食後にお腹が急に痛む人へ…その原因、もしかして胆石かも?
食事のあとにお腹がズキッと痛くなることはありませんか?
特に油っぽい料理を食べたあと、右上のお腹が強く痛んで「これは何だろう…?」と不安になる方も多いです。
実は、こうした症状の背景にある代表的な原因が『胆石症』です。
誰にでも起こり得る病気で、国内では1000万人以上に胆石があると推定されています。
私自身も過去に胆石症について詳しく調べる必要があり、「どうしてこんなに多いんだろう?」「気づかないままの人もいるって本当?」と驚いたことがあります。同じように不安を抱えている方は多いはずです。
この記事では、
・胆石がどうしてできるのか
・どんな症状が出るのか
・どんな人が胆石になりやすいのか
・食生活や治療の最新情報
など、2025年の最新知識を整理しながら、分かりやすく紹介します。
読めば、「自分はどう対策すればいいのか」がスッと理解でき、生活の中で気をつけたいポイントが見えてきます。
Eテレ【きょうの健康】胆のう・胆管の病気 最新治療「胆のうに起こる病気とは?」“沈黙の臓器”に潜む胆のうポリープ10mmと東北大学 海野倫明教授の胆道外科最前線|2025年11月17日
胆石症ってどんな病気?もっと深く知りたい人へ
胆石症とは、胆のうや胆管といった“胆汁の通り道”に『胆石』ができてしまう病気の総称です。
胆のうは、肝臓が作った胆汁をいったんためておき、食事のときにギュッと縮んで必要な量を腸へ送り出すポンプのような存在です。
ところが、この胆汁の中にあるコレステロールやビリルビンなどの成分のバランスが崩れると、“砂の粒”のような固まりができ始め、次第に石のように大きく硬く成長していきます。
この胆石には種類があります。
・コレステロールが固まる『コレステロール結石』
・ビリルビンが関係する『色素結石』
・複数が混ざった『混合型』
結石の種類は人によって異なりますが、日本ではコレステロール結石が増えており、食生活や肥満との関係が注目されています。
胆汁の流れが滞る状態が続いたり、胆のうがしっかり収縮しなかったりすると、石はさらに形成されやすく、気づかないうちに大きくなることもあります。
どんな症状が出る?実際に多い訴えを詳しく
胆石症は「症状が出るタイプ」と「まったく症状がないタイプ」があります。
無症状の人も多いので、見つかったからといって全員が治療するわけではありません。
ただし、症状が出るときは非常に分かりやすい特徴があります。
食後に突然起こる“差し込むような痛み”
特に脂が多い食事をしたあと、胆のうが強く縮むタイミングで痛みがピークに達します。
右上腹部やみぞおちのあたりを中心に、
・ズキズキ
・ギューッ
・差し込むような痛み
が突然起こることがあります。
この痛みは、石が胆のうの出口に詰まって胆汁が出られなくなることが原因です。
肩・背中にも痛みが広がる
胆石の痛みは“関連痛”といって、右肩や背中まで広がることがあります。
“肩こり?”と思ってしまう人もいるほど特徴的です。
黄疸・発熱・悪寒
石が胆管に詰まると胆汁が流れず、皮膚や白目が黄色くなる『黄疸』が出ることがあります。
発熱や悪寒がある場合は、急性胆管炎の可能性もあり、これは緊急対応が必要な状態です。
吐き気・食欲低下
痛みで胃腸がうまく働かなくなり、吐き気や食欲の低下が強く出ることもあります。
症状がある場合は市販薬で様子を見るのではなく、早めに医療機関で相談することが大切です。
胆石になりやすい人の共通点は?
胆石ができやすい理由には、体質と生活習慣が大きく関わっています。
・女性はホルモンの影響で胆汁の成分が変わりやすい
・中高年になると胆のうの収縮が弱くなる
・肥満や脂質代謝が乱れていると、胆汁にコレステロールが増える
・急激なダイエットは胆汁が濃くなり、結石ができやすい
・脂っこい食事が多い生活
・運動不足
・肝臓や胆道の持病がある人
現代では食生活の欧米化が進んでおり、コレステロール結石が増えているのはこの影響も一因とされています。
また、長時間の空腹状態が続いたあとに大量に食べる習慣も、胆汁の流れを停滞させやすく注意が必要です。
胆石はどうしてできるの?仕組みをもっと詳しく
胆石ができる原因はひとつではなく、いくつかの要素が重なって発生します。
・胆汁の中のコレステロールが増える
・胆汁の流れ(胆道)が滞る
・胆のうの動きが弱くなる
これらの状態が続くと、細かな固まりが作られ、それが時間とともに結晶化して石に育っていきます。
特に「小さな石が複数できるタイプ」は、流れに乗って胆管に詰まりやすく、症状が出やすい傾向があります。
2025年の胆石症治療:基本から最新までしっかり解説
治療方法は“症状があるか”“結石の大きさや場所”“体の状態”によって、選択が大きく変わります。
● 食生活・生活習慣の改善
・脂っこい食品を控える
・食事回数を整え、極端な空腹を避ける
・急激なダイエットをしない
・適正体重を維持する
・食後はすぐ横にならない
といった工夫だけでも、発作を防ぎ、再発の予防にもつながります。
● 薬で治す方法
『ウルソデオキシコール酸(ウルソ)』は、小さなコレステロール結石を溶かす目的で使われることがあります。
ただし、
・時間がかかる
・すべての石には効かない
・胆のうの働きが弱いと効果が出にくい
などの理由から、適応は慎重に判断されます。
● 手術・内視鏡治療
症状がある胆石症の場合、多くは腹腔鏡下胆のう摘出術が選ばれます。
傷が小さく、入院期間が短いのが大きなメリットです。
また、「総胆管結石」がある場合には『ERCP』という内視鏡を使って石を取り除く方法があり、状況に応じて手術と組み合わせられます。
高齢の方や持病がある方には、より負担の少ない処置が選ばれるなど、個々の体に合わせた治療計画が立てられます。
まとめ:胆石は“誰でも起こり得る”からこそ、知識が大切
・胆石症は胆のうや胆管に石ができる病気
・食後の強い腹痛、右肩の痛み、黄疸、発熱は要注意
・女性・中高年・肥満・急なダイエットはリスクが高い
・治療は生活改善から薬、手術まで幅広い
・症状がなければすぐ手術とは限らない
自分の体の変化に気づき、早めに対応することが健康を守るいちばんの近道です。
気になる症状がある場合は、迷わず医療機関に相談してみてください。
最後に、この内容は番組と異なる場合があります。
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