Eテレ【きょうの健康】餅を詰まらせたら 窒息事故の応急処置｜年末年始に急増する餅窒息と応急手当の基本｜2025年12月30日

年末年始に急増する餅による窒息事故の実態

年末年始は、家庭で餅を食べる機会が一気に増える時期です。それに合わせて、餅による窒息事故も毎年のように急増します。
餅は口に入れた瞬間はやわらかく感じますが、のどに入ると温度が下がり、強い粘り気が出ます。この性質が、気道に張りつきやすい原因です。
特に高齢者は、かむ力や飲み込む力が弱くなっていることが多く、少量の餅でも気道をふさいでしまう危険があります。
気道が完全にふさがると、酸素が体に入らなくなり、わずか5分ほどで心臓や脳に深刻な影響が出ます。これは特別なケースではなく、毎年繰り返されている身近な事故です。
「毎年聞く話」ではなく、「今年も起こり得ること」として向き合う必要があります。

窒息が起きたときに見逃してはいけない危険なサイン

窒息は突然起こりますが、体ははっきりとしたサインを出します。
声が出ない、言葉を話そうとしても音にならない状態は、空気が通っていない可能性が高い合図です。
激しく咳き込んでいる場合も注意が必要ですが、さらに危険なのは、咳すら出なくなる状態です。
手でのどを押さえるしぐさ、顔色が急に悪くなる、呼吸が苦しそうになるといった変化は、周囲がすぐに気づくべき重要なポイントです。
時間が経つにつれて、動きが鈍くなり、意識がはっきりしなくなることもあります。
この段階では「もう少し様子を見よう」と待つ余裕はありません。早く気づき、すぐ動くことが命を守る分かれ道になります。

餅を詰まらせた直後に行うべき応急処置の基本

餅を詰まらせた直後の対応は、状況によって変わります。
意識があり、しっかり咳ができている場合は、無理に何かをせず、咳を続けさせることが基本です。咳は体が異物を外に出そうとする自然な働きです。
一方で、声が出ない、呼吸が苦しそう、咳が弱い場合は、異物が気道をふさいでいる可能性が高くなります。
この場合は、背中を強く叩いて異物を出す方法や、お腹を圧迫して空気の力で押し出す方法が必要になります。
こうした対応と同時に、救急要請を行うことが前提です。
番組では、どのタイミングでどの動きを行うのかを、実演を交えて確認する内容が放送される予定です。

応急手当を行うことで助かる確率が高まる理由

窒息は、何もしなければ時間とともに確実に悪化します。
酸素が脳に届かない時間が長くなるほど、命の危険や後遺症のリスクが高まります。
一方で、周囲の人がすぐに応急手当を行うことで、助かる確率が大きく上がることが分かっています。
救急隊が到着するまでの数分間は、ただ待つ時間ではなく、命をつなぐためにできる行動がある時間です。
正しい知識があるかどうかで、その数分の意味は大きく変わります。
特別な資格がなくても、基本を知っていれば、誰でも命を守る側に回ることができます。

窒息事故を未然に防ぐための餅の食べ方と注意点

窒息事故は、起きてから対応するだけでなく、未然に防ぐことも大切です。
餅は小さく切り、ゆっくりよくかんで食べることが基本です。
食べる前に水分をとり、のどを潤しておくことで、飲み込みやすくなります。
急いで食べたり、話しながら食べたりすると、誤って飲み込んでしまう危険が高まります。
高齢者や子どもと一緒に食事をする場合は、周囲が目を離さず、様子を見守ることも重要です。
餅の調理方法を工夫し、やわらかくすることも、リスクを下げる有効な対策です。
窒息は、防ぐ意識を持つだけで減らせる事故です。年末年始の食卓だからこそ、少しの工夫が安心につながります。

まとめ

『餅 窒息 応急処置』は、年末年始に必ず確認しておきたい知識です。
事故は突然起こりますが、正しい知識があれば、命を守る行動ができます。
家族が集まるこの時期だからこそ、一人ひとりが知っておきたい、大切なテーマです。