はじめに
2025年1月17日に放送されたNHK総合の人気番組『チコちゃんに叱られる！』では、「デパ地下の謎」「クロワッサンの謎」「ふりがなのルビの由来」という興味深いテーマが取り上げられました。河北麻友子さんとあばれる君をゲストに迎え、楽しいトークと新たな発見が満載の45分間でした。
デパートの食品売り場が地下に配置される理由とは？
「デパ地下が地下にある理由」について、チコちゃんが解説しました。その正解は、「デパートが土足禁止だったから」です。この背景には、デパートの歴史と呉服店の伝統が深く関係しています。
デパ地下の起源と背景
- デパートが登場した当初、日本の呉服店の伝統に倣い、店内は土足禁止でした。床には畳が敷かれており、靴を脱いで入店するのが一般的でした。
- デパートの入口には「下足番」という履物を預かる専門の係員が配置されていました。預かった靴は、地下に設置された「下足置き場」で保管されました。
- しかし、このシステムは出入り口の混雑を引き起こし、全国のデパートにとって大きな課題となりました。
松坂屋の革新とデパ地下の誕生
- この課題を解消するため、松坂屋では土足入場を解禁しました。これにより、下足置き場が不要となり、そのスペースが空くことになりました。
- 空いた地下スペースは食品や台所用品の売り場として転用されました。この発展が現在の「デパ地下」の基盤となりました。
- 日本で最初のデパ地下とされるのは松坂屋名古屋店の「東西名物街」です。当初は脇役だった食品売り場が、次第にデパートの花形へと進化していきました。
デパ地下の魅力と現在
- デパ地下は、食品の鮮度管理や陳列のしやすさから、食品販売に最適な場所として定着しました。
- 現在では、地元名産品から海外の高級食材まで、多彩な商品を扱う「食のエンターテインメント空間」として人気を博しています。
- 地下という立地は、冷却コストの削減やアクセスの便利さからも消費者に支持されています。
松坂屋の土足解禁による地下スペースの活用が、「デパ地下」の発展を支えた重要な歴史的背景となっています。現在のデパ地下は、ただ食品を売るだけでなく、買い物体験を提供する場として進化し続けています。
なぜクロワッサンは三日月の形なのか？
クロワッサンの三日月形の由来について、日仏料理協会の宇田川さんが解説しました。その答えは「オスマン帝国に戦争で勝ったから」です。この形には深い歴史的背景が込められています。
歴史的背景
- 1683年、オーストリアのウィーンはオスマン帝国による第2次ウィーン包囲に直面しました。オスマン帝国軍は2か月間包囲を続けるも、膠着状態に陥りました。
- 追い詰められたオスマン帝国軍は深夜に地下トンネルを掘り進め、都市への侵入を試みました。そのトンネルが偶然にもパン工房近くに到達したことで状況が変わります。
- パン職人たちは地下での異変に気づき、軍隊に報告。これが功を奏し、オスマン帝国軍の侵入は防がれました。
クロワッサンの原型「キッフェルン」
- パン職人の功績を称えた皇帝は、特別なパンを作る権利を与えました。こうして作られたのが「キッフェルン」です。
- キッフェルンは、オスマン帝国の旗に描かれた三日月を模した形状をしており、「オスマン帝国を食べてやった」という意味が込められていました。
クロワッサンの進化
- キッフェルンはその後フランスに伝わり、20世紀初頭、パリのパン職人によって現在のクロワッサンへと発展しました。
- パリでバターを多く使用した生地が開発され、サクサクした食感と香ばしさが特徴のクロワッサンが完成しました。
クロワッサンの普及と文化
- クロワッサンには三日月形以外にひし形も存在しますが、伝統的な三日月形が広く親しまれています。
- 現在では朝食や軽食として世界中で愛され、フランスのパン文化を象徴する存在となっています。
この形には、歴史的勝利の象徴としての意味と、パン職人たちの知恵と工夫が詰まっています。クロワッサンは単なるパンではなく、歴史と文化が詰まった一品といえるでしょう。
なぜふりがなを「ルビ」と呼ぶのか？
ふりがなが「ルビ」と呼ばれる理由は「宝石のルビー」に由来します。この背景には、印刷技術の発展と日本語独特の表記法が関係しています。
活版印刷の導入とふりがなの起源
- 1450年頃にヨーロッパで印刷機が発明され、活版印刷が広まりましたが、日本では手彫りによる製版印刷が主流でした。
- 江戸時代後期、本木昌造がオランダの書籍に感銘を受け、印刷機を輸入。アメリカ人技師ウィリアム・ガンブルのもとで活版印刷の技術を学びました。
- 日本語の漢字は種類が多く、活字化に課題がありました。そのため、識字率が約48％だった当時、すべての漢字にふりがなを付けた小新聞が発行されました。
「ルビ」という呼び名の由来
- 活版印刷で使われた小さい文字サイズ「7号」は、アメリカでは宝石の名前で呼ばれており、「ルビー」と名付けられていました。
- このため、7号サイズの文字で表記されるふりがなが「ルビ」と呼ばれるようになりました。
ふりがなと識字率向上への貢献
- ふりがな付きの新聞や書籍は、識字率向上に大きく寄与しました。これにより、幅広い層が情報を得られるようになり、印刷物が一般に普及しました。
- 活版印刷技術はその後、教育や出版分野にも大きな影響を与え、日本の近代化を支える重要な技術となりました。
ふりがなが「ルビ」と呼ばれる背景には、宝石名に由来する印刷技術の歴史と、それを取り入れた日本の工夫が詰まっています。この用語は、現在でも日本語特有の表記として広く定着しています。
エンディング
今回も盛りだくさんの内容で楽しませてくれた「チコちゃんに叱られる！」。次回の放送もお楽しみに！
視聴後の感想をお寄せください！
この放送で特に印象に残った内容や、新たに知ったことがあればぜひコメント欄でお知らせください！また、次回以降に取り上げてほしいテーマのリクエストもお待ちしております。
コメント