんと食卓を囲み、「15年間、どんなふうに暮らしが変わってきたのか」を一人ひとりの言葉で聞いていきました。
また、番組では 浪江町 の請戸地区も訪ねました。この地域は高さ15メートルを超える津波に襲われ、壊滅的な被害を受けた場所です。現在は津波の危険性が高い「災害危険区域」に指定され、家を建てて住むことはできません。案内してくれた横山さんの自宅跡地には、今も基礎だけが残り、当時の津波の高さを示す標識が立っていました。
横山さんは震災後、郡山市での避難生活を経て、今は南相馬市で暮らしています。「ここには戻れないけれど、ここが自分の故郷であることは変わらない」。その複雑な思いが、ゆずの2人の胸にも静かに刻まれていく様子が印象的でした。
宮城・石巻市では、震災遺構として保存されている門脇小学校や、大川小学校の語り部として活動する 佐藤敏郎 さんの姿も紹介されました。佐藤さんは国語教諭として働きながら、震災で大川小学校6年生だった次女を亡くし、その後「大川伝承の会」の共同代表として全国で防災教育や語り部活動を続けている方です。
佐藤さんがゆずの2人に贈ったキーワードが「未来を拓く」。小さな日常が幾重にも重なって未来ができていく、その一つひとつを大切にしてほしいという願いが込められています。この言葉は、曲名 「幾重」 にも重なり、歌の中で「見過ごしてしまいそうなささやかな出来事」に光を当てる視点として生きていました。
視聴者からのお便りコーナーでは、「今年になってようやく福島の海を見る勇気が出て、母と6号線を車で走った」という声も紹介されました。避難指示が解除された地域と、今も帰還困難区域として残る場所。番組はその両方を丁寧に映し出しながら、「震災を知らない世代にも、今の東北をどう伝えていくか」という問いを視聴者にも投げかけていました。
緊急避妊薬の市販化が始まった今、知っておきたいポイント
番組後半の特集は、先週スタートした 緊急避妊薬 の市販化についてでした。緊急避妊薬は、避妊に失敗したときや予期せぬ性行為のあとに、望まない妊娠を防ぐために使う薬です。日本では、これまで医師の処方が必要でしたが、2026年2月2日から一部の薬局・ドラッグストアで市販薬として購入できるようになりました。
現在市販されているのは、第一三共ヘルスケアの「ノルレボ」。1錠7480円で、性行為から 72時間以内に1錠 を服用することで、約8割の確率で妊娠を防げるとされています。
スタジオには産婦人科医の高尾美穂さんが登場し、「10代だけでなく、40代の方でも妊娠リスクはゼロではない」「緊急避妊薬はあくまで“救急車”のような存在で、日常的な避妊とは別物」という大事なポイントを説明していました。世界ではWHO(世界保健機関)が、緊急避妊薬を薬局で処方箋なしに入手できるようにすることを強く推奨しており、日本もようやくその流れに一歩近づいた形です。
購入方法の実例として、東京都福生市のドラッグストアの取り組みも紹介されました。生理用品コーナーの近くに案内があり、購入希望者は事前連絡をして来店。販売は、専門研修を受けた薬剤師のみが担当し、プライバシーを守るための個室スペースで相談や説明を行います。営業時間外でも対応できるよう工夫している店舗もあり、アクセス向上への試みが印象的でした。
服用後は、3週間後を目安に妊娠検査薬などで効果を確認することが推奨されています。副作用としては、一時的な吐き気や腹痛、不正出血などが起こる場合もありますが、一般的には重い副作用は少ないとされています。
番組では、厚生労働省が「薬剤師の前で面前服用」を条件としている一方で、今後の運用見直しについても議論していく方針であることも紹介。日本では、他の先進国と比べて緊急避妊薬へのアクセスが遅れていた経緯があり、「誰もが必要なときに、安心して相談できる体制づくり」が今後の大きな課題だとまとめていました。
千葉・大多喜町「日本古来のハーブ園」から届いた癒やし
「いまオシ!LIVE」のコーナーは、千葉県夷隅郡大多喜町からの生中継でした。舞台となったのは、かつて「大多喜ハーブガーデン」として親しまれてきた場所を引き継いで生まれ変わる 大多喜有用植物苑。ここは、「暮らしに息づく日本とアジアの有用植物を探求する庭」をコンセプトにした、新しいスタイルの植物園です。
中継では、ガラスハウスや庭の一部を歩きながら、シソ、ヨモギ、ドクダミ、タチバナ、サザンカ、桂、月桃など、日本で昔から暮らしに使われてきた植物が次々に映し出されました。これらはいわゆる「和ハーブ」と呼ばれ、食用やお茶、薬草、入浴剤など、さまざまな形で生活を支えてきた植物たちです。
番組では、500円硬貨のデザインにも採用されているタチバナの話題も登場。柑橘の爽やかな香りが特徴で、古くから香料や観賞用として愛されてきた歴史が紹介されました。
ハーブティーの試飲コーナーでは、ヨモギやドクダミ、サンショウなどをブレンドした和のハーブティーが登場。視覚・香り・味の三拍子で「日本の植物文化」を楽しめる場所として、大多喜町が新たな注目スポットになりそうだと感じさせる内容でした。
病院ラジオ新作が伝える がん専門病院のリアル
情報コーナーでは、サンドウィッチマンの2人が出演するNHK番組『病院ラジオ』の新作が一足早く紹介されました。今回の舞台は、埼玉県北足立郡伊奈町にある 埼玉県立がんセンター。がん専門病院として、地域医療の中核を担う施設です。
VTRでは、治療に向き合う患者さんやご家族が、サンドウィッチマンの2人とトークを交わし、その中で胸の内を少しずつ言葉にしていく様子が映されました。この番組の特徴は、「笑い」と「本音」が一緒にあること。重い病気の話をするときでも、時折こぼれる笑顔が、見ている側の緊張もやわらげてくれます。
放送日は2月11日朝と紹介されましたが、『あさイチ』では詳細な内容までは明かさず、「がんと向き合う人たちの等身大の声を聞いてほしい」というメッセージが中心。サンドウィッチマンが本編でもしっかり登場することが、今回の『あさイチ』とのつながりでもありました。
みんな!ゴハンだよ「キャベツとねぎのパスタ」の作り方とコツ
ラストの「みんな!ゴハンだよ」では、イタリア料理店シェフの鈴木弥平さんが、ミラノの郷土料理をベースにした 「キャベツとねぎのパスタ」 を紹介しました。ミラノ・コルティナ冬季オリンピックを意識して、ショートパスタを五輪の輪に見立てた、見た目も楽しい一皿です。
みんな!ゴハンだよ「ミラノ伝統料理+五輪!キャベツとねぎのパスタ」
今回の『あさイチ』は、ゆず の歌がつなぐ東北の15年という重いテーマからはじまり、からだと暮らしを守る 緊急避妊薬 の最新情報、日本の植物文化を感じる大多喜町のハーブ園、そして家庭ですぐ試せる キャベツとねぎのパスタ まで、「今を生きる私たち」に関わる話題がぎゅっと詰まった回でした。
震災から15年という節目に、日々のごはんや暮らしの工夫を通して「未来をどう拓いていくのか」を静かに考えさせてくれる内容だったと思います。
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