食器のお悩みをまるっと解決!収納術と選び方のコツ
2025年5月26日放送のNHK「あさイチ」では、「おサラば!食器のお悩み」をテーマに、“同じ食器ばかり使ってしまう問題”や“思い出の食器が捨てられない悩み”に迫りました。収納アドバイザーの井田典子さんや、スタイリストの竹内万貴さんが登場し、視聴者のリアルな食器問題に対して、具体的な収納術や活用法、買い替えのポイントを丁寧に解説しました。番組内では、「空間に負けないで」という印象的な格言も紹介され、暮らしの中での食器との向き合い方を見直す機会となりました。
実際の収納や使い方が「まるで我が家のよう」との反響も寄せられ、視聴者共感型の内容が多く盛り込まれていました。ここでは、放送内容をわかりやすく振り返ります。
食器収納の基本は「混在をなくす」ことから
番組で最初に取り上げられたのは、「つい同じ食器ばかり使ってしまう」という悩みでした。出演者のセロリさんは、手前にある食器ばかりを使い続けてしまい、奥にあるものが全く使われなくなっていることに気づいていました。この現象について収納のプロ・井田典子さんは、「使いづらい原因は、異なる種類の食器がごちゃ混ぜになっている状態」だと指摘しました。
井田さんは、食器を取り出しやすく、また毎日バランスよく使うためには、種類ごとに分けて収納することが大切だと話し、具体的には次のような工夫を紹介しました。
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朝・昼・夜に使う食器を分けて収納することで、毎日の食事に応じた取り出しがスムーズになる
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「何も置かない空間」を意識的につくることで、手が届きやすく出し入れしやすいスペースが生まれる
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空いている場所があっても無理に埋めないようにする意識を持つことで、詰め込みすぎによる使いにくさを防ぐ
このように、単に食器を収めるのではなく、使うシーンを想定して、空間に余裕を持たせて収納することがポイントだと説明されました。
井田さんが繰り返し伝えていたのは、「空間に負けないで」という言葉です。これは、収納スペースがあるからといって、そこに無理に物を入れない勇気が必要だという意味で、視聴者にとって印象的な考え方でした。使いやすさと見た目の整頓、両方をかなえるためには、あえて空白を活かす工夫が重要だということがよくわかる内容でした。
また、食器が見えづらく重なっていることで、取り出すのが面倒になり、結局手前のものばかり使うようになってしまうというパターンも紹介されました。そうした状況を防ぐためには、高さのある仕切りやトレーを活用するなど、食器同士が重ならない収納も効果的だと説明されていました。普段何気なく使っている食器棚にも、ちょっとした見直しと工夫で大きな変化が生まれるという実例として、非常にわかりやすい解説が行われていました。
思い出の食器、どう向き合う?
東京都に住む丹下さんの食器棚には、40年以上前から大切に使い続けてきた思い出の食器が数多く詰まっていました。しかし、思い入れがあるがゆえに、なかなか手放すことができず、「棚がいっぱいになってしまった」と悩んでいました。このような気持ちに寄り添いながら、収納の専門家・井田典子さんがアドバイスしたのは、まずすべての食器を一度棚から取り出すというシンプルな方法でした。
中身をすべて出すことで、普段目にしない奥の皿や長年使っていない器も改めて目に入り、気持ちを整理する第一歩になります。井田さんは、そのうえで次の3つに分けて仕分ける方法を提案しました。
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使う食器:これからも日常で活用するもの
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一時保管する食器:すぐには判断できないが、思い入れがあるもの
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処分する食器:役目を終えたと感じるものや使いづらいもの
特にポイントとなるのが「一時保管」の選択肢です。無理にすぐ決断をしなくてもよく、迷うものは一時的に別の箱などに保管しておき、時間をかけて向き合うことで自然と気持ちに整理がついてくると井田さんは説明しました。
また、今回の収納はもともと丹下さんの実家の食器棚でしたが、井田さんは「これからは丹下さん自身の棚として自由に使っていいんです」と伝え、過去の思い出を大切にしながらも、新しい暮らし方へと踏み出す後押しをしていました。
このような丁寧なプロセスによって、単なる整理整頓ではなく、気持ちの切り替えや前向きな生活のきっかけにもなることが伝えられました。思い出が詰まった食器とどう付き合っていくか、捨てるのではなく、未来の自分が心地よく過ごせる空間を作るための選択として、とても温かい提案が印象的でした。
食器の文化とエコ意識
