“空気を描いて”奥行きのある風景画に挑戦!
風景画を見たときに、「まるでその中に入り込めそう」と感じたことはありませんか?今回放送予定のNHK Eテレ『3か月でマスターする絵を描く(4)』では、風景画にリアルな奥行きを出すためのポイント「空気を描く」技術に注目します。見えない空気を描くことで、平面の紙の上に立体的な広がりが生まれます。講師は人気画家の柴崎春通さん、案内役には山之内すずさんが登場します。
番組では、柴崎さんが絵を描く工程を一つひとつ紹介しながら、奥行きを感じさせる絵の秘密をやさしく解き明かしてくれます。放送前の今はまだ詳細な内容は明らかにされていませんが、事前情報やこれまでの技法をもとに、どんな学びがあるのかを先取りしてご紹介します。
空気遠近法とは?絵に“空気”を加える魔法の技
風景画で遠くの山や建物が青白くぼんやり見えるのは、実際に空気が存在するからです。これを絵に取り入れるのが「空気遠近法(aerial perspective)」と呼ばれる技術です。空気遠近法は、古くから多くの画家が使ってきた基本の遠近表現で、遠くに行くほど色が薄く、輪郭が柔らかくなるという自然の現象を絵に再現する方法です。
たとえば、晴れた日に遠くの山を眺めると、近くの木々ははっきり見えるのに対して、遠くの山は青みがかって霞んで見えることがあります。これは空気中の水分やちり、光の屈折によって起こる現象で、現実の空間には「空気」というフィルターがかかっているのです。絵を描くときにも、この空気のフィルターを意識することで、自然な奥行きが生まれます。
柴崎春通さんが教える、空気の描き方のコツ
今回の講師・柴崎春通さんは、穏やかな語り口と丁寧な筆さばきで多くの視聴者に支持されている画家です。特に初心者でも実践しやすい水彩画や風景画の解説に定評があります。今回の放送では、柴崎さんが描く風景画を通して、奥行きを出すために何を考え、どう描くかが丁寧に解説される予定です。
・遠くのものは色を薄く、青っぽく描く
→空の色に近づけることで、背景として自然に見えます。
・近くのものはコントラストを強く、色鮮やかに描く
→手前の木や建物は、くっきりと力強く描くと距離感がはっきりします。
・輪郭の使い分け
→遠景は輪郭をぼかして、近景はしっかりとした線で描き分けると立体感が増します。
・明度・彩度を段階的に変える
→遠くは明るく淡く、近くは暗くはっきりした色合いにすることで自然な空気の層を表現できます。
・時間帯や天候によって空気の色も変わる
→朝は白っぽく、昼は青く、夕方は赤やオレンジが混じる。こうした色の変化も重要です。
これらの技法をどのように組み合わせるか、柴崎さんの筆の動きや絵具の選び方にも注目が集まりそうです。
山之内すずさんの視点で、初心者にもやさしく
山之内すずさんは、今回も番組のナビゲーターとして登場します。視聴者の「分からない」「できるかな?」という気持ちに寄り添いながら、柴崎さんのレッスンを受けていきます。前回までの放送でも、絵が得意ではない人にも安心して楽しめるように、彼女ならではのやさしいリアクションや質問が好評でした。
今回のテーマである“空気を描く”という難しそうな話も、山之内さんがその場で体験しながら理解を深めてくれることで、視聴者にも親しみやすく伝わる構成になることが期待されます。
風景画を描くときに意識したいこと
空気遠近法を使って風景画を描くときは、以下のような点を意識すると、より完成度が高くなります。
・前景・中景・後景の三層構造を意識する
→構図を立体的に組み立てることで空間が広がります。
・自然の観察を大切にする
→外に出て風景をじっくり観察し、「どこが青く、どこがくっきりしているか」を見る目を育てることが重要です。
・他の遠近法との組み合わせも効果的
→線遠近法(消失点を使った描き方)や色彩遠近法と空気遠近法を併用すると、より豊かな絵になります。
番組では、こうした実践的なポイントもふまえながら、柴崎さんが一枚の風景画を仕上げていく様子が描かれると考えられます。
『3か月でマスターする絵を描く(4)』は、2025年4月23日(水)21:30~22:00放送予定(NHK Eテレ)です。録画予約をして、当日は筆とスケッチブックを用意して、一緒に描きながら学んでみてはいかがでしょうか。
放送終了後には、番組内で紹介された具体的なテクニックやアドバイスをもとに、この記事にも詳細を追記していきます。これから風景画を始めたい方、絵に奥行きを出すのが苦手な方にとって、きっと役立つ内容となるでしょう。
コメント