Eテレ【おとな時間研究所】探訪 しょうゆ日本の味　木おけ仕込みと奇跡の復興、渋谷で広がる発酵文化｜2025年12月19日

しょうゆは今も生きている　日本の味を支える人と時間の物語

このページでは『おとな時間研究所　探訪　しょうゆ日本の味（2025年12月19日放送）』の内容を分かりやすくまとめています。
毎日のように使っている『しょうゆ』は、ただの調味料ではなく、日本の暮らしや文化、そして人の思いが重なってできあがった存在です。この回では、若者の動き、伝統の蔵、家族の継承、震災からの復興、意外な食べ方まで、しょうゆをめぐる今の日本が描かれます。

若者を惹きつける渋谷のしょうゆイベント最前線

東京・渋谷では、若い世代が『しょうゆ』を主役にしたイベントに集まっています。
これまで「家の調味料」「和食の基本」と思われがちだったしょうゆが、味比べや体験型の企画を通して、新しい楽しみ方として紹介されています。
香りの違いを確かめたり、産地ごとの味を比べたりすることで、「こんなに違うんだ」という発見が生まれます。
発酵という日本独自の文化が、難しい説明なしでも体感できる形になっており、伝統が今の感覚と自然につながっている様子が伝わってきます。

木おけ仕込みにこだわる茨城の伝統しょうゆ蔵

茨城には、今も『木おけ仕込み』を続ける小さなしょうゆ蔵があります。
木おけは、長年使われることで中に微生物が住みつき、その蔵だけの味を育てます。同じ原料、同じ工程でも、蔵が違えば味が変わる理由がここにあります。
管理や手入れに手間がかかるため、木おけを使う蔵は年々減っていますが、それでも守り続ける理由は「味」にあります。
時間を味方につける造り方は、効率では測れない価値を持っています。

家族で守り継ぐ奈良のしょうゆ造りと次世代への思い

奈良では、家族で営まれてきたしょうゆ蔵が、日々の仕事として造りを続けています。
原料の選び方、仕込みの時期、温度や湿度の見極めなど、長年の経験が積み重なった感覚が生きています。
次の世代にどう引き継ぐのか、蔵を残す意味は何なのか。
しょうゆ造りは、味を作るだけでなく、家族の歴史や地域の暮らしをつなぐ役割も担っています。

震災を乗り越えた岩手「奇跡のしょうゆ」と復興の物語

岩手県陸前高田市の 八木澤商店 は、東日本大震災で蔵や木桶を失いました。
それでも、流出を免れた『もろみ』を守り、再び仕込みを始めたことで生まれたのが「奇跡のしょうゆ」です。
このしょうゆには、失われたものの大きさと、それでも前に進もうとした人たちの思いが込められています。
味そのものだけでなく、背景にある時間と記憶が、しょうゆの価値を深くしています。

職人の賄いと意外なしょうゆ活用法（ご飯・アイス）

番組では、職人たちが日常で食べている『しょうゆご飯』も紹介されます。
炊きたてのご飯にしょうゆをかけるだけのシンプルな一杯ですが、造り手にとっては自分たちの味を確かめる大切な食事です。
さらに、アイスクリームにしょうゆをかけるという意外な組み合わせも登場します。
甘さの中にコクが加わることで、新しい味の楽しみ方が生まれ、しょうゆの可能性が広がります。

料理が変わるしょうゆの使い分けと知っておきたい豆知識

しょうゆには『濃口』『淡口』『甘口』など、地域や用途によってさまざまな種類があります。
煮物、刺身、かけしょうゆなど、使い分けることで料理の印象は大きく変わります。
普段は意識しない違いを知ることで、いつもの料理が少し違って感じられるようになります。
しょうゆを選ぶことは、料理を楽しむことそのものにつながっています。

まとめ

この回で描かれる『しょうゆ』は、日本の暮らしの中で今も生き続ける存在です。
若者に広がる新しい動き、伝統を守る蔵、家族の思い、震災からの復興、日常と遊び心。
どれもが重なり合い、日本の味としてのしょうゆを支えています。