番組では、日本やアジアの一部で根づいている「専用の器文化」にも注目が集まりました。日本では、料理に応じて使い分ける器が多く、お椀・取り皿・茶碗・小鉢など用途別の器を揃えることが一般的とされています。たとえば、ごはん茶碗はごはん専用、そばちょこはそばだけでなく和え物やデザートにも使うといった“専用だけど応用もできる”文化が日常に溶け込んでいます。
一方で、欧米では料理を問わず同じ皿で複数の料理を盛りつけるスタイルが主流であり、用途に応じて器を揃えるという習慣はあまり見られません。この違いは、文化や食事のスタイルの違いだけでなく、器に込める意味や演出へのこだわりの有無にも現れています。
しかし、その豊かな器文化の裏側には環境への課題もあります。使われなくなった食器の多くは不燃ごみとして回収され、焼却も困難なため埋め立て処理されることが多いのです。陶器や磁器は数千年経っても土に還らない性質があり、環境負荷が大きいとされています。
こうした問題に対して、岐阜県では不要な食器のリサイクルに取り組むプロジェクトが進められています。不要になった器を集めて粉砕し、新たな陶器の材料として再利用するなど、資源循環型の社会を目指す動きが注目されています。この取り組みは、食器を「使い捨てるもの」ではなく、「次の命を与えるもの」として見直すきっかけにもなっています。
番組には視聴者からも「テレビに映ったのが我が家の棚かと思った」という声が届いており、多くの家庭で感じている課題であることがうかがえました。見慣れた食器の中にある日本の文化と、環境への配慮の必要性が重なった今回の特集は、暮らしの中の選択を見直すヒントにもなっていました。
バラバラな食器でも“主役”を決めれば統一感が出る
次に取り上げられたのは、手持ちの食器がバラバラで、うまく組み合わせられないという悩みでした。スタイリストの竹内万貴さんは、このような場合でも大丈夫だとし、「まずは主役の皿を一つ決めること」が大切だとアドバイスしました。主役となる皿を軸にして、他の食器をその色味や形、質感に合わせて組み立てていけば、自然とテーブルに統一感が生まれるという考え方です。
番組では、ある視聴者が参加した某パンメーカーのキャンペーンでもらった白くて華やかなフランス製の皿を主役に選び、手持ちの他の器とバランスよく組み合わせていた実例が紹介されました。目立つ皿が一つあることで、全体が引き締まり、バラバラだった器同士にまとまりが出ている様子が印象的でした。
また、視聴者から寄せられた「使い道がわからないソーサー」についての相談に対しても、竹内さんは新たな視点を提案しました。コーヒーカップの受け皿として以外にも、
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お香立てとして使用する
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和紙などを敷いてお菓子をのせる
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小物トレーとして玄関や洗面所で使う
といったように、発想を少し変えるだけで多用途に活用できることを紹介していました。
こうした提案は、使わなくなった食器に「新しい命」を与えるようなもので、見た目のコーディネートだけでなく、実用性や愛着の再発見にもつながる内容でした。食器に正解はなく、自分なりの使い方を見つけることが暮らしを豊かにする第一歩だということが、具体例を通して丁寧に伝えられていました。
ちょっといい食器、どう選ぶ?
「食器を買い替えたいけど、なかなか踏み出せない」。そんな悩みに向き合ったのが、江原千鶴さんのエピソードでした。江原さんは、実家から譲り受けたものや100円ショップで購入した食器を長年使い続けてきたそうですが、新しい食器を選ぶ勇気が持てなかったと話していました。
そこで、スタイリストの竹内万貴さんが案内したのは、東京・渋谷にある愛知県瀬戸市のブランド食器を扱う専門店でした。ここで竹内さんが紹介したのが、「オーバルプレート」という楕円形の皿です。
この皿は、
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和食・洋食・中華などジャンルを問わず使える
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縦にも横にも置けるので、食卓での配置が自由
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省スペースで複数のおかずを盛るのにも便利
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料理に高さが出やすく、見た目も美しく仕上がる
といった実用性と美しさを兼ね備えた万能皿で、初心者にもおすすめしやすい一枚です。
番組では、さらに東京都世田谷の店も訪れ、家族7人で使える取り皿を色違いで購入しました。それぞれ色が異なることで、誰が片付けたかがすぐにわかるという利点もあり、家族内のちょっとした工夫としても役立っていました。
