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NHK【映像の世紀バタフライエフェクト】台湾130年の苦難と繁栄!国連追放と半導体大国の今|2025年6月30日

映像の世紀バタフライエフェクト

台湾130年の痛みと再生をたどる壮大な歴史物語

2025年6月30日(月)、NHK総合で夜10時から放送される【映像の世紀バタフライエフェクト】のシリーズ「激動 アジアの隣人たち」。その第2回は台湾がテーマです。この回では、台湾が歩んできた130年の苦しみと挑戦の歴史に迫ります。日本による植民地時代、戦後の国民党政権、国際社会での孤立、そしてそこからの経済成長と国際的な存在感の確立まで、台湾の激動の歩みが記録映像と証言をもとに紹介される予定です。台湾がどのように痛みを乗り越え、今の繁栄を手に入れたのか、その過程を見つめ直す特集です。

清代から日本植民地時代へ 台湾の出発点

台湾の歴史は17世紀、中国本土から漢民族が渡ってきたことから大きく動き出します。1683年には清(チン)朝が台湾を支配下に置きますが、その後の1894年、日清戦争の結果、日本に割譲されることになります。この下関条約により、台湾は日本の統治下へと入ります。このとき台湾では「台湾民主国」という短命の独立政権が誕生しましたが、日本軍によりすぐに崩壊してしまいました。この出来事が、台湾の人々のアイデンティティに大きな影響を与えたといわれています。

日本統治下の台湾と人々の葛藤

日本による統治は1895年から始まり、終戦の1945年まで続きます。この間、鉄道や道路の整備、学校教育の普及など近代化が進められた一方で、台湾人の自由は大きく制限され、先住民や漢族による反発も相次ぎました。北埔事件や太平天国事件などの反乱がその象徴です。1937年の日中戦争以降は、皇民化政策が強化され、日本語の使用が義務づけられ、台湾人の文化や言葉が奪われていきました。こうした統治の中で、台湾人の間には日本への複雑な感情が根付いていきます。

戦後 台湾が再び変わる時代

第二次世界大戦の終結後、台湾は中国(中華民国)の統治下に戻りますが、すぐに2・28事件という大きな悲劇が起こります。1947年、国民党政権による弾圧で多くの台湾人が犠牲となりました。この事件をきっかけに、台湾は約40年間にもおよぶ戒厳令(白色テロ)時代に入ります。反体制的な考えを持つ人や知識人は厳しく取り締まられ、社会全体が息苦しい空気に包まれました。この時代は台湾の歴史の中でも最も暗い時期のひとつです。

民主化と経済の奇跡 台湾モデルの誕生

1950年代以降、台湾は経済成長に舵を切ります。「台湾モデル」と呼ばれるこの発展は、電子産業や半導体産業の台頭が大きな要因でした。台湾製の電子機器や部品は世界中に輸出され、台湾経済は飛躍的に成長します。そして1987年には戒厳令が解除され、1996年には初の総統直接選挙が実施されました。台湾はアジア有数の民主主義国家へと生まれ変わり、自由な社会と活気ある経済の両立を実現しました。

国連追放と国際的孤立の壁

しかし、台湾には大きな試練もありました。1971年、国連総会で採択された決議2758号により、台湾は国連から追放され、中華人民共和国が中国の唯一の正統な代表と認められることになります。この決定により、台湾は国際機関からも次々と排除され、外交的な孤立が深刻化しました。現在、台湾と正式な国交を結んでいる国はわずか14か国ほどにとどまり、世界の舞台での発言権は大きく制限されています。

経済力と技術で壁を乗り越える台湾

国際社会での孤立を打破するため、台湾は経済と技術に力を入れてきました。特に半導体産業は台湾経済の柱となっており、TSMC(台湾積体電路製造)は世界の半導体市場で約9割のシェアを誇っています。2025年には高雄市に最先端の工場を新設し、約7000人の雇用を生み出すと発表されました。また、ITやバイオテクノロジー、AI(人工知能)などの分野にも積極的に投資が行われ、台湾は技術立国としての存在感を強めています。

さらに、台湾政府は「新南向政策」を掲げ、東南アジアや南アジア、オセアニアとの経済協力を強化し、中国への依存から脱却を目指しています。こうした多角的な外交と経済戦略によって、台湾は困難な状況の中でも着実に前進しています。

国際的な地位を築きつつある台湾

公式な国連加盟はできないものの、台湾は非公式な形で多くの国と交流を続けています。現在、約59か国と実質的な経済や技術、文化面での協力関係を築いており、EUとの経済連携協定や米国、日本との技術協力も進んでいます。2025年には、台湾政府がソブリン・ウェルス・ファンドの創設を発表し、外貨準備を活用して国際的な戦略投資を強化する方針を示しました。また、安全保障面では米国との連携を深め、地域の安定にも重要な役割を果たしています。

台湾の130年の歴史は、数々の苦難と挑戦の連続でした。しかし、その中で台湾は痛みを乗り越え、民主主義と経済力を背景に、国際社会で確かな存在感を放っています。今回の番組では、こうした台湾の歩みを映像や証言とともにたどり、歴史の重みと未来への希望を考える貴重な機会となるでしょう。

【ソース】
NHK公式:https://www.nhk.jp/p/ts/88R3M75QRY/episode/te/1R2G6V72Z7/
Wikipedia 台湾の歴史:https://ja.wikipedia.org/wiki/台湾の歴史
台北タイムズ:https://www.taipeitimes.com
ロイター:https://www.reuters.com
ウォールストリートジャーナル:https://jp.wsj.com
ワシントンポスト:https://www.washingtonpost.com

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