食べてぽかぽか!冬の毎日を変える“おいしい温活ガイド”
寒い朝に体がなかなか動かない、指先がじんと冷える、夜になると足が冷えて眠りにくい…。冬になると、誰もが一度は感じるこうした不調には共通する原因があります。それが“冷え”です。『おとな時間研究所(2025年12月12日放送)』では、この冷えに寄り添い、食べもので体を温める方法を3人の料理のプロが紹介していました。薬膳の知恵、せいろでつくるモーニング、じんわり温まるスープ。どれも毎日のごはんに取り入れやすく、生活のリズムにそっと寄り添う提案ばかりです。
温活が注目される理由と“冷え”が招く落とし穴
冷えは、体からの小さなSOSのようなものです。手足の冷たさは表面的なサインで、その奥には血の巡りの悪さ、代謝の低下、疲れやすさ、さらには風邪をひきやすいといった不調が積み重なっています。特に冬は、外は冷たい空気、室内は暖房で乾燥…という環境で体温が安定しにくく、知らないうちに冷えが進みます。たまり続けると、むくみ、肩こり、だるさなど、生活のいろいろな場面で影響が出ることもあります。
こうした背景から、体の内側から温める『温活』が注目されています。厚着や暖房だけに頼るのではなく、食事で体をゆっくり温めることで、血の巡りを助け、日々のコンディションが整いやすくなります。特別なことをしなくても、普段の食材や調理法を少し変えるだけで変化があり、生活の中に自然に組み込めるのも続けやすい理由です。
薬膳の知恵で“食べて温める”食材選び
薬膳では、食材には「体を温める性質」や「冷やす性質」があると考えられています。寒い時期に味方にしたいのが、体を温める『温性』『熱性』の食材です。しょうがはその代表で、身体の中心からぽかぽかしてくる感覚を生みます。ねぎも血流を整える働きがあり、冬の食卓に欠かせない存在です。
さらに、たんぱく質源として身近な鶏肉は、温める性質があり、鍋やスープにすると一層うま味が引き立ちます。青魚のぶりも冬に脂がのり、温め食材としてよく活用されます。香りやコクが深いので、しょうがやねぎと組み合わせると、体が喜ぶ一皿になります。
また、冬に甘みが増す根菜類や、食物繊維が豊富なきのこ類は、薬膳の視点でも体をじんわり温める食材です。生のままでは体を冷やすサラダなどが多くなりがちですが、蒸したり煮たりするだけで温活メニューに変わります。普段の食材を使いながら、自然に温活ができるのが薬膳の魅力でもあります。
齋藤奈々子さんが教える“体がほっとする薬膳レシピ”
番組では、齋藤奈々子さんが冬にぴったりの薬膳レシピを紹介していました。ねぎやしょうが、鶏肉、ぶりなど、身近ながら温活に向いた食材を組み合わせて、無理なく続けられるメニューがそろいます。
たとえば、しょうがをたっぷり使った煮込み料理は、食べた瞬間から体が温まり、香りのよさも食欲をそそります。ねぎを主役にした一皿は、甘みと香りが引き出され、冬の食卓にぴったりです。ぶりの温かい料理は、脂のうま味がしょうがと好相性で、冷えが気になる日にも満足感のある味になります。
特別なスパイスや珍しい食材を使うイメージがある薬膳ですが、齋藤さんのレシピは普段の食材に寄り添ったもので、家庭でも気軽に試せるのが魅力です。「薬膳=難しい」ではなく、「薬膳=毎日のごはんの味方」ということを教えてくれる内容でした。
井澤由美子さんが提案する“湯気いっぱいのせいろモーニング”
冬の朝は体が固まりやすく、食事をとる前から冷えていることもあります。そんなときにうれしいのが、井澤由美子さんが紹介した「せいろモーニングプレート」です。せいろで蒸す調理法は、食材の水分や香りを逃さず、余計な油もいらないため、体にやさしい朝食になります。
根菜やきのこ類、旬の野菜を蒸すと、色鮮やかで甘みが引き立ちます。鶏肉や白身魚をのせれば、食べ応えのある温活プレートに早変わり。蒸した食材は冷えた胃腸にも負担が少なく、朝から体が温まって動きやすくなります。
さらに、せいろなら一度に複数の食材を蒸せるので、忙しい朝でも栄養バランスがとりやすいという利点があります。湯気がふわっと立ちのぼるせいろは、見た目にも温かさを感じさせ、冬の朝の楽しみになる一品です。
有賀薫さんの“毎日作りたくなる温活スープ”
温活を続けていくうえで強い味方になるのがスープです。番組では、スープ作家の有賀薫さんが、体を温めながら心までほぐれるスープを紹介していました。しょうがやねぎ、根菜を組み合わせた一杯は、寒い夜に飲むと体の芯までしみわたるような優しさがあります。
鶏肉を使ったスープはコクがあり、だしがよく出るので満足感があります。魚のうま味を生かしたスープや、きのこの香りを引き出したスープなど、素材を変えるだけで毎日楽しめます。どれもシンプルな工程で作れるものばかりで、料理に不慣れな人でも続けやすい内容でした。
スープは温度と水分の両方を体に届けられるため、冷えを感じたときの即効性があります。夜だけでなく、朝の一杯として取り入れても、体がふっと楽になる感覚があります。
