メガネの知られざる進化と驚きの職人技!気球・チーク・自動ピントの秘密まで全部見せます!
2025年5月18日(日)放送の『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(NHK総合・18:05〜18:45)では、「メガネ」にまつわる知られざるお金の秘密と驚きの技術がたっぷり紹介されました。日本では約7500万人がメガネを所有しており、市場規模は5000億円を超える巨大産業。全国には1万店以上のメガネ店があり、なんとファミレスよりも多いとのことです。そんな身近な存在のメガネが、今、どれほど進化しているのか、最新事情から歴史、そして世界に誇る福井・鯖江の職人技まで、幅広く掘り下げられた内容でした。
目の検査で見る“気球”の正体とその意味
番組でカネオくんが訪れたのは都内のメガネ専門店。店内には約1200種類ものメガネフレームがずらりと並び、利用者は日常生活や仕事、趣味などのシーンに合わせて最適な1本を選ぶことができます。フレーム選びのあとは、視力を測るための検査へと進みます。
そこで使われるのが「オートレフラクトメーター」という視力測定の機械です。この機械で視力を測るとき、誰もが一度は見たことがあるのが一本道の先に気球が浮かぶ画像です。これは偶然の選択ではなく、目をリラックスさせた状態で正しく度数を測るために最適な画像として長年使われてきました。
・遠くを見ている感覚になるように、画像には「遠近感」がある
・いくつかのパターンを試した中で「気球」が一番リラックスしやすかった
・気球の周りに余計な情報が少ないので、視線がブレにくい
この画像を見ている間に、機械からは目に見えない赤外線が発せられ、それが目の中で反射されることで、近視・遠視・乱視の程度、さらには瞳孔間距離(PD)といった情報まで自動で測定される仕組みです。
その後に行うのが「レッドグリーンテスト」と呼ばれる色を使った検査です。これは左右で赤と緑の背景がある画面を見せながら、見え方のバランスを確認するもので、気球の画像で測定した度数が本当に合っているかどうかを微調整するために使われます。
・赤側がくっきり見えすぎると度数が強すぎる
・緑側がはっきり見えるなら度数が弱すぎる可能性がある
・どちらも同じように見えるのが最適な度数
さらに、最終段階として仮レンズを取りつけたメガネで両目の視力を確認し、1.0〜1.2程度まで見えるように調整されます。このときに使われる視力表に描かれている「C」の形のマークは「ランドルト環」と呼ばれる記号です。
・「ランドルト環」はスイスの眼科医が考案
・日本の学校や病院では一般的に使われている
・海外では「Eチャート」(アルファベットEの向き)も使われる
・文字が読めない小さな子どもには、動物や果物の形などを使った視力表もある
こうして度数が確定すると、すぐにレンズの加工に入ります。この店舗では、1000枚以上の異なる度数のレンズを常備していて、注文が入るとその中から最適なレンズを選び、フレームに合わせて加工機でカットされます。
・専用のカッターでレンズの形をフレームにぴったり合わせる
・加工はすべて店舗内で完結
・待ち時間はおよそ30分ほどで、その日のうちに受け取り可能
そして、出来上がったメガネの価格はレンズ込みで6600円という手頃さ。高品質でスピーディーな仕上がりに加え、価格の安さもあり、多くの人が気軽にメガネを新調できる時代になっていることが、番組からもよく伝わってきました。
福井・鯖江が支える“メガネ王国”のものづくり精神
短時間で作られる量産型のメガネがある一方で、じっくりと時間と手間をかけて作られる高品質な国産メガネも、多くの人に選ばれています。その代表的な産地が、福井県鯖江市です。この地域では、明治38年(1905年)からメガネ作りが始まりました。冬の間、農作業ができない地域の人たちが、屋内でできる副業としてメガネ作りを始めたのがきっかけです。
・鯖江は日本海側に位置し、冬場は雪に覆われる
・農家の収入確保のために、手作業で行える産業が求められた
・メガネ製造は細かい作業が多く、手先の器用な日本人に向いていた
その後、技術はどんどん進化し、1980年代には世界で初めてチタン素材のメガネフレームを開発。軽くて丈夫なこの素材は、今では世界中で使われています。さらに、2017年の時点で国内に流通するメガネフレームの約9割が鯖江製という実績からも、この地が「メガネの聖地」と呼ばれる理由がわかります。
番組では、鯖江で40年の経験をもつ金型職人・服部祥也さん(58)が紹介されました。鯖江のメガネ作りは完全な分業制で、服部さんは主に金型と部品製作を担当。まず、パソコンで作った平面図を3D化して立体モデルを作成し、それをもとに金型を削り出します。
・金型はすべてオリジナル設計で、精密な加工が求められる
・使用されるのはチタンなどの高硬度金属
・最大で250トンの力をかけてプレス加工を行う