また、皿の色の選び方にも注目が集まりました。竹内さんによると、焼き魚など和食に合う皿の色は、「海の青」「波の白」「浜の茶」が基本。これらの色を基調とした器を選ぶと、料理がより自然に、そしておいしそうに見えるとのことです。
このように、食器を選ぶ際には、ただ見た目の好みだけでなく、使いやすさ・組み合わせの自由度・食卓での演出効果を考えることが大切であると、番組を通して丁寧に伝えられていました。新しい食器は、日々の食事をもっと楽しく、豊かな時間に変えてくれるツールとして、慎重に、でも前向きに選んでいくことがポイントです。
病院に行くべき?めまいに関する医療情報も
番組後半では、「めまいが起きたときに病院に行くべきかどうか」という、身近でありながら判断に迷いやすいテーマが取り上げられました。解説を担当したのは、総合診療医の山中克郎さんです。実際にめまいを感じたとき、どう対応すればよいのか、自宅で様子を見るべきケースと、すぐに病院を受診すべきケースの違いについて、わかりやすく説明されました。
まず山中さんは、「安静にして短時間で自然におさまるようなめまい」については、急いで受診する必要はなく、しばらく自宅で様子を見ることも選択肢の一つと説明しました。疲労や寝不足、軽い貧血などが原因で一時的に起こるめまいは、時間の経過とともに回復することも多いためです。
一方で、次のような症状が現れた場合は注意が必要です。
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まっすぐ歩けない、ふらついて転びそうになる
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ろれつが回らない、言葉がはっきり話せない
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物が二重に見える、飲み込めないといった感覚の異常
これらは脳に関係する異常、特に小脳梗塞などの重大な疾患が隠れている可能性があり、すぐに病院を受診するべき症状とされています。脳に原因があるめまいは、一見軽そうに見えても命に関わることがあるため、判断を誤らないことが大切です。
また、耳鳴りや難聴をともなうめまいについては、内耳の異常が疑われます。代表的なものとしてはメニエール病があり、こちらは耳の中にあるリンパ液の異常が原因で起こることが知られています。治療は薬や生活習慣の見直しによって行われるとのことでした。
さらに、「良性発作性頭位めまい症」という病気についても紹介されました。これは、頭の位置を変えたときに耳の中で小さな石(耳石)が動いてめまいを引き起こすものです。このタイプのめまいは、体を動かすことで石が自然に元の場所に戻ることがあり、少しずつ改善していくケースも多いと説明されていました。
このように、めまいという身近な体の不調にも、さまざまな原因があり、症状の見極めによって適切な対応が変わることが、具体的な症例とともに紹介されました。症状のサインをしっかり理解しておくことが、健康を守る第一歩になると感じさせてくれる内容でした。
岩手・大槌町からの中継も話題に
「いまオシ!LIVE」のコーナーでは、岩手県大槌町からの生中継が行われ、地域の魅力と伝統文化を今に伝える話題が紹介されました。注目されたのは、世界のファッション業界からも注目を集めている“刺し子”のアイテムたちです。
刺し子とは、古くから伝わる日本の手仕事で、布を補強したり保温性を高めるために糸で細かく模様を縫い込む技術です。もともとは農作業着や日常の布製品に使われていましたが、大槌町ではこの伝統技法を現代のファッションに落とし込み、ジャケット、ブーツ、帽子などのオシャレなアイテムへとアップデートさせています。
制作しているのは、地元に住む70代の女性たち。手慣れた針仕事で、規則正しく丁寧な模様を施しながら、それぞれの作品に温もりと個性が込められています。中継では、落ち着いた色合いの布に白い糸で施された刺し子模様が映し出され、その繊細さと力強さが印象的でした。
さらに、こうした取り組みは東日本大震災からの復興の一環としても位置づけられており、地域の人々の生きがいや誇りを支える大切な活動になっています。地元の風景とともに、「ひょっこりひょうたん島」のモデルと言われる小さな島も紹介され、大槌町ならではの魅力が映像から伝わってきました。
伝統と現代が見事に融合した刺し子の世界は、高齢者の技術と感性が新たな価値を生み出す好例でもあり、視聴者にも心温まる印象を残す中継となりました。暮らしの中に生きる手仕事の力と、その背景にある人々の思いが丁寧に伝えられた内容でした。
ゴハンのコーナーでは井澤由美子さんの「酢でさっぱり南蛮漬け」
料理研究家・井澤由美子さんが登場し、暑い季節にぴったりな「酢でさっぱり南蛮漬け」を紹介予定です。さっぱり味で食欲がないときにも食べやすく、健康的なレシピとして注目です。
この料理に合う食器の使い方や、盛り付けのポイントについても触れられるかもしれません。
【出演】
ゲスト:大沢あかねさん、ホラン千秋さん
講師:井澤由美子さん(料理研究家)
キャスター:博多華丸・博多大吉さん、鈴木奈穂子さん
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