毎日の生活に取り入れたい“おいしい温活”のコツ
温活は特別な習慣を作らなくても始められます。冷たい飲み物や生のサラダを少し控え、温かい料理を増やすだけでも体は変わります。蒸す、煮る、スープにするなど「温める調理法」を意識すると、食材の良さを生かしながら温活が進みます。
しょうがは加熱して使うと香りと温め効果が高まり、スープや煮物と相性抜群です。ぶりや鶏肉などのたんぱく質、根菜やきのこなど旨みの多い食材を組み合わせると、栄養もとれ、食事の満足感もぐっと上がります。
食べるだけでなく、温かい飲み物をこまめにとるのも冷え対策には有効です。お茶やスープなど、ほんの一杯でも体の巡りがよくなります。小さな積み重ねが、冬の体をやさしく支えてくれます。
まとめ
冬の『温活』は、体調管理のためだけでなく、毎日のごはんをより楽しむための知恵でもあります。番組では、齋藤奈々子さん、井澤由美子さん、有賀薫さんが、それぞれの視点からおいしく続けられる温活レシピを紹介していました。薬膳の考え方、せいろの蒸し料理、スープの温かさ…。どれも実践しやすく、生活にそっと寄り添う温活の形です。
冷えが気になる季節こそ、食べることで体を整えるヒントがたくさんあります。今日の食卓に、ひとつでも取り入れてみてください。冬の過ごし方が、きっと変わります。
せいろ選びで失敗しないために知ってほしいこと

せいろは、サイズと材質によって仕上がりが大きく変わる道具です。ここでは、筆者からの追加情報として、より具体的に“後悔しにくい選び方”を紹介します。せいろ初心者の方が迷いやすいポイントを、実際の調理シーンを思い浮かべながら整理しました。
サイズが料理の自由度を決める
直径18〜21cmのせいろは、とても扱いやすくて人気があります。小さめの蒸し野菜や点心、常備菜を少しだけ作りたいときにぴったりで、一人暮らしや二人暮らしの最初の一台としてとても便利です。手持ちの鍋にも収まりやすいので、使う前の準備がスムーズに進みます。
一方で、直径21〜24cmは日本の家庭で最も選ばれているサイズです。蒸し魚や肉料理、野菜をたっぷり入れた主菜づくりなど、毎日の献立づくりで応用しやすい大きさのため、家族分をまとめて蒸したい人にとって頼もしい存在になります。
25〜30cmは大きく迫力がありますが、収納スペースや使える鍋が限られるため、後から少し使いづらさを感じる人もいます。大きな野菜を丸ごと蒸したい、イベントご飯で一度に大量調理したいなど、目的がはっきりしている場合に向いています。
材質が「香り」や「扱いやすさ」を左右する
竹製は軽くて扱いやすく、価格も控えめです。木の香りが料理に移りにくいため、素材の味をそのまま楽しみたいときに最適です。毎日の温野菜や蒸しパンなど、気軽に使いたいシーンで力を発揮してくれます。
杉製はふんわりとやさしい香りが特徴で、蒸すだけで料理に深みが出ます。香りを楽しむ蒸し料理が好きな方には心地よい存在ですが、長く熱をかけ続ける使い方にはあまり向いていません。
ひのき製や厚手の木製せいろは、しっかりとしたつくりで丈夫です。多少の水気や熱にも強く、適切に手入れすれば長持ちします。蒸すとふわっと広がるひのきの香りが、料理の仕上がりを一段上げてくれます。
また、ステンレス製の蒸し器は耐久性に優れています。天然素材の香りづけは弱くなりますが、ムラが出にくく扱いやすいため、忙しい毎日の中でさっと蒸し料理を作りたい人には便利です。
初めて買うならこの組み合わせが安心
筆者が初心者におすすめしたいのは、竹製・21cmのせいろです。蒸し野菜、肉、魚、点心など幅広い料理に対応でき、家にある鍋とも合わせやすいため、最初の一台として安心して使えます。
ひとり暮らしや少量調理が中心の方は、竹製・18cmを選ぶと扱いやすく、収納の負担もありません。そして家族分をしっかり蒸したい場合は、ひのき製または厚手竹製の24cm以上が心強い存在になります。
具体的な商品でイメージしやすく
吉冨士工芸の竹せいろ21cmは、2段セットで料理の幅が広がります。蒸し野菜と主菜を同時に作れるので、温活メニューを続けたい人にとって心強いアイテムです。
パール金属の18cmせいろはコンパクトで扱いやすく、せいろを生活に取り入れたい初心者にぴったりです。小さな鍋と合わせて使えるため、場所をとらないのも魅力です。
まとめとして
せいろは、選び方さえ押さえれば毎日の料理が豊かになる道具です。サイズは生活スタイルに合わせて、材質は好みの仕上がりで選ぶと失敗しません。
素材の水分を活かしながら優しく蒸し上げるせいろは、冬の温活にも相性がよく、料理の時間そのものを楽しくしてくれます。これからせいろを始める方が、自分に合う一台に出会えるよう、今回の情報を紹介しました。
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