この金型を使って、チタンの板をプレスし、フレームやパーツを打ち抜きます。部品が少しでもずれると、次の工程を担当する他の職人たちに迷惑がかかるため、ミリ以下のズレも許されません。だからこそ、各工程で丁寧なチェックが欠かせないのです。
続いて、フレームの「つる」部分と本体をつなぐ作業に移ります。ここでは「ロウづけ」という特殊な技術が使われます。
・ロウ材という合金を部品の間に挟む
・高温で熱しながら、圧力をかけて接合
・ネジ穴のついた小さな金具をつなげる「智」の作業もここで行う
ロウづけのあとは、見た目を美しく仕上げるための研磨工程です。小さな木のチップやクルミの殻を混ぜた箱にパーツを入れ、36時間かけて回転させながら磨き上げるのです。この工程で金属の角が取れ、つややかな表面になります。
研磨が終わったら、次は人の目による検査。職人が一つ一つ手に取り、傷やムラを細かく確認。もし磨き残しや傷があれば、赤えんぴつで印をつけて再度仕上げ直します。この地道な作業が、メイド・イン・ジャパンの品質を支える力となっています。
最後に、メガネの形を整える調整作業と、最終的な検品工程を経て、ようやく完成。完成したメガネの価格は1本あたり約4万円。手間と時間をかけて丁寧に作られたメガネは、軽さ・丈夫さ・掛け心地の良さで世界中のユーザーに愛用されています。
短時間で仕上がるリーズナブルなメガネと、長い時間をかけて作られる高品質な鯖江のメガネ。それぞれの良さがあり、日本のメガネ産業が多様なニーズに応えられる力を持っていることを、この放送は丁寧に伝えていました。
チーク効果や自動ピント調整など最新メガネ事情も続々登場
メガネは今や視力を補うだけでなく、美容や便利さをプラスするアイテムとしても注目されています。番組では、そんな最新のメガネ事情も取り上げられました。
まず紹介されたのが、チーク効果のあるレンズです。これはレンズの下半分にほんのりと色を入れた特殊な加工がされており、メガネをかけるだけでまるでチークを塗ったように顔に血色感を出してくれるという視覚効果があります。
・色味は自然なピンクやオレンジが中心
・顔色が明るく見えるので、メイクをしなくても健康的に見える
・特に学生や若い社会人など、朝の準備を時短したい女性に人気
このレンズは「メイクしなくても外出できる」として、若い女性を中心に話題となっており、美容とファッションを意識したメガネの選び方が広がっています。メガネというと視力補正がメインと思われがちですが、おしゃれと実用を両立するアイテムとして、ますます進化しています。
続いて紹介されたのが、近年開発が進むオートフォーカスメガネです。これはメガネにセンサーと特殊なレンズが組み込まれているもので、目の前にある物体までの距離を感知し、自動でピントを調整してくれるハイテクメガネです。
・近くの本を見るときはレンズが近距離に対応した形に変化
・遠くを見るときは自然に遠方にピントが合う
・老眼や遠近両用メガネの代わりとして注目されている
これにより、視線の移動に合わせて常にクリアな見え方が得られるというメリットがあります。読書中にスマートフォンを見たり、会話中に看板を見上げたりするときも、ピント合わせのストレスがなくなるのが特徴です。
ただし現在のところ、技術的な課題も存在します。
・構造上、レンズの一部にしか焦点が合わないため視界がやや狭い
・フレームのデザインが限定されている場合がある
・価格帯が高めで、一般的なメガネよりも手に入れにくい
このように、視界の狭さや価格などの課題は残っているものの、今後改良が進めばさらに普及が進むと期待されています。高齢者や多くの距離に対応する必要がある職業の人にとって、特に大きな助けになる技術です。
これらの紹介からも、メガネが「視力を補うもの」から「生活を豊かにする道具」へと進化していることがよく分かりました。見え方だけでなく、見た目や使いやすさを考えた開発がどんどん進んでおり、今後もメガネの新しい姿に注目が集まりそうです。
スタジオでは旅行の“お金話”で盛り上がる
オープニングトークでは、出演者たちの「最近使ったお金」エピソードも紹介されました。小手伸也さんは沖縄で家族とイルカと泳ぐ体験をしたことを明かし、実際の写真も紹介されました。川島海荷さんは韓国旅行で航空券をギリギリに買って2倍近くの値段になったと話し、小木博明さんは正月に家族でタイ旅行に行ったものの、妻に「つまらなかった」と言われ、次の旅行を企画するも娘の予定が合わずキャンセル料だけで30万円の損失が出たという驚きのエピソードも紹介されました。
まとめ
毎日のように使っているメガネ。その背後には最新テクノロジーの工夫や、日本のものづくりの伝統、そして使いやすさを追求したデザインが詰まっていました。わたしたちが気づかないうちに、メガネは着実に進化し続けています。番組を通じて、改めて身近なものの価値や背景に目を向けるきっかけになった放送回でした。
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