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Eテレ【ザ・バックヤード】知の迷宮の裏側探訪 神奈川県水産技術センター 神奈川方式トラフグ×早熟性カジメ×血合いセレノネインの最前線|2025年11月26日

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ザ・バックヤード 未来を変える海の知恵が集まる現場へ

海に囲まれた三浦半島には、古くから漁業とともに歩んできた歴史があります。その中心にある三崎漁港は、全国でも有数のマグロの集積地として知られ、多くの研究者や漁業関係者が集まる地域です。その近くにある神奈川県水産技術センターでは、海の未来を守るための研究が次々と動き、実際に水産物の価値を高める成果が生まれています。

今回の番組では、トラフグの漁獲増加、荒廃した藻場の再生、厄介者とされてきたウニの肥育、そして生臭いとして敬遠されてきたマグロ血合いの活用といった、海と食の未来を変えるテーマが取り上げられます。放送前の段階でも、その研究は非常に興味深く、どのテーマも読み解いていくことで、海の可能性がどれほど広がるのかが見えてきます。

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トラフグの漁獲が増えた秘密は“暗闇と濁り水の部屋”にあった

かつて神奈川県でのトラフグ漁獲量はごくわずかで、年間0.2トンしか獲れない年もありました。冬の味覚として知られるトラフグですが、天然の資源量が少ないことが長年の課題でした。

そこで神奈川県水産技術センターが取り組んだのが、稚魚を人工的に育てて海に放す『栽培漁業』です。特に注目されているのが、稚魚を育てるときに用いられる独自の『神奈川方式』という技術です。

この方式では、稚魚を数luxというほぼ真っ暗な環境で育てます。稚魚にとっては、強い光はストレスになりやすく、餌を見つけにくくなることがあります。そのため極限まで光を落とし、落ち着ける飼育環境を作っています。

さらに、水槽には植物プランクトンや動物プランクトンを加えて濁りをつくる工夫も行われています。この“濁った水”が餌の役割を果たし、稚魚の成長を助ける仕組みです。濁った環境では稚魚同士がぶつかるストレスが軽減され、結果的に生存率の高い稚魚が育つことが確認されています。

このようにして育てた稚魚を海へ放流した結果、県内で水揚げされるトラフグの20〜40%が放流された個体と推定されるまでに増えました。番組予告の『漁獲一挙50倍』という言葉は番組独自の表現ですが、公式資料でも「数倍から数十倍の増加が確認される年もある」とされています。

この技術がどのように現場で使われているのか、番組での映像は非常に注目される部分です。

カジメが消えた海を取り戻せ 早熟性カジメが海藻の未来を変える

三浦半島の沿岸では、ここ数十年で海藻が大幅に減少する『磯焼け』が深刻になっています。海藻が消えると、魚のすみかがなくなり、海全体の生態系バランスも崩れてしまいます。

この問題を解決する鍵として期待されているのが、早熟性カジメの発見です。通常、カジメは成熟して胞子をつくるまでに1年半ほどかかると言われています。しかし、早熟性個体ではこれが半年ほどで成熟すると確認されています。

成熟のスピードが早いということは、海藻が減った場所に再び“親株”を増やしやすいということを意味します。この特性をうまく利用することで、荒廃した藻場の再生がスピーディーに進む可能性が生まれました。

この研究では、カジメの種苗を人工的に育て、ロープや基盤に付着させたうえで海に戻す作業も行われています。また、海藻を食べてしまうアイゴやウニから守るため、保護ネットなどの対策も併せて実施されています。

予告映像にある『3倍のスピードで繁殖』というキーワードは、番組内の説明にもとづく形ですが、早熟性カジメの特性を踏まえると、そのニュアンスは十分理解できます。海の未来を支える大きな研究として、放送本編での紹介が楽しみです。

価値のなかったウニを“太らせて美味しい食材”に変える挑戦

海藻が減る原因のひとつが、ムラサキウニの食害です。大量発生したムラサキウニが海藻を食べ尽くし、藻場が消えてしまう現象は全国の海で問題になっています。しかし、このウニ自体は身がほとんど入っていないことが多く、漁業者からも「価値が低い」と見なされることがありました。

そこで神奈川県水産技術センターが取り組んでいるのが、ウニを“肥育”して価値ある食材に変える研究です。

特に注目されているのが、三浦半島の農家で出る規格外野菜(キャベツなど)をウニに与える方法です。餌として海藻を使うだけではコストが高くなりますが、身近で大量に手に入る野菜を活用することで、持続的にウニを育てる仕組みが成り立ちます。

研究では、与える前は身入りが約2%しかなかったウニが、一定期間の給餌で10%を超えるレベルにまで育つ例が報告されています。これにより、以前は価値がつかなかったウニが、しっかり身が入り、甘みがある食材へと変わっていきます。

番組予告の「驚異のアイデア」という言葉は、この価値転換の大きさを象徴しています。捨てられる野菜と価値のないウニを組み合わせることで、新しい水産資源が生まれる――この発想がどのように育ったのかを知ることが、放送の大きな見どころになります。

マグロの血合いは“宝の部位” セレノネインが注目される理由

三崎漁港の象徴といえばマグロ。長年、おいしい赤身やトロの影に隠れ、“生臭い”“扱いにくい”として敬遠されてきたのが血合いの部位です。この血合いこそ、大きな可能性を秘めていました。

血合いには『セレノネイン』という強い抗酸化成分が含まれ、赤身の50〜100倍というレベルで蓄積しているという研究報告があります。セレノネインは細胞の酸化ストレスを抑える働きが期待されており、健康価値が高い成分として注目が集まっています。

この成分に注目した研究では、血合いを継続的に食べた人に、抗酸化作用や関連遺伝子の変化が確認された例もあります。これにより、従来捨てられがちだった血合いが、健康食品としての新たな価値を持つ可能性が広がりました。

さらに、血合いをおいしく食べるための調理方法も研究されています。番組予告にある『ユッケ』『サンドイッチ』のほか、『コンフィ』『ナンプラー焼き』など、食材としての幅が一気に広がりつつあります。

水産加工の現場では、血合いを扱いやすくする技術や衛生面の向上が進み、地域の資源を余すことなく活用する動きが強まっています。三崎漁港ならではの研究がどこまで紹介されるのか、放送での具体的な説明に期待が高まります。

まとめ

三浦半島の海で進む研究は、それぞれが独立しているように見えて、実は海の再生と地域の水産資源を守るという一点でつながっています。

トラフグを育てる暗闇の部屋、早熟性カジメの発見、ウニの肥育、マグロ血合いの価値向上――どれも、海の課題に対して「どうすれば未来を変えられるか」を追い続けて生まれた成果です。

この記事は放送前の内容をもとに作成しています